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【自灯明・法灯明】お釈迦様最期の説法

お釈迦様の最期の言葉が、「自灯明・法灯明」です。

病身のお釈迦様は、サーラ樹の下に横になり「弟子たちに教訓を与えずして入滅することはできない」と考え、最後の力を振り絞って、入滅が近くなったことを悲しんで泣いている弟子のアーナンダに、こう言いました。

「アーナンダよ、悲しんではいけない。泣いてはいけない。生じたものはすべて、滅しないものはないのだ。汝(なんじ)は長い間、慈愛のある心・言葉・行為をもって如来(にょらい)に仕(つか)えてきた。大きな功徳(くどく)を積んできたのだ。さらにいっそう精進せよ。そうすれば必ず聖者の境地に至るであろう。

アーナンダよ。自分たちにはもはや頼るべき師はなくなる、と嘆(なげ)いてはいけない。私の亡き後は、私が説いた法と律が汝らの師である。今も、私の滅後も、自身を灯とし、自身を拠り所として他に頼ることなく、真理を灯とし、真理を拠り所として他に頼ることなく、ひたすら修行に励むのだ。その者こそが私の弟子であり、暗黒を越える者なのだ」

こうしてお釈迦様は、安らかに入滅されたのでした。しかしアーナンダは、その時まだ悟りを開くことができなかったので、滝のように涙を流し、大声で嘆き悲しみました。

お釈迦様のこのメッセージは法句経にも見られます。

「己こそ己の寄る辺 己こそ己の寄る辺 己をおきて誰に寄る辺ぞ よく整えて 誠得難き寄る辺をぞ得ん」

「最後に頼れるのは己のみ。己を措いて、一体誰に頼ることができようか」
人に裏切られ嫌な思いをした時、困った時に誰も助けてくれない時、自分が置かれた環境が悪くて成功しない時、言い訳や愚痴を外に向けて言いますが、そんな時は、是非とも思い出したい言葉です。



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