総合大学の「医学部化」の危機
最近立て続けにいくつかの総合大学の学長が決まった。
それぞれ選考の仕方は異なる。
東北大学は学内の投票結果通りの決定。千葉大学は前学長死去に伴う選考で、学内投票を覆しての決定。そして近畿大学は、選挙などなく決定した。
ただ、共通項はある。いずれも医学部出身者だということだ。
もともと医学部は工学部と並んで教員も多く、学内投票を行っても選ばれるケースが多かった。そして最近、国立大学法人では、学長を投票選ばなくても良くなっている。私立大学なら自由に選べる。
千葉大学では、投票トップを選ばず、2位の候補を選び、大きな問題となっている。
投票を考慮せず医学部出身の学長を選出する理由はなにか。
そこには様々な要素があり、外部からはうかがい知ることはできないが、今回の千葉大のケースは、本来なら数で押し切る「横綱相撲」ができるはずの医学部から候補が2人立ち、票が割れてしまったことにより、学長を確保できなかった上層部が慌てたということだろう。
医学部学長は以前からあったが、学長が医学部出身だからといって特筆すべきことはなかったと思う。
しかし近年、医学部出身の学長が文科省や政府の方針に合致したのか、総合大学に医学部のカルチャーが広がっているように思う。
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