新卒就活で提出するエントリーシートは、もちろん提出先の企業に評価されるわけだが、選考フローに応じて評価者が変わってくることも意識したほうが良い。
エントリーシートの選考では新卒採用の担当者も評価に加わるだろうし、一次面接では現場リーダーが、最終面接では役員がそのエントリーシートをもとに面接して評価することもあるだろう。
新卒就活では、次のような評価者が考えられる。
人事部の新卒採用担当者
志望職種の現場リーダー
志望職種の部門責任者
役員クラス
エントリーシートは当然ながら同じものを参照するので、エントリーシートの内容はどの評価者にとっても合格レベルに達している必要がある。
以上のことを念頭に置いて、ChatGPTにエントリーシートの文案を改善してもらおう。一例として、自己PRの文案を考えてみる。
入力プロンプト
プロンプトのポイントは2点。
1点目は、3人の専門家(評価者)を登場させてそれぞれに評価させたこと。実際にエントリーシートを見る可能性の高い、新卒採用担当者、部門責任者、役員を評価者とした。
2点目は、まずは自己PRの文章をChatGPTに作成させ、その長所や短所をそれぞれの評価者に述べさせて、それらを元に自己PRの改訂版を作成したことである。
結果を見てみよう。
自己PR(初稿)
次のように作成された。
最初の文案と比較すると、細かな点が改善されている。例えば、もともとの表現「やり通す」が「やり遂げる」になっている。
専門家の評価
さて、専門家の評価は以下の通り。
新卒採用担当
部門責任者
役員
短所の2点目の、営業職に関するくだりが、それぞれの評価者の特徴を表して興味深い。
採用担当者は「営業職に対する具体的な意欲や適性についての言及がもう少し欲しい」としていて、適性に言及している。ミスマッチの結果、早期離職されないか警戒しているようにも思える。
部門責任者は「営業職に必要な他のスキルについての記述が不足している」としていて、スキルに言及している。営業職に必要なスキルがあるかどうか分からないと、実際の仕事で活躍してくれるかどうか判断できないということか。
役員は「営業職に対する具体的なビジョンや意欲がもう少し欲しい」としていて、長期的なビジョンを持っているかどうか、長く会社に勤めてくれるかどうかを気にしているように見える。
自己PR(改訂版)
おそらくそのような短所を改善すべく、改訂された自己PRは次の通り。
留学に関するエピソードを端的に表現し直し、最後の部分に「さらに、留学経験から得た異文化理解力やコミュニケーション能力を活かし、貴社の国際的な営業展開に貢献したいと考えています。」と付け足している。
驚いたことに、営業職についての適性、スキル、ビジョンが加えられていた。
専門家の再評価
このように自己PRを改訂したことによって、専門家の評価値はそれぞれ1ポイントずつ上昇した。
おわりに
就活で提出するエントリーシートは、選考フローに応じて評価者が変わってくることを意識したほうが良い。新卒採用担当者、現場のリーダー、部門責任者、役員のいずれにも高評価を受けるエントリーシートを目指そう。
冒頭のプロンプトは、
### 文案:
### 志望企業:
### 志望職種:
の部分を書き換えることによって、自身の状況に合わせた出力が得られるため、試しに活用してみてはいかがだろうか。