ステップ練習を考える#2【間合い】

ステップ練習で忘れてはいけない順番を一つずつ深掘りしていく

1.間合い
2.角度
3.ズラす(コミット)
4.ステップスキル

今回は【間合い】

「ステップを練習する」と聞いてどんな練習するかを想像してみよう

色んな練習でよく見るのが「ステップの踏み方」を練習する人が多い

「足をこっちに出して」とか「“バン”って音が鳴るように」とか

もちろんそれは大事

でもそれは僕の考えでは4番目の【ステップスキル】になるので一番最後になる

最初にする練習ではないと考える

【ステップスキル】は剣道に例えるなら素振り

素振りをめちゃくちゃ練習してめちゃくちゃ上手くなったしても「それが当たる距離感、つまり【間合い】」がわかってないと当たらない

実際にステップセッションで1対1を見ていて

めちゃくちゃいいステップ踏んでるのに抜けない選手が結構多い

これの原因のほとんどが【間合い】を掴めていないからだと分析している

では、この【間合い】を習得するにはどんな練習がいいか僕なりの方法を考える

一番最初に「ステップの練習をする」と伝えてください(【間合い】の練習とは絶対に言ってはダメ)

ルールは画像にあるだけ

ポイントは、指導者はルール説明の時に「ボールキャリアはディフェンスにタッチされないようにステップで抜いて」と指示してしてください

この「ステップ」と言う言葉を必ず入れておいてください

ディフェンスを指導者がやっても良い

まずはこの練習を選手全員にやってもらう

おそらく全員がタッチされずに抜く事は出来ないはず

一通りやったらこう言います

「ラグビーは鬼ごっこと一緒。ディフェンスが自分にタッチ出来ないという事は、タックルもユニフォームを掴む事も出来きてない。つまり、止められない。という事。」

「そう考えると、今の練習でタッチされた人、不思議じゃない?鬼ごっこで言う「鬼」の動きが制限されているのに、そこにわざわざ捕まりに行ってるって事。鬼ごっこで鬼に向かって走る人いる?いないよね。じゃあ、ちょっとルール変えてもう一度やろう!」

ディフェンスの周りの半円はディフェンスの守備範囲を可視化したとモノだと思ってください(小学生ならもっと小さくても良い)(芝生のグラウンドならヒモなどで対応)

この半円のイメージは後々にかなり効いてくるので必ずやってほしい

この練習になると、ほぼ全員が成功するようになるはず(出来なければ何回か挑戦)

全員が成功したら、半円無しでもう一度【練習①】をやってみる

おそらく、これもすぐに成功するはず

わずか数分前に出来なかった事が出来るようになるという成功体験を味わってもらう

次は「何で出来なかったのか」「何で出来るようになったのか」を考えてもらう

答えは「ステップを踏むのが近すぎ」です

しかし、すぐに答えを言っても頭に残らないので僕ならこう発問します

「今ので「出来たの」と「出来なかったの」の、違いって何かわかる?」

おそらくこれだけでわかる人は少ないはず

「じゃぁ、コーチが失敗と成功をやってみるから何が違うか考えてみて」と指導者がデモンストレーションをします

何回か繰り返すと失敗の原因が「ステップを踏むのが近すぎ」だと気づくはずです

最後にまとめます

「つまり、自分が思ってるよりも2歩くらい早くステップを踏まないと抜けないという事。この距離を【間合い】と言います。大人だと約2m位と言われているけど、大学やプロ選手の試合を見ていると3mとか4m前からステップを踏む選手も結構います。この【間合い】が上手く取れないとどんなにすごいステップを踏んでも捕まっちゃいます。だから、まずはこの【間合い】を覚えてください!」

これで【間合い】は終了

ポイントは

ディフェンスには守備範囲の半円がある

ステップは想像よりも早めに踏まないといけない

という二つを認識してもらうようにしてください

もし、事前に準備出来るなら百均等でフラフープを買って半円をイメージしてもらう方法もあります

子供なら一個で大丈夫ですが、大人なら二個買ってパーツを二個(赤の部分)足してください

フラフープの方がより可視化出来るのでわかりやすいです

《参考文献》
【ステップ練習を考える】を書くにあたり「魔法のように人をズラす ラグビー最強のステップ(奈良秀明)」を参考にさせて頂いています

ステップレッスンやってます♬

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