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コミュニティマネージャーには「愛」と「視座の高さ」が必要だ! #コミュニティ強化の教科書 【イベントレポート編】

こんにちは。

2019年12月20日(金)TSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISEで行われたイベント『コミュニティ強化の教科書』に参加してきました。

オンラインサロンでコミュニティマネージャーとして活躍する柴山由香さん浜田綾さんが登壇するイベントです。コミュニティを見守り支え続ける「コミュニティの母」のような存在のお二人が、文字通り「コミュニティを強化する方法」について2時間みっちりと語りました。

イベント概要

今急速に数が増えている新しいコミュニティの形「オンラインサロン」。形態は様々ですが、その多くが会費を払い、Facebookやslackなどオンライン上の場所で、同じ興味関心を持つ仲間が活動しています。

この流れを受けて求められているのが、管理人的な「コミュニティマネージャー」の存在です。コミュニティマネージャーの役割は、その名の通り「コミュニティ(共同体)」を「マネージ(管理する)」というものです。その役割は多岐に渡り、またコミュニティによって求められるものが変わってくるでしょう。

オンラインサロンもコミュニティマネージャーも新しい文化、役割なのでそれゆえ「まず何なのか?」「どうすればいいのか?」が体系だってまとめられているものが少ないのが現状です。

そこでオンラインサロンでコミュティマネージャーとしての実戦経験を積んできた箕輪編集室運営チームリーダー、櫻田潤のビジュアルシンキングラボ運営メンバーの柴山由香さんと、元箕輪編集室運営チーム、元前田デザイン室運営チームリーダーの浜田綾さんが対談し、コミュニテイマネージャーの役割、求められるスキル、現場での経験を積んできた二人が語り尽くします。モデレーターとしてオンラインサロン前田デザイン室のマスコットキャラクター「じゃみぃ」が登場します。

※peatixのイベントページからの引用です↓


オンラインサロンのど真ん中で活躍されてきた柴山さんと浜田さんがコミュニティマネージャーとしての軌跡を振り返りつつ、どのようにコミュニティをマネージメントしてきたのかを語るのが今回のイベントの趣旨です。

ここ10年ほどの間にコミュニティの在り方が変わってきています。IT技術の進展によりコミュニケーションにかかるコストが劇的に下がったことで、1対1のコミュニケーションから多対多のコミュニケーションが盛んになってきました。オフラインにかぎらずオンラインにもコミュニティが乱立するようになったものの、多様になったコミュニティを効率的に管理する人材やその育成についての体系立ったノウハウは確立されていません。

そこで注目されているのがこれまで前例のなかったオンラインコミュニティで活動している柴山さんや浜田さんたちコミュニティマネージャーのノウハウです。

僕がイベントに参加した理由

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僕がこのイベントに参加した理由は柴山さん、浜田さんのお二人が登壇されているから。オンラインサロン箕輪編集室、前田デザイン室に参加している僕にとって、運営に携わられている(携わられていた)二人は特別なのです。しかもお二人がコミュニティについて対談するというんですから、参加しないわけにはいきません。

僕は両サロンで様々な経験をさせてもらいました。それも柴山さん・浜田さんがコミュニティの運営、コミュニティ強化に尽力されたからこそだと思っています。

登壇者二人のプロフィール

11月に行われた前回の東京講演レポートにお二人の詳しいプロフィールが載っていましたので引用させてもらいます。柴山さんが経営する合同会社ラブソルさんのnoteです。

柴山 由香(しばやま・ゆか)
合同会社LABOUSSOLE 代表 / 箕輪編集室 運営リーダー / 櫻田潤のビジュアルシンキングラボ 運営 /
会社員を経てノベルティ制作の会社を起業。オンラインサロンに参加しながら徐々に運営側を担うようになり、その経験をもとに大手出版社をはじめとする数々のオンラインサロンの立ち上げサポートなどを行っている。コミュニティの原点は宝塚歌劇団のファンクラブ運営。その経験が今のコミュニティマネジメントにつながっている。
浜田 綾(はまだ・あや)
ライター / 編集者 / コミュニティマネージャー
大学卒業後、10年間事務職として従事。34歳の頃「自分だけができる仕事」を求めてライター業をはじめる。箕輪編集室に入会後、数々のプロジェクトでの活躍を経て、運営メンバーの一員となる。その後箕輪編集室から派生したオンラインサロン「前田デザイン室」の立ち上げに携わり、コミュニティの設計やマネジメントを運営リーダーとして携わる。今後は「株式会社NASU」のコミュニティ事業部にてマネージャー・CAMPFIREの法人向けのアドバイザーとして活動する予定。


それではさっそくイベントの様子を振り返っていきましょう!

イベント開催直前の様子

二人とも会場の広さに驚いた様子。また会場では二人がおすすめするコミュニティに関する書籍も販売していました。TSUTAYAの店舗である梅田MeRISEさんに会場をお借りしていることもあり、書籍の販促も兼ねています。

イベント開始!

モデレーターじゃみぃの「元気ですか〜!」の号令からイベント開始です! じゃみぃのシルエット、どこかで見たことがあります…

じゃみぃ僕がオンラインサロンの活動で柴山さんと浜田さんと親しくなるにつれて、この二人が対談したら絶対に面白いと思っていました。そのことを浜田さんにけしかけていたら先月東京で対談をすることになったんです。そして僕の予想通りに二人の対談は好評だったそうで今日の大阪開催につながりました。
それでは、この動画を観てもらってから二人に登場してもらいましょう!

じゃみぃが上映したイベントの動画がこちら↓。制作したのは箕輪編集室の運営チームメンバーとして活躍するスーパー大学生ほりぴさんです。


イベント動画の上映が終わるといよいよお二人の登場です!

(じゃみぃは全然スベってませんでしたよ。ステージに立ってるだけでずっと面白かったです。もっと柴山さんと浜田さんに絡みにいってもよかったかも!)

我らがトムさんもトムレコと称してグラレポ(グラフィックレポート)をしてくれていました! ホワイトボードいっぱいに圧巻の世界観でした!
見ての通りグラレポはイベント内容を一目でサクッと振り返ることができます。参加者も登壇者も参加していない方も、全員がハッピーになる素晴らしい取り組みなんですよね。トムさんご苦労様でした!

イベントの様子はツイート大歓迎!

SNSでの発信を推奨する本イベント。今時当たり前になってるんでしょうね。案内が出るとさっそく参加者が思い思いにツイートを始めます。

柴山さん:私も浜田さんも写真に映るときは、たいてい目をつぶっていたり半目になってしまいます。二人とも目を開いている写真を撮った人は幸運ですよ!

写真のツイートもOKでした。僕が撮影した写真はお二人の目がしっかり開いていました! とはいえ参加者のツイートを見る限り、目を瞑っている写真はなかったです(笑)。

この他にも参加者がたくさんツイートされていましたね。トムレコもハッシュタグも今回のレポートを書く時に本当に助かりました…グッジョブです…

↓ハッシュタグ「#コミュニティ強化の教科書」を検索して、二人の目の開き具合をチェックしてもいいかもしれません(笑)。


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【概要編】コミュニティマネージャーとはどういう人で、どういう役割なのか

イベントは概要編として「コミュニティマネージャーとはどういう人で、どういう役割なのか」という話題から始まりました。

浜田さん:サロンの数は増えていますがコミュニティマネージャーの数はまだまだ少ないです。Twitterのプロフィールで「コミュニティマネージャー」と名乗っている人を数えてみたのですが44名しかいませんでした。 私たちが考えるコミュニティマネージャーは「コミュニティを絶えず見守り支える人」です。

柴山さん:人が二人以上関わるのならそれはコミュニティだと思っています。家族、学校、会社すべてがコミュニティと言えます。

【概要編】コミュニティマネージャーをやることで身につくスキル

浜田さん:身につくスキルは意思決定する力だと思っています。コミュニティにトラブルはつきもの。そういった時に的確な判断を下さないと状況が悪化してしまいます。

柴山さん:トラブル対応は本当に大変なのですが、対応したメンバーの結束は強まります。そういう意味でトラブルがコミュニティを強くする一面は大いにあります。他にも、がんばれば達成できる課題やちょっと無理だなと感じる課題に取り組む時にもコミュニティが強化されますね。

ただし、トラブルが起きたからといって、すぐに手を出さないこと。マネージャーとして解決したい気持ちは良くわかりますが、辛抱強く経過を見守ることも大事です。

浜田さん:前田デザイン室が強くなったプロジェクトを挙げるとするならば、マエボンとNASU本の制作だったと思います。

『マエボン』

『NASU本』

『マエボン』は大人が本気で遊んだ雑誌。コルク代表の編集者佐渡島さんには「素人革命」と言ってもらえました。『NASU本』は前田高志さんのアートブック兼デザイン論を語った雑誌です。編集長として様々な決断をしなければなりませんでした。一筋縄では行かないプロジェクトだからこそ、メンバーが密に連携し知恵を出し合って、完成させることができました。


【実践編】愛を持って絶えず見守る

コミュニティマネージャーは「愛を持って絶えず見守る」。この姿勢は二人の活動の土台になっています。

柴山さん:箕輪編集室が出来てすぐの頃にトラブルがあり、全体を管理する運営チームを編成することになりました。そこで浜田さんを運営チームに誘いました。理由はきちんと意見を言う方だったから。

私はメンバーの性格的なところを見ています。本当に向いている人っていうのは自分からやりたいとは言わないものですから。

プロジェクトを進めるには耳が痛いことも聞かなければなりません。一メンバーの時から浜田さんは自分の意見を持って指摘されていました。白黒をはっきりさせたい性格なのでしょうね(笑)。

浜田さん:その通りです(笑)。

柴山さんホワイトボードでトムレコしてくださってるトムさんも運営チームに誘いました。箕輪編集室メンバーの平均年齢は結構低いのですが、その中で還暦間近のトムさんが頑張ってるのって純粋にカッコ良くないですか?! 若者の模範になるような大人がいることも若いコミュニティにとってよかったなと思います。

浜田さん私が見守る時に大事にしていることは積極的にコメントにいいねをすることですね。
箕輪編集室も前田デザイン室もFacebookを主体に活動しています。入りたてのメンバーはコメント一つするにも勇気が必要。自分が考えたコメントに何も反応がないとやはり寂しいものです。そういったことがないようにFacebookのページを巡回していました。私自身もコメントに反応がないと寂しいですしね。


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【実践編】視座を高く持つ

コミュニティマネージャーには視座の高さが必要です。メンバーが見落としがちな「コミュニティ全体の幸福につながる行動か?」という視点でコミュニティを見つめます。

浜田さん:コミュニティの外から所属しているコミュニティがどう見られているのかを意識することが重要ですね。

柴山さん:所属しているメンバーが「コミュニティにいることが恥ずかしい」とならないように気を使っています。

浜田さん:コミュニティマネージャーとしての行動と、一メンバーとしての行動を使い分けることを意識しています。

最近、東京の青山ブックセンターという書店さんがオンラインコミュニティを立ち上げられてお手伝いをしているのですが、これまで所属していたコミュニティでご一緒した方も入ってこられました。お互いによく知っているので自己紹介する時に「お久しぶりです〜!」と内輪感を出してしまいそうになったのですが、あえて少し他人行儀に振舞っている自分がいました。私たちが親しく話している様子を他のメンバーの方が見た時に不要な壁を作ってしまうと思ったからです。


コミュニティ運営にオススメの書籍

TSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISEさんに会場をお借りしていた今回のイベント。書籍の販売もイベントの一環でした。登壇したお二人によるコミュニティに関するオススメ書籍の紹介もありました。

柴山さんは、自身のお名前が載った書籍を3冊を推薦。『戦略と情熱で仕事をつくる』ではライティングを担当されていました。
浜田さんは前田デザイン室から発行した雑誌2冊とコルクの編集者佐渡島庸平さんの著書『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE.』を推薦されていました。コミュニティマネージャーとして関わった雑誌は特別なのでしょう。


柴山さんのオススメ書籍

『女は、髪と、生きていく』 佐藤 友美

『戦略と情熱で仕事をつくる 自分の強みを見つけて自由に生きる技術』 松永 直樹

『たのしいスケッチノート―思考の視覚化のためのビジュアルノートテイキング入門』 櫻田 潤


浜田さんのオススメ書籍

『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~ 』(NewsPicks Book) 


『マエボン』

『NASU本』


まとめ

このイベントを振り返ると二つのことが大事だったなと思います。

それは「愛」と「視座の高さ」

「愛」について、柴山さんと浜田さんは「愛」がないとコミュニティマネージャーは務まらないとおっしゃっていました。本当に好きじゃないと四六時中コミュニティに関わることは難しいですし、どこかで無理が出てきて破綻してしまいます。もちろん最初から好きというわけでなく、好きなところをきちんと見つけて言語化されていたりもします。

僕自身が家族や会社という身近なコミュニティでそういったことができているのかを改めて考え直す機会になりました。

次に「視座を高く持つ」ということ。何事も目先の課題だけに囚われずに、長期的な視点を持たなければなりません。たった一つの行動や一言で今まで築いてきた関係が崩れることもあるのです。箕輪編集室でよく言われる言葉ですが「他者への想像力」ですね。


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「私はコミュニティマネージャーではないから関係ない」
「オンラインサロンに所属していないから関係ない」

こういった声も聞こえてきそうですが、箕輪編集室と前田デザイン室は、オンラインサロンとしても一つの組織としても高い評価を受けています。この事実を踏まえると、運営として活躍するお二人の言葉には重みがありますよね。二人が大事にしていることを実践すると、どのようなコミュニティでもうまくやっていけると思います。

イベントのすべての内容をお伝えすることはできませんでしたが、お二人が勧めている書籍などを通して、コミュニティに所属するメンバーとしてご自身がどのように振る舞えばいいのか考えてみてはいかがでしょうか?


✔︎登壇者のTwitter

✔︎会場のTSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISEさん

✔︎箕輪編集室

✔︎前田デザイン室

写真:ばっし〜

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