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アリ・スミス『冬』

アリ・スミス『冬』木原善彦訳(新潮社)
季節4部作の2作目。『秋』の感想と他の作品について以前書いた記事はこちら。

あらすじは省略。

アリ・スミスの小説、私はいつも前半~3分の2くらいまではたどたどしく読んで、後半からぐんぐん面白くなって読後感はいたく気分が晴れやかになる。

今回もそうで、どんな感じか説明するために私が読んでいる時のわくわく度、高ぶり度、引き込まれ度をグラフにしてみた。横軸がページ数。

つまり、前半~中盤の流れに乗るまではちょっとくじけそうになるけれど、後半にかけてめっちゃ伸びてくるし読後は明るく満たされるので、これから読む人は、前半でくじけそうになってもちょっと辛抱して読み進めて欲しいなということで。(でも書き出しは面白くてつい吹き出した)

私の好きな場面はクリスマスの食卓を4人で囲んでいるところ。会話は微妙にかみ合わないし、ソフィアとアイリスがお互い独り言みたいにチクチク言い合って面白い。演劇的で、会話が軽妙でいいのです。

子どもの頭の件は最後までよくわからなかった。


最後に、この本を読む直前に撮影した薔薇の蕾の写真を載せておく。(『冬』を読み終えた人ならにっこりしてくれるはず)



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