夜道

短歌連作「すぐ朝は来る」

知っていて君は終電見送った 僕の瞬間最大風速

ふたりなら愚か者でもいいかって 二回、三回 まばたきをする

数センチずれたら触れるこの夜の分水嶺になる指と指

もう誰も叱ってくれない気づいたら下手になってた夜の口笛

醤油だけで五種類もある居酒屋で過去の話をしてばかりいる

太陽のまぶしさ それは苦しさにすこし似ていて瞼をとじる

始発ならとうに出ているカフェラテのハートをすぐに壊すくちびる

※短歌連作サークル「あみもの」第二十二号より

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