見出し画像

日本建築の不思議

時代劇に出てくるような茅葺き屋根の古民家や、昭和初期あたりのモダンな雰囲気な建物など、昔から割と古い建物は好きだった。

それが近頃、建物の造りから歴史まで、「日本建築」と呼ばれるものに興味を持つようになった。

どうして日本建築に興味を抱いたのか、自分の頭の中の整理もかねてまとめてみようと思う。

日本建築に興味を持ったきっかけ

元々古い建物が好きで、小平市にある江戸東京たてもの園をはじめ、茅葺き屋根の古民家を再利用した郷土博物館に行くとワクワクがとまらない。

民家や商店はもちろん、神社やお寺などの施設を見物するのも好きだ。

大きなきっかけとなった建物が二つある。

まず一つ目は埼玉県秩父市にある三峯神社。

はじめて訪れた時、社殿の彫刻はもちろん、色彩がとにかく豊かなことに驚いた。

極彩色とはこのことをいうのだろうか
上から下まで豪華絢爛

もう一つは東京都青梅市にある武蔵御嶽神社だ。

こちらも三峯神社同様、社殿の彫刻や色調がどことなく似ているように感じた。

しかし、私の住んでいる地域にも古くからある神社があるのだが、こちらの社殿には装飾の類はなく、木材の風味のみの至ってシンプルな造りなのだ。

近所の神社は創建不明とされているが、大國魂神社の一座に祀られる程の歴史があるところ。

なぜ、彫刻や色彩が豊かな社殿があるのに、装飾の類はなくシンプルな社殿もあるのか。

日本全国の神社を見て回った訳ではないので一概には言い切れないものの、派手な神社とシンプルな神社があるのはなぜなのか、両者を分けるものは一体何なのか、そこが気になってしまった。

調べてみてたどり着いた「日本建築」の世界

気になったらもうじっとしていられないのが私の性分。

三峯神社と武蔵御嶽神社は、どちらも日本武尊と狼の伝説からはじまった神社だから建物の雰囲気が似ているのか?

歴史の長い神社ほど装飾もないシンプルな造りになるのか?

調べてみようと思ったが、何をどうやって調べたら良いのかわからない。

とりあえず「神社 装飾」と入力して検索してみた記憶がある。

検索して出てきたのが、「日本建築」というワードだった。

日本家屋や寺社仏閣を含め、日本建築と呼ぶらしい。

歴史を紐解くと、日本最古の日本建築は奈良県にある法隆寺だそうで。

木造建築としては世界最古となるそうな。

修学旅行で行った時の記憶といえば、鹿と大仏しかない。

もっと建物を鑑賞しておけば良かった…!!

本を借りてみたら深みにはまった

日本建築について勉強してみようと思い、とあるサイトで紹介されていた方の著作を図書館で借りてきた。

太田 博太郎監修・西 和雄著
「図解 古建築入門 日本建築はどう造られているか」

他にも、
玉井 哲夫著
「図説 日本建築の歴史 寺院・神社と住宅」という本も見つけてので借りてみた。

派手な神社とシンプルな神社があるのはなぜなのか。
その答えとなるような一節が記されていたので引用する。

建築は、たとえ同じ種類でも、時代により、あるいは地域により、多少なりとも異なっているのが普通である。
種類、時代、地域が同じでも、つくった大工、建て主(施主ともいう)などの違いにより、技術や好みの違いが建築に表れることも多い。

「図解 古建築入門 日本建築はどう造られているか」

いうまでもなく建築というものは先人が遺した文化遺産である。建築にはその時代時代の政治・経済・文化のすべてが集約されている。しかもそれが実際に目に見える形、手で触れる形で、存在しているのである。
何も知らないで眺めるだけでも十分に感動するが、建築の知識があって見ることで、何倍か奥深く広く理解することができ、面白さも感激もいや増す。

「図説 日本建築の歴史 寺院・神社と住宅」

建てられた当時の、文化のすべてが集約されている。
江戸時代、古いものではさらに昔に造られ、何千年・何百年の時を経て令和の時代に存在している。

考えただけでワクワクがとまらない。

私の予想

三峯神社や武蔵御嶽神社のように、極彩色や彫刻が素晴らしい神社はきっと各地にあると思う。

その一方で、私の住んでいる地域にある古社のような、装飾はなくともシンプルな佇まいな神社もきっと多くあると思われる。

日本建築や歴史について、調べ出してみて日も浅くまだまだ知らない事ばかりではあるが、ひとつ有力な手がかりを見つけた。

こちらのサイトによると、第三代将軍の徳川家光が派手好きだったらしく、この頃から寺社が派手になっていったようだ。

そういえば徳川家康が眠っている日光東照宮も、彫刻から色彩から、とにかく派手だ。

豪勢な造りな神社が造られた、もしくは修繕された時代が徳川家光の生きていた時代と合致するのか、これから検証してみようと思う。

正解はどうであれ、一つの目安にはなるかもしれない。

まとめ

神社をはじめとする、日本建築の歴史の深さと木造建築の魅力。

三峯神社と武蔵御嶽神社、日光東照宮のように、極彩色で彫刻も見事な神社がある一方、装飾のないシンプルな造りの神社があるのはなぜなのか。

徳川家光が派手好きだったことが影響しているのか。
作った職人か依頼主の趣味だったのか。

これから調べていく中で、どんな結果を見つけるかはわからないが、きっと楽しいと思う。

以前テレビで林修氏が言っていた言葉で、とても共感したことがある。
一字一句まで記憶している訳ではないが、要約すると
「知識はどれだけ入れても溢れることはない」
知ることの楽しさ、喜びはかけがえのないもの。

古い建物の造りや歴史的な背景など、知って何になる訳ではない。

だけど、疑問を抱いて調べ、納得いく答えに出会った時の喜びや感動は、他の誰のものでもない、私だけの宝物だ。

建物鑑賞のために、かぶおでツーリングに行く目的ができた。

いつかは出雲大社や伊勢神宮にも行き、大社造り・神明造りの本家を見てみたい。
資料館にも足を運んで、歴史や風土についても見て学びたい。
できたら赤福餅や伊勢うどんなどのご当地グルメをお腹いっぱい食べてみたい。

むかしむかしの人たちが作り上げてきた歴史、文化を見て、感じてみたい。

些細な疑問から、まさかこんな壮大な楽しみに発展するなんて。

人生はいつどこで何があるかわからないから、怖くもあり、楽しい。

良い趣味ができたな〜。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?