巷で噂のChatGPTを活用して企業の「志望理由」を作ってみよう。
想定企業はどこでもいいのだが、ここでは飲料大手のサントリーの志望理由を考えてみる。ChatGPTで優れた志望理由なんて作れるのだろうか。悩んでいる暇があるのだったら「やってみなはれ」ということである(これが言いたかった)。
まずは素でChatGPTに作成依頼する
まずは特に前提知識を入力することなく、ChatGPTに作成依頼してみた。
次のような回答が返ってきた。
箇条書きではなく文章で出力させる
ぱっと見るところ、なかなか良く書けている。ただ、たいていのエントリーシートは、箇条書きによる回答ではなく、一連の文章で回答する形式なので、文章で出力させてみよう。
文字数を指定する
急に文章が短くなってしまったが、エントリーシートでよくある文字指定の400字程度にしてみよう。
事実関係を確認する
それらしい志望理由が作成できたが、ChatGPTは稀に堂々と間違ったことを言うこともあるので、事実関係を確認する必要がある。自分でやらざるを得ないだろう。
まず「グローバル企業であり、海外展開も行っている」は間違いないだろう。「酵母の研究や人工知能を用いた製造工程の改善など、多様な分野での新しい挑戦をしている」点はどうだろうか。たしかに酵母は研究しているだろう。人工知能を用いた製造工程の改善は、Google検索で調べたところ「NEC、サントリーのビール工場にAIを活用した異常予兆検知システムを提供」という記事を見つけた。確かに取り組んでいるようだ。
「地下水の調査」も下記のサイトから読み取れる。
ChatGPTの回答文の構成を確認する
次に、ChatGPTの回答文(下記に再掲)の構成、流れを確認してみよう。
ChatGPTの回答文の、大まかな構成は次の通りである。
サントリーの魅力、共感できる点がこれでもかと列挙されている。自分自身のことは最後に登場するが、「~したい」といった願望を語っているだけになってしまっている。
何かが足りない。
そう、自分自身のこと、自分の原体験、思い、志、そしてそんな自分がどのようにサントリーを志望するようになったのか、つまり自分自身とサントリーとの関わりが全く記述されていないのである。
自分自身のことは、ChatGPTは知る由もない。ここは自分で考えるしかないのであるが、ChatGPTをサポート役として活用することはできる。
原体験をインプットしてみる
原体験をインプットしてみる。いきなり自分とサントリーとの関わりを考えるのはハードルが高いと感じる場合は、自分と飲料との関わりを考えると良いだろう。
例えば、「家族でレストランに行ったときに、それぞれが好きな飲み物を片手にいつも以上に笑顔で語り合うことができて、飲料の持つ力を感じた」という原体験があったとしよう。その原体験を志望理由に含めてもらうようにする。
それらしい志望理由になってきたのではないだろうか。
ただ、「私は飲料業界に興味を持ち、サントリー社に強い関心を抱いています」のところで、飲料業界への興味がなぜ、飲料業界のなかの一企業であるサントリーへの強い関心になったのかを分かりやすく伝える必要があるだろう。
このように書けば、一応の形にはなっているのではないだろうか。
ChatGPTの書いた志望理由では、自分自身の原体験や思いを伝えることができないので、その点は自分自身で考えて補う必要がある。
以下はご参考。
まずは企業の強みと課題をChatGPTに聞き、事実関係を確認し、自分に共感できるものを志望理由にしても良いだろう。
ご参考)企業の強みと課題を聞く
サントリーの強みと課題をChatGPTに聞いてみる。