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氷河期世代への鎮魂歌

 少子高齢化が進行し、深刻な若者不足がやってきた。

 あらゆる業界で働き手が不足している。

 そんななか、若手優遇の割を食った世代の人たちの嘆きが聞こえてくる。

厚生労働省は27日、2023年の賃金構造基本統計調査の概況を公表した。一般労働者の平均賃金は過去最高を更新したが、世代別にみると大企業の35〜54歳の賃金が減るなど、若手に重きを置く傾向が目立つ。働き方が多様化し、企業の人的投資のあり方も変わってきている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA271L30X20C24A3000000/

バブル世代とは、男女雇用機会均等法が施行された1986年から92年頃にかけて就職活動をした若者たちで、87〜93年の入社組を指す(筆者もこの中に含まれる)。この世代は団塊世代の次にきた人員構成の山だとされてきた。その存在が過去20年、潜在的な重荷となっていた。

しかし、2024年度には1987年入社の人々が60歳を迎え、大幅な賃金カットの憂き目に遭う。その代わり40代以前の人々はベースアップがしやすくなる恩恵を受けられる。企業は過去十数年の経験から、65歳までの雇用延長に応じても賃金コストが高止まりしないようなオペレーションを習得してきた。給与が激減したとしても、シニアが他社に転職し戦力となることにはなりにくいとの知見を得た。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB276PU0X20C24A3000000/

 というわけで、「勝ち組」と思われたメンバーシップ型の雇用で雇われた正規社員の氷河期世代にとっても厳しい状況が出現している。

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