Googleで100社以上のマーケ現場を見てきた獅子達の考えるマーケ支援組織のあり方
このような言葉をマーケの現場でよく耳にします。何故、広告運用やマーケティング支援の現場でこのような低レベルの実態が横行するのでしょうか?
課題は解決できるはずと自ら会社を立ち上げた
そのようなマーケ現場をGoogleで100社以上も見てきた小高が立ち上げた会社が株式会社援軍です。援軍の取締役である私ポールも同時期にGoogleに在籍しており、広告代理店支援部署と大手広告主支援部署に所属し、一貫してマーケの現場を支援しておりました。
正直、我々ほど多くの事業主と広告代理店のマーケのリアルな現場に向き合ったマーケの実務者は国内にいないと言い切れるくらい貴重な経験でした。そこで、自分たちならできる!そんな思いで課題解決に乗り出したものの、実際に取り組んでみると簡単に解決できるものではありませんでした。
3つの高い壁
やるべきことが実行されないマーケ現場を改善するには、優秀な担当者を現場に配置すると簡単に解決します。当たり前です。援軍でも優秀な人を採用していけば大丈夫と今思えば安易に考え過ぎていたのですが、すぐに大きな壁にぶつかります。
その壁とは大きく3つあります。
スケールの壁・・・より安定した高い品質のソリューションをより多くのクライアントへ提供するための組織拡大をすると、ぶつかる壁です。担当者ごとの品質のブレが発生します。
利益の壁・・・マーケ予算の少ない中小規模クライアントはどうしても利益率が悪くサービス品質が落とされがちという根深い壁です。優秀なメンバーにはしっかり業界最高水準の報酬で還元することを考えると、はっきり言って大規模クライアントだけにサービス提供したほうが間違いなく楽です。
マンネリの壁・・・短期的な成果を追うと結果としてクライアントや業務内容が中長期で固定化し、業務内容がマンネリ化されやすいです。結果として新しい価値が生まれにくくなり、メンバー個人の成長が阻害され、会社としても成長できなくなるという壁です。
ここでは特にスケールの壁について弊社で取り組んでいることをお話致します。
スケールの壁
諸悪の根源と言っても過言ではないやっかいな壁です。優秀なマーケターがフリーランスでやれる範囲でやっていたり、社員数名で小さな組織でやっている分には全く問題ないのです。
ただ、能力及びリソース的な限界がどうしても付きまとうことになりクライアントへの価値提供に支障が生まれやすいです。そのため、やはり一定のスケール化を考えなければなりません。
この点の現時点での弊社なりの壁の乗り越え方は、
【 採用段階でのフィルター】
極めて高い採用基準を設定し、決して妥協しない【 高い報酬還元】
成果を創出する優秀なメンバーには業界最高水準の報酬を提供する【現場の武装化】
外部パートナーとの協業や業務効率化ツールの徹底的に活用しレバレッジを利かせる
です(この他にもワークフローの策定があります)。
1) 採用段階でのフィルター
採用段階でのフィルターとしての高い採用基準は、採用目標を最優先にしてしまうとどうしても妥協してしまうことになるため、採用数の「必達目標」は置かないことで担保しています。
それはつまり、急激な成長になるような会社としての必達目標は設定せず、ゆっくりとでも着実な成長を選択するという方針になります。
2) 高い報酬還元
さらに、高い報酬還元で優秀なメンバーが採用できるようにし、かつ最低でも報酬の低さが理由で優秀なメンバーが転職するということがないようにしています。ただ、これは非常に難しいです。そもそも社員の報酬を低く抑えたい経営者は多くはありません。それでも高くできないのは、単純に見合う利益が出ていないからです。そのため、援軍では現在以下のような方針で高い報酬還元を実現できるようにしております。
2-1) 部門の徹底的な削減
非収益部門なし・・・経理、総務、人事、法務などは必要最低限を外注
営業部門なし・・・紹介、外注、役員営業のみ
2-2) 現場担当者の業務範囲拡大
コア業務・・・営業的な新規提案から運用、レポート作成など
ノンコア業務・・・請求や契約書作成など
2-3) 成果主義の徹底
中長期の昇進降格・・・成果を出すメンバーが、成果を出せないメンバーを報酬面で支えるというアンフェアな状態が中長期的に発生することを防止。「成果を出せば昇進する」という耳障りのよい成果主義ではなく、同時に「成果を出せなければ昇進しない、場合により降格する」ことを徹底
短期の賞与・・・短期的に出た成果を半期ベースで賞与として反映する
もちろんこれでも十分ではないところはあります。
特に「営業部門なし」という点については課題があり、今後新規案件の獲得の取り組み強化は必要です。現在は幸いなことにご紹介を中心にご相談を数多く頂いておりますが、その殆どが役員中心です。
今後、全社員に新規営業をしてもらうということは考えていませんが、メンバー一人一人の信用蓄積によるご紹介案件の自然発生や、メディア運営やPR活動によるインバウンド獲得を強化していく必要があります。
新規案件がなくてもよいのではないか?という考えもあるかと思いますが、ここは「マンネリの壁」に関係しており、新しい変化がなくなった個人や組織は血流が止まった身体のように腐ってしまい、個人も組織も成長しなくなってしまいます。故に、今後対策を強化していく予定です。
3) 現場の武装化
現場の武装化は、以下社内メンバー間でのサポート以外では以下のように複合的な補完体制を敷いています。
グループ会社GLASS
データ基盤サービス活用
コンサル協業
協業パートナー
ツール
GLASSは「マーケティングとテクノロジーであらゆる事業変革を推進する」をミッションとした援軍のグループ会社で私ポールが代表を務めています。8割以上の援軍の支援案件に関わっています。
益々複雑になるマーケティング環境において、データに基づいた意思決定でできる環境を包括的に提供するコンサル付きのSaaSサービスを提供しています。これにより援軍の支援案件において包括的で効率的なデータ収集及び分析環境がほぼノーアクションで整います。
さらに、複雑な事業などにおいてはGLASSのマーケティングとテクノロジーに精通したメンバーが実務を伴う支援を行います。さながら援軍という組織の援軍となる特殊部隊のイメージです。
協業パートナーは、私や小高がもともとGoogleで代理店担当だったという実務者の皆様とのネットワークを活かし、法人・個人、副業・業務委託を問わず多くの案件でご一緒しております。
ツールは、英語も難なくこなすGLASSメンバーが中心となって世界中のマーケティングツールを調査、実践利用することで、現場で活用可能なものを広範囲に活用推進しております。このような世界最先端のツールをうまく活用することは想像以上に生産性・創出価値向上に寄与します。
理想のマーケ支援組織に向けて
援軍では以上のような考え方で組織作りをしています。まだまだ完璧では全くありませんが、小高や私が長年悩んできた問題に対して、一つ一つ回答を書き、答え合わせをしながら理想の組織をみんなで作り上げていっております。
「一人一人が獅子になる」
これは小高と私が非常に好きな言葉です。マンガ『サンクチュアリ』の名言です。
援軍に所属するメンバーの一人一人が獅子になる、なれる組織を実現していきたいと切に考えております。ここで言う獅子とは「単独での高い実務遂行能力を持ち、仮に一人で解決し得ない困難な課題でも、他に丸投げせず、自分自身で全体像を描き、局所局所でプロフェッショナルを上手く動かして解決する。このような、高い課題解決能力を保持するプロフェッショナル。」です。その獅子の集団が援軍です。
是非、共に理想のマーケ支援組織を創り上げましょう。
参考
援軍が見据える未来がわかる記事