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シャマラン監督映画『ヴィジット』

『ヴィジット』。シャマラン監督映画といえば、『シックス・センス』の思い出すが。

あらすじ。

「一度、遊びに来ないか?」と、

若い頃に家を飛び出して音信不通だった両親からの手紙が。今は母となった女性の元に届く。

まだしこりが残る母は行かないが、子供の姉弟2人がそこへ遊びに行き・・・。というはじまり。

スリラーだろうかホラーだろうか…もしやSFか?…と見てくと、「おいおいおい(笑)」「えーまじか(笑)」というような、笑っちゃうタイプの怖さ。

その怖い視点を中心として、他にもいろんな要素が重なっている。それを分けると見どころは4点。

1、この家で起こってる事態は一体何なのか。

2、それぞれが心に抱えてるトラウマにどう折り合いをつけるのか

3、姉の映像作品撮りはどういう作品になってゆくのか

4、弟はラッパーとしてどう一皮むけてゆくのか(笑)

こういった視点が重なったままうまいこと調和している。「苦みも酸味も甘味もあるけど、不思議とバランス取れてて美味いなこれ。この料理何?」みたいな妙な感覚。

ホラー、スリラーなのかと思ってたらしっかりヒューマンドラマでもあり。胸が締め付けられる場面もあった。

生きてりゃ皆、幸せな瞬間が無慈悲に奪われてく、という経験はするわけだが。それを抱えたままどう進んでゆくんか、という普遍的なメッセージまでも内包された映画で。一見ホラー映画からそんなとこまでいくんか、と予想外な内容であった。

「ブレア・ウィッチ」以降、POVという撮り方で現場のリアルさや臨場感を増すホラーはいっぱいあった。しかしこの映画がPOVで撮られる必然性は、姉の映像作品撮りにある、という点も面白い。おかげで表面上に装われたB級感、低予算感が逆に活きてくる。「そんな緊迫した場面でまでカメラ気にするかね」という部分はあっても、まぁご愛敬の範囲。むしろカメラマン魂があった、という解釈で済む話。最終的には「やりやがったな、姉!」と。アカデミー監督賞、撮影賞、編集賞を姉にあげたい。

この意図されたB級感に惑わされず評価すれば、間違いなく傑作。『シックス・センス』と並べてもいい。


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