理恵

大学生。エッセイ書いてます。

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最近の記事

52ヘルツの声

「52ヘルツのクジラたち」という小説を読みました。 タイトルの52ヘルツとは、クジラの声の周波数のことです。 一般的にクジラは10~39ヘルツという高さで歌います。でも、この世界にはたった一頭だけ52ヘルツで歌うクジラがいるみたいです。 周波数が違うからこそ、その声は誰にも届かない。 世界で1番孤独だと言われているクジラです。 52ヘルツで歌うクジラのように、誰にも届かない声をあげて孤独に生きている人達は沢山いるんだと思います。 その声が誰かに届くことを信じて鳴き続けて

    • 電子音のない時間

      テレビの音、YouTubeの音、スマホから流れる音楽。 音がない生活はどこか寂しくて、ひとりで家にいると何かしらの音が欲しくなります。 朝準備をするときも、帰ってきてからも、寝る前も、ずっと。 気づけば毎日電子音に囲まれる生活を送っていました。 でも、最近は電子音のない時間もいいなと思うようになってきました。 電子音が一切ない静かな時間。 風が吹いて草木が揺れる音、子供たちの笑い声、小鳥のなき声、色んな音が聞こえてきます。 そんな音に囲まれながらぼーっとしている

      • 言葉とその裏にかくれているもの

        私、浪人して大学に入っているんですけどそのことを初めて会う人に伝えると、 「そうなんだ!私そういうの全然気にしないよ!」 と、言われることがあります。 (ん、いやいや、気にしてるやないか笑) って、思います。 本当に気にしてない人は、浪人という言葉に対して無反応な人が多いです。 そういう反応をされると、浪人というものにいいイメージがない人なのかなと思ってしまいます。 他にもこういうことがあって。 「今、○○してるんだよね」 「そうなんだ!すごくいいね。でも、私なら

        • 悪態をつくおじさん

          昨日、電車の中に態度の悪いおじさんがいました。 足を広げて座っているし、隣の人に向かって何かぶつぶつと文句を呟いているし、気分が悪かったです。 デニムに、黒のダウンを着て、肌はこんがり焼けた小麦色。 マスクをしていたので表情はよくわかりませんでした。 でも、そのおじさんをよくよく見てみると、マスクについているアディダスのマークが逆さまになっていたんです。 「あ。マスクの向き間違ってる。」 そう思うと、途端に、そのおじさんの悪態がださく見えてきたというか、おじさんが可

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          咳をする人への冷たい視線

          先週、インフルエンザのA型になって寝込んでいました。 不思議なことに、私とほとんど同じタイミングでインフルエンザになった友人が4人もいて、驚いています。恐るべし感染力。 やっぱり熱が出るのはしんどいですね。しかも、熱が出てる時は色んな行動が制限されるからそれもつらくて、健康でいることの有り難みを実感していました。 携帯を触ることですら、なんか怠く感じるし。 少し体調が回復してきても外に出ちゃいけないし、暇すぎて何かしたくてもあんまり身体動かしちゃだめだし。 寝込んで

          咳をする人への冷たい視線

          可愛くなる努力

          17時頃、とある駅の女子トイレでのこと。 鏡の前でふたりの女性が会話していました。 比較的年齢の若そうな、金髪の女性達。 「今日この後予定あるねん」 「あ、そうなん」 「友達?」 「そそ、普通の友達」 「なんやー男かと思った」 「ちがうよー笑」 と言いながら、予定がある方の女性は口角をあげて嬉しそうにメイク直しをしていました。しかも、結構入念に。 私は男なんじゃないかと、デートなんじゃないかと、少し疑ってます。 好きな人かなあ、アプリで出会った人とかかなあ、なんて勝

          可愛くなる努力

          ツンデレ

          ツンデレっていいなと最近思うんです。 ただ、私は漫画やドラマによく出てくるようなクール系の男性に惹かれた事があまりないので、今回はツンデレな女性の話になります。 女性で、第一印象少しクールな印象の人、リアクションも少なく、何を考えているのか分からない人。そんな人がたまに見せる笑顔だとか優しさって、あまりにも効果が強すぎませんか。 この前、単発のバイトで女性の先輩に 「おはようございます。よろしくお願いします!」 と、挨拶をしたら 「よろしくお願いします。」 と、あまり笑

          ツンデレ

          完璧なトイレ

          携帯を持って入る人のために、小物を置く場所がちょうど良い位置に設置されていたり。 キャリーケースを持って入る人が多いような空港のトイレは少し広めに作られていたり。 中で着替えが出来るように足場が用意されていたり。 (これは女性だけかもしれないです。) 傘の忘れを防止するために、ドアの取っ手部分に傘置き場が作られていたり。 日本にはちょっとした工夫のあるトイレが沢山あります。 私がトイレで感じていたささいな不便さが、見事に解消されるような工夫をしているトイレが私は好き

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          ボーッとする大会

          今、コメダ珈琲に来ているんですけど、私の近くの席に1時間くらい同じ場所を見つめてボーッとしているおじさんがいるんです。 さっきから本当に動きません。 だけど飲み物は減っているから、私が見ていない間に飲んではいるんだと思います。 私がここに来た時からいるから、何時間あの状態なのかは分かりません。 あそこまでボーッとしている人を見る事が中々ないから気になって気になって。  おじさんを見ていると、前にテレビで「ボーッとする大会」というものが東京で開催されたというニュースを

          ボーッとする大会

          電車で空いてる席の前に立つ人

          電車に乗ると、座れずに立っている人達もいるくらい席が埋まっている中、ふたり分の空いてる席がありました。 でも、空いてる席のちょうど目の前に立ってる人がふたり。 同じ会社の上司と部下らしき、スーツを着た人達。 「何で座らないんだろう。座らないならお願いだから目の前に立たないで。私はそこに座りたい。」 そう思いました。 きっと同じことを思っている人は他にもいたはずです。あの席をちらっと見る人を私は何人か見つけたし、あの席を見つめるみんなの目が全てを物語ってます。 こういう

          電車で空いてる席の前に立つ人

          声が出ない

          今日の朝目が覚めると、声が出なくなっていました。 「おはよう」といつも通り声に出そうとしたとき、音が何も出なかったんです。 声は夜になっても変わらず出ないままで。 私は基本的に喉が弱くて、よく痛くなるし、体調を崩すときはほとんど喉から症状がはじまります。1か月前も喉からはじまった風邪に苦しめられたところです。 今まで声が枯れたこともあったし、朝一発目は乾燥もあって声が出ないということもあったけど、ここまでひどいのは初めてで。 枯れてるというレベルを超えて、本当に声が

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          アイドルという職業

          東京にある結婚式場で、数日間アルバイトをしました。 そこは、結婚式だけでなく、忘年会やイベント会場としての利用もあるような所でした。 その中の1日、ある芸能事務所の利用があったんです。 私は知らなかったんですけど、色んなアイドルがいました。 会場には、広告会社の人、テレビ局の人など色んな会社のお偉いさんらしき人達も招待されていて。 あちらこちらで「今ドラマ作ってて、」「今番組作ってて、」なんて会話も聞こえてきました。 そんな中で、舞台ではキラキラとアイドルが踊ったり。

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          最後に笑えれば

          私、ウルフルズの「笑えれば」という歌が好きなんです。 とにかく笑えれば 最後に笑えれば 情けない帰り道 ハハハと笑えれば という歌詞ではじまる歌です。 生きてたら色んなことがあるけれど「どんなことも最後に笑えれば、まぁいっか」「何でも笑い飛ばしちゃえ」って、そんな風に思えるんです。 笑いって本当に最強だと思います。 笑うだけで一気に心がパッと晴れるし、なんか全部がちっぽけに感じてくるし、楽しくなるし。 だから、楽しい時はもちろん、つらい時もケラケラと笑ってたいなあと

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          ごみ処理施設に行ってきた

          私、昔からゴミの分別はしてきた方だと思ってます。 分別をきちんとしないと、有害ガスの発生に繋がるんじゃないかとか、より環境問題の悪化に繋がるんじゃないかとか、そんな風に思ってたんです。 だからこそ私は、お惣菜や納豆など汚れたプラスチック容器は洗って分別したりしていたので、何でもかんでも「燃えるゴミ」としてまとめる人がいるんだと知った時はびっくりしました。 そういう何でも「燃えるゴミ」にまとめる人がいる事を知ってから、分別に意味があるのか分からなくなってました。 だって

          ごみ処理施設に行ってきた

          デジタル社会

          今の時代、スマホひとつでほとんどの事が出来るようになって、逆を言えばスマホを使いこなせないと不便に感じる事が多くなりました。 人がしてくれていたレジなどの操作は機械を使って自分でするようになったし、どこいっても「ポイント」という言葉が付いてくるし。 銀行口座開設も、携帯の通信契約も、色んなことがオンラインで出来るようにもなってきて。 しかも変化も速いから、次々と色んなものが導入されてって、ボーッとしてたら簡単に取り残されちゃいそうな速さです。 前にアルバイト先で、ポイ

          デジタル社会

          懐かしい道

          久しぶりに実家に帰って、今日は実家の周りをぶらぶらと散歩しました。 通学路、よく行ってたマクドナルドへの道、中学生の時に通ってた塾へと続く道。 凄く懐かしい気持ちになりました。 昔よく歩いていた懐かしい道を久しぶりにゆっくり歩くと、周りの景色がどこか小さく感じる事があるんです。 きっと身長も伸びて目線が変わったからだと思うんですけど、どこか変な感じがします。 見慣れた景色なのに、どこか見慣れなくて。 でもその見慣れない感じもいいなあと思ったり。 他のどの景色を見

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