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良い接客って


最初に言うと、
接客に答えはない!
人それぞれ良い接客というのは違う


ここ最近の僕の中での「良い接客」を
つらつら話そうかなと思います


僕のスコーンは美味しい
でも美味しい理由とか
僕はここをこだわってるとか
こういう作り方だからこういう味わいですとか
僕の中でのスコーンの美味しさの答えを
接客の中でほとんど話してこなかった

それにはちゃんと理由があって
〜だから美味しい
〜だからこういう味わいだ
と、作り手が答えを提示することで
食べる人にとっての答えを一つにしてしまう気がした

食べ物はある意味アート
絵画をみて、わぁ…なんかすごい良いな
こう思うのはその絵がなんで良い絵なのか分からないけど、その人の感性でなんか感動したんですよね

ずっと言い続けてる
「なんか美味しい」
これを感じてほしくて
各々の感性で僕のスコーンを感じて欲しくて
今まで説明とかほぼしてこなった


けど、ここ最近変わってきた

あるご縁があり予約がなかなか取れないお店へ
お邪魔することが出来た
コース料理で飲み物はペアリングのお酒
僕はお酒が飲めないのでノンアルで

どんな飲み物が出てくるのかなと思ったら
烏龍茶ですと、ワイングラスで出てきた
その烏龍茶はただの烏龍茶ではなくて
蜜蘭香という特級茶葉らしい
標高1300mmの山で育てるらしく
木一本一本の香りが異なるらしい

今回飲んだ蜜蘭香は蜂蜜のような甘い香りに
本当に上品な口当たりで
正直飲み物で感動したのは初めてだった

その後も次々にでてくる様々なお茶
それぞれ栽培方法や製法を事細かく説明してくれる


そんな中で常にホールの方が言ってくださるのが
説明の最後に、
「こんな感じのお茶ですが次の料理と合わせて飲むと〜こうだからスッキリ飲めて、
なんかめちゃくちゃ美味いんですよねえ…」と


ここで出てくる
「なんか美味い」

この人は説明もしっかりしてくれて
そして最後になんか美味いんですよねと言う

この瞬間僕の中の良い接客がアップデートされた


これはこうやって作るからこんなに美味しい
こんなところをこだわってる!
この説明をされた上で食べて飲んだものは
とてつもなく感動するものだった

そして、なんか美味しいと言ってくれたことで
僕の中でもこう言うところが美味しいなって
自分なりの答えも出せた、
自分の中で答えを出す作業はとてつもなく楽しい


僕はこれがすごく良い接客な気がした
今まで商品のこだわりを伝えることは
職人の自己満だと思ってたけど、

全然そんなことなかった
すごくすごく感動した
僕もみんなを感動させたくなった
みんなにもこの満足度を提供したいと思った

そしてやっぱりなんか美味しいは感じてほしい
だから僕も最後には、
僕のスコーンなんか美味しいんですよって言いたい



最初にも言ったけど
別にこれが正解ではないし
人それぞれ違うので色んな接客があっていいし
いろんな良い接客を経験したい


という気持ち。

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