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株式会社援軍。なぜ、デジタルマーケティング業界の「何でも屋」を創業したのか?

8年ほど勤務したGoogleを退職し、2018年8月1日に株式会社援軍を設立しました。会社設立と言うと何か凄いことのように聞こえますが、会社設立自体は登記等の手続きをするだけのことですし、たった1人でスタートしましたので全く凄くありません。むしろ、「Googleという巨大な企業に所属し、一等地にあるオフィスで働いていた」ところから、一気に「本社として登記した自宅にて、一人ぼっちで仕事するようになった」のですから、都落ち感すら漂っていたかもしれません。

創業理由と背景

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なぜ、都落ち感を漂わせてまで創業したのか。それは、「お客様の企業規模やマーケティング予算を問わず、それぞれのお客様にとって本当に価値があると思うデジタルマーケティング支援をしたかった」から。

通常、企業であれば、継続的な売上増加を目指しているのが普通です。それは広告媒体社や広告代理店等のデジタルマーケティング支援をする側も同じで、それぞれが自社サービスの利用を促進する為にお客様へ日々営業しています。

それ故、集客の受け皿となるWebサイトがイマイチなのに広告施策を提案する等、お客様のご状況を鑑みない「デジタルマーケティング支援をする側の自分勝手な提案」が頻繁に行われているのが現状です。

また、企業規模が小さかったりマーケティング予算が少ないお客様に対しては、とりあえず広告配信だけするよう設定して、その後の提案活動自体はほぼ行われていなかったりすることもあります。提案してもすぐに大きな売上に繋がらない為、人件費の無駄になるという考えです。しかし、こういった業界の現状に対して、私は違和感を感じていました。

人生をかけてやりたいこと

デジタルマーケティング支援をする側が売上ばかり追っていては、お客様にとって本当に価値のある支援はできていないのではないか。また、デジタルマーケティング支援を行う側の社員は、人生の大切な時間を「売上を積む為だけの価値のない活動」に使っていて楽しいのか。

少なくとも、私が会社員だった頃は、業界に対してだけでなく、自分自身に対してもこのような違和感を感じていました。「価値があると思っても、短期間での大きな売上増加に繋がらない提案はしないこと」や「企業規模が小さかったりマーケティング予算が少ないお客様に本気で向き合わないこと」を徹底する、それは人生をかけてやりたいことではない、と。

私が本当にやりたかったのは、むしろその逆でした。「企業規模やマーケティング予算に関わらず、困っている人に対して最適だと思うデジタルマーケティング支援をする」というシンプルなことを徹底して仕事がしたい、そう思って株式会社援軍を設立しました。

幅が広すぎる支援活動を楽しむ

Googleを飛び出し会社設立してみると、やるべきことは想像以上に膨大でした。社員がいない状況だった為、人事・労務・税務・会計等のバックオフィス業務は外部の専門家に任せて、私はお客様支援に注力したものの、お客様ごとのご状況が違いすぎて創業から今でも勉強・実務の繰り返しです。

広告施策・SEO施策・サイト改善・データ計測基盤構築等のよくあるデジタルマーケティング支援のみならず、インターネット上の様々なデータを収集・集計して消費者の需要予測を行って「商品の仕入れ」に関する支援を行ったりするケースもあります。デジタルマーケティングに関連さえしていれば、まさに「何でも屋」。

しかし、これは決してネガティブなことを言っているのではなく、むしろポジティブなことを言っているつもりです。お客様ごとにご状況が異なれば支援すべきことも異なるはずで、それに合わせて最適な支援をするということは「デジタルマーケティング支援のあるべき姿」であり、価値のある活動に時間を使えているということだから。

そして、本気でそういった活動に取り組むことで、自然と自分自身のスキルも高まっていきます。価値ある活動によってお客様に感謝され、その上でスキルも高まるとなれば、勉強・実務の繰り返しによる苦労なんてものはなくなります。自分にとってプラスしかありません。だから当然、自分がやっていることに意味を見出せ、業務時間を楽しめています。

社員にも同じ体験をしてほしい

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たった1人で創業した株式会社援軍ですが、少しずつ社員が増えていき、今では私1人では実現できなかったくらいの提供価値を創出しています。また、更に多くのデジタルマーケティングに関する「困った」を失くす為、現在は積極的に採用を行っています。

そして、社員のみんなにも、是非「株式会社援軍で幅の広い業務経験を積んでほしい」と思っています。売上増加だけを目指して効率的な組織体制を構築するのであれば、「Google広告担当」「LPO担当」「データ分析担当」等と分業制にするのが良いかもしれませんが、それでは社員それぞれが偏った単一のスキルしか身に付けられないからです。

そうなると、社員が株式会社援軍を卒業して次のチャレンジをしようと思っても、なかなか機会を得ることができなくなります。転職するにしろ、起業するにしろ、単一のスキルだけでは外部から高く評価されることは稀だからです。

想像してみて下さい。Google広告の運用だけはできるけど、他の広告の運用経験はなく、広告運用以外の業務経験もない人。Google広告の運用力が日本一であると客観的に証明できるような場合は別かもしれませんが、通常はそういった人が高く評価されることはありません。1人でも一気通貫で幅広い業務ができる、だからこそ評価を得られやすくなります。

社員には社員の人生があります。私は社員をスポーツチームの仲間のように信頼し、末永く一緒に仕事をしたいと考えておりますが、最終的に別のチャレンジをするかどうかは社員の意思決定に委ねています。その為、社員が別のチャレンジをすると決めた際に困ることがないよう、社員1人1人に楽しみながら幅広い業務経験を積んでほしいと考えていますし、株式会社援軍ではそのような組織体制を構築しています。

目指しているところ

株式会社援軍では、2030年に支援社数10,000社を目標にデジタルマーケティング支援を行っています。支援社数10,000社となると、支援社数の観点で日本一のデジタルマーケティング支援企業ということになります。

なお、売上目標は定めていません。あくまで指標として意識しているのは支援社数です。売上が増えればいいという考え方では活動しておらず、企業として当たり前の「提供価値を高めてお客様の信頼をたくさん得ること」を当たり前に徹底しています。お客様の信頼が積みあがれば積みあがるほど、売上は勝手についてくる、という考え方です。

しかし、この「当たり前のことを当たり前にやる」というのは、決して簡単なことではありません。お客様の信頼は短期間で得られるものではありませんし、決めたことを継続するというのは意外と大変だからです。簡単なようで簡単ではないこと。それを楽しみながら一緒に頑張れる仲間をどんどん増やしていき、支援社数10,000社という目標を達成したいと思います。


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