見出し画像

2023年映画ベスト10

 びっくりするほどあっという間に2023年が終わっていこうとしている…。待って、まだあと20日くらいあったでしょ12月って。あと1日で12月終わるの…へぇ…。

 今年も観たい映画は観てきたけど、逃したものも多いなあ、と思いつつ2023年の映画ベスト10。

10.エスター ファースト・キル
 前作のエスターちゃんがそのままふたたびエスターちゃんを演じるなんて! しかもCGではなく撮影方法や単純に小道具を使って成人女性を幼く見せる手法がもたらす、ほんのりした不自然さが、エスターちゃんという存在のいびつさにもつながって、本当にわくわくした。だいすき。

9.オオカミの家
 もとになった事件自体を何も知らず、単純に映画作品として鑑賞したんだけど、ずっと気持ちが悪い。他人が見ている逃れられない悪夢を延々脳内に無理やり流し込まれる感覚がして(そんな状況になったことないけど)、くらくらする。鑑賞後、事件のことを調べてみて、鑑賞中に体感したあのくらくら感は当然だったのだと思うなどした。

8.キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
 顔面が整っている俳優しか成しえない、説得力のあるバカさ、薄っぺらさがここぞとばかりに発揮されていて、本当にディカプリオが愛おしくなる。今まで観た中でいちばんいいディカプリオ。単純にペラいだけじゃなくて、ちゃんとペラいなりに考え抜いたその上でバカなのが最高。金のために、白人がやりたい放題やってたアメリカ史の闇をじっくり描いたストーリーも圧巻だった。もう一回観たい、観よう。

7.SMILE スマイル
 エイフェックス・ツインの恐ろしいMVやレコードジャケットにも似た、狂気の笑顔が目に焼きつく。呪われた人が死の直前に脈絡なく見せるその笑顔が伝播し、新たな惨劇をもたらすという設定と、『リング』よろしく原因を探り、戦うストーリーはまあよくあるものではあるんだけど、ラスボスの「嘘でしょ…」な姿も含めて、最後まで大好物の一本。

6.エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
 言わずもがなのおもしろさ。とにかく異物をケツに! という勢いと、馬鹿馬鹿しさと、家族の嫌さとそれを上回る愛する気持ちと、アメリカで移民として生きる意味と、アクションと、先鋭的ファッションぜんぶを全力でてんこ盛りにしたのに、ぜんぶがおもしろい。どうかしてる!

5.Barbie バービー
 女性として生きてきた中で「ああ…こういうのあるよ…あったね」と、うなずくことしきりのエピソードが次から次へと大雪崩。女性に限らず、男性も含めて「今、現在を生きていくこと」を真剣に伝えるメッセージも、こんだけポップでキュートな画面でコーティングしてわかりやすくすることで(そしていろんな意味で話題にのぼることで)、普段刺さらない層にも刺さっただろうことは功績だと思う。やりかたがうまい!

4.コカイン・ベア
 クマが森に捨てられたコカインを吸っちゃって大暴れ!ていうただそれだけの映画なんだけど、そこでクマちゃんが出くわす人間たちが全員等しく普通の人。普通にバカで、普通に弱っちくて、銃も下手だし、誰もクマに打ち勝てる何かをもっていない。そんな普通な人たちがめちゃくちゃフラットに殺されるから、観ていて非常にすがすがしい。人生って、こういうもんだよ。実際に事件の起きた80年代に合わせた選曲もすばらしくて、エンドロールの「White Line」はしばらく鬼ローテで聴いていた。だって当時のコカイン撲滅するためのキャンペーン曲よ? 

3.TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー
 ずっとずっと埋まることのないさみしさを抱えた子が、どうにかしようとあがき、弱り、ずぶずぶと沈んでいく。英語を聞き取れないところもあったけれど、表情も会話のテンポもすごく自然で、虚栄をはったりパーティーで無理やりはしゃいだり、スマホを片時も離さない、リアルな若者がそこにいる。息苦しいような孤独の中、絶妙なタイミングで鳴り響くヒップホップも含めて、まさに「今!」の空気が詰まっている。

2.君たちはどう生きるか
 劇場でなんども観たけど、いまだにどう言っていいのか、もうずっとわからない。わからないままでいるけど、老人となった宮﨑駿が全力でやりたい放題やったんだなってことだけはわかっていて、その感覚だけをひたすら大事に取っておいてある。公開直後から、考察やら感想やらがたくさん流れていたし、ついには密着ドキュメンタリーも放送されてしまった。そろそろ、大事にとっておいてあるののふたを開けて、ちゃんと考えたいなあ。来年来年。

1.ミーガン
 ミーガンちゃんの衣装をはじめ、姿かたちから、ストーカーばりの重たい愛情までぜんぶがツボでこれまたなんども劇場に通った作品。ミーガンちゃんが守るべき友だちのケイディが、全然いい子でもないし、すぐキレる等身大の女児なのも女児母として現実味があってとてもよかった…。なによりキュートさと、キレッキレのあの動きがひとつの肉体に宿ってる奇跡! 

殿堂入り
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

劇場で観れて良かった
スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース

怪作オブザイヤー
アリスとテレスのまぼろし工場
プー あくまのくまさん


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?