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子どもがほしくない気持ちとタイプ4

エニアグラムを通して自己を観察していると次々と新たな発見があります。

そうして発見したことの一つが、かつて強烈に抱いていた「子どもはほしくない」という気持ちとタイプ4の関係性です。

タイプ4は自分らしくありたい、マイワールドな個人主義です。ロマンティックで芸術家に多いタイプです。

20代の頃から、子どもは何人欲しいとか、何歳くらいで産みたいとか、男の子がいい、女の子がいいとか、子どもにまつわる話題がでることが度々ありました。

そのたびに私の心に浮かび上がっていたのは、「なぜみんなあらかじめプログラムされたかのように子どもがほしいと思うんだろう」という素朴な疑問でした。

子どもが全くほしくなかったのです。

周囲となじめないことに対する不安もあれば、世間的な女性の理想像、子ども好きな女性の方が温かみがあり家庭的、好ましいというイメージからもかけ離れている自分への残念な気持ちもありました。

なぜ子どもがほしくないのか。

いま振り返ると、理由はざっくり3つあったように思います。

一つめの理由は、私のように不幸な人間をこの世に生み出したくない、という感情でした。子どもの頃から、楽に死ねるなら今すぐ死にたい、とどこかで思っていました。

空を眺めながら、この世からの解放を夢見るような気持ち。

この気持ちはなかなか理解されないと思いますが、私だけでなく長生きはしなくない、短く、コロッと死にたいとか笑顔で言ったりするタイプ4は結構います。

当然、ごくごく現実的に考えると、そうもいっていられないのですがね。

そこは突き詰めないでください(笑)

加えて、タイプ4は心の中にブラックホールがある意識があるようです。

私もブラックホールを常々感じていました。心の中心に大きな真っ暗い穴があり、うっかりするとその暗い引力に飲み込まれそうでした。

とにかく悲壮感が強いのです。

いろいろと妄想的に悩みますから、この世で生を受けることを肯定的にとらえられないのです。

子どもを産むことは自分の二の舞を引き起こすようで受け入れがたい、この世に生まれ落ちるなんてかわいそう、ましてや私の子どもなんて。

こういうことを正直に伝える相手はごくごく限定してきましたが、吐露するととてつもなく驚かれたものです。

自分と子どもは別人格なのですけれど、どうしても切り離せなかった。

二つ目の理由は、子どもの世話に自分の時間を奪われたくないという気持ちです。

私の人生はすでに多くを犠牲としてささげてきた、十分振り回されてきた。

ようやっと大人になって、親からも解放されて、自分のやりたいようにできるようになったのに、今さら他人に振り回されるのは御免だよ、と思っていました。

子どもができたら、子どものことで手一杯になるし、どうしたって子どもの優先度が一番高くなるものですからね。

そして、三つ目の理由が、今回エニアグラムでビビッときた部分です。

それは、もし女の子が生まれて夫が娘を猫可愛がりしたら、私は激しく嫉妬するだろうという恐怖です。

想像しただけで、心がふつふつと波立つのを感じました。私は娘を憎く思ってしまう。心の中で睨みつけてしまう。

そんなの娘にも申し訳なさすぎる。だから、子どもといっても、特に娘を持つのが怖かったのです。

この漠然とした恐怖が大当たりだったことが、エニアグラムで答え合わせできました。

タイプ4の母は、娘がパパっ子になり、パパと娘の仲が良くなるほど疎外感を感じ、娘に対して激しく嫉妬するそうです。

仮に母が娘に笑顔で接し、その嫉妬を正面からぶつけなかったとしても、暗に漂う母の嫉妬は娘との間にわだかまりを引き起こします。

あぁ、やっぱり。私の予感は的中していた。

当時の精神状態の中で、子どもを持つとそのとおりのことが起きていたことでしょう。子どもがほしくない、もたないほうがいい、という感覚は、本能からの警告だったのかもしれません。

望まない中で子どもができたら、義務感から世話はするとしても、心の奥では「あなたのせいで私は・・・」と恨み節をとなえていたと思うのです。

娘への嫉妬がタイプ4のサガとなれば、ますます納得です。

そんな私も過去と向き合うにつれ、苦々しい思いや怒りが薄れていき、人生に希望が持てるようになってきました。

そうしたある日、いつもの道を歩いていたら、ふと、子どもを育てたいかもしれない、という気持ちが湧き上がりました。

自分でも心底びっくりしました。

これが友だちが言っていた、子どもが欲しいという気持ちなのかと。

いまはパパにべったりな娘がいますが、おだやかな気持ちで見守ることができています。

人生観や価値観が変わるものであることも、身をもって体験しました。

だから、エニアグラムで人は変わる、成長する、という言葉も信じることができます。エニアグラムを学びつつ、少しずつ自分の器を成長させていきたいです。

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