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伊福部昭:ゴジラのテーマ作曲者

20世紀で最も偉大な日本人音楽家といえば、皆さん誰を思い浮かべますか。
小澤征爾、坂本龍一、常田大希、藤井風、、、、

すごい音楽家がまだいます!
その名は、伊福部 昭(北海道釧路、1914-2006)です。

伊良部


伊福部は、デビュー作『日本狂詩曲』を発表し、国際的コンクールで日本人初のチェレプニン賞を受賞しました。彼がまだ若干21歳、1935年のことです。

戦前でまだ国全体が裕福でなく、音を楽しむ(音楽)余裕など無い時代、伊福部は、日本人としてはじめて世界で認められた人物です。

伊福部がすごいところは、音楽の専門教育をうけていないということ。
北海道帝国大学農学部を卒業後、道庁地方林課に勤務しながら、独学でデビュー作の『日本狂詩曲』を書き上げ、名誉ある世界的賞を受賞したのですから、スゴイですね。

そんな伊福部の代表作は、誰もが知っているあの曲、「ゴジラ」のテーマ曲です!

伊福部は、戦中に放射線による航空機用木材強化の研究に従事していました。もちろん当時は、放射線の危険性が認知されておらず、防護服もないまま無防備のまま実験を続けました。その後に体調不良になったそうですが、そんな自分にゴジラ像が被ったのかもしれません。

ゴジラ

ゴジラは水爆実験によって生まれ、人間の手によって抹殺されるという、何とも言いようのない人間エゴの塊のようなものを描いた映画で、実はとても哲学的なんです。

伊福部はその後、300曲以上にわたる映画音楽を手がけました。「座頭市」や「ビルマの竪琴」など、皆さんが知っている曲も伊福部の作です。

今の私たちが伊福部昭から学ぶことは、一言で言えばこれに尽きます。
「学びの基本が独学である」

自分の興味があること、好きなことを独りで学ぶのは、何の苦痛にもなりません。それどころか、時間が経つことすら忘れるほど楽しいはずです。

それが勉強になると苦痛を憶えます。
それはきっと勉強が「勉めることを強いられる」からなのかもしれませんね。


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