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英語独学のロードマップをざっくり解説【これだけやっとけばOK】

英語の勉強が実を結ぶかどうか。

これを決定する最大の要因のひとつが「正しい英語学習法を取り入れているか」という点(もうひとつは量が足りているかどうか)。

いくらやみくもにがんばっても、学習方法が間違っていると伸びません。

といっても学習初心者は何から手をつけたらいいのかまったくわからないと思うんですよね。

ここでは僕が今まで英語を勉強してきた実体験に、第二言語習得研究の知見を盛り込み、学習ロードマップの全体像をざっくり描いてみようと思います(個々の学習法については別記事でもっとくわしく深掘りする)。

僕が今から自分が新しく外国語を学ぶならこの方法にする、という内容になっているので参考にしてみてください。


まずは発音トレーニングから

発音なんてどうでもいい。

そう思っていた時期が僕にもありました。しかし近年の研究によると、初期の段階で発音を学んだ人はその後の伸びが違うんですね。

英語達人のケーススタディを見ても、初期に発音をトレーニングしている人が非常に多いです(竹内理『より良い外国語学習法を求めて 外国語学習成功者の研究』)。

発音は英会話に活きるだけでなく、リスニング能力にも直結し、さらに音読やシャドーイングの効果にも大きな影響が出てきます。

なるべく最初のうちに発音の学習をしておくと圧倒的に得します。

おすすめテキストは『あいうえおフォニックス』。これが最強にわかりやすい。


Youtubeに専用チャンネルもあります。

本よりもさらにわかりやすいので、登録をおすすめしておきます。


英文法学習を始めましょう

次に文法を学習していきます。

文法なんてどうでもいいという意見もありますが、それは嘘です。

リーディングやリスニング、英作文に文法の知識が必要なのはもちろんのこと、英会話も文法が身についていないと力が伸びないので注意。

おまけに以下で説明するように、英単語を効率よく暗記していくにも文法の知識は必要。

といっても中学と高校の英文法を学習すればいいだけなので、おそるるに足らずです。しかも高校英文法のマニアックな知識はスルーでOK。

文法用語(分詞だのなんだの)も覚える必要なし。英語を理解できればいいだけなので基本的なものを実践的な観点から吸収していきます。

使用するテキストは最大でも3冊。中学レベルの英文法ドリル、そして高校レベルの英文法解説書と英文法ドリルです。解説書は高校レベルだけでオーケー。大は小を兼ねるで、これが中学英文法の解説もしてくれます。

まずは中学レベルを完全マスターしましょう。

最初のうちは英文法の学習がそのまま英単語の学習にもなります。文法書の例文に出てくる単語はぜんぶ覚えるんです。文法の解説を理解しつつ読み、同時にそのテキストが英単語学習のための単語集としても機能します。

また例文を読むことがそのまま精読トレーニングにもなっています。

辞書は必要ありません(ぜんぶ和訳が載ってるから)。

文法は中学~高校レベルのものをマスターすればもう一生勉強する必要ありません。ほぼなんにでも対応できます。

英単語は大学受験レベルを超えた範囲のものをどんどん増やしていかないといけないんですが、文法はこれで卒業です。

おすすめの文法テキストは『総合英語エバーグリーン』というやつ。たぶんこれが一番わかりやすい。

文法ドリルは色々あると思いますが、僕が使ったのは『頻出英文法語法問題1000』というやつ。


英単語暗記の最強勉強法はこれ

英文法のトレーニングでかんたんな単語と文章を読めるようになったら、次に知っている英単語の量をゴリゴリ増やしていきます。

英単語を暗記するコツ、それは長文のなかで覚えること。個別に単語を暗記するのではなく、長文という文脈のなかで覚えていきます。

情報量が多くなって逆に大変そうじゃない?こういう感想をもつ方も多いと思うんですが、実は個別に覚えるよりも文章のなかで覚えたほうが長期記憶に残りやすいんですよ。

といっても文法を知らないとそもそも長文なんて読めないですよね。だから文法を優先したほうがいいんです。

文法書を学習しつつ出てくる英単語はすべて覚える→基礎的な文法がマスターできたら長文英単語テキストに特攻

英単語用の教材は音声付きのテキストを選んでください。音声はぜったいに必要。これがのちのち効いてきます。

おすすめは「速読英単語」と呼ばれるシリーズ(社会人向けのは「速読速聴英単語」という名前になっている)。

このシリーズをやっていくだけで中学レベルからTOEIC900点レベルまでいけます。英単語に関しては他のテキストは必要なし。

ちなみにこの段階でも辞書は使いません。

中学レベルの英文法参考書をマスター→中学レベルの速読英単語をマスター→高校レベルの英文法参考書をマスター→高校レベルの速読英単語をマスター

↑この順番で英文法と英単語を仕上げていくとよいでしょう。


リーディングは英単語学習のなかで完結する

英単語の暗記は長文テキストを使って行うのでした。

すると、リーディングとリスニングを個別に学習する必要がなくなります。なぜなら速読英単語のような教材に取り組むなかで、自然とリーディングとリスニングも身につくから。

速読英単語はまず長文を理解し、その後で単語を暗記していきます。しかもなんども本文を音読することになります。この過程で自然と英語長文を読む力も鍛えられるわけです。

・最初にテキストを読む→ここで精読の力がつく
・なんどもテキストを音読する→ここでリーディング力が大幅アップ

初心者~中級者のうちは別個にリーディングの学習をする必要がないんですね。


リスニングも英単語学習のなかで完結してしまう

リスニングも英単語学習で使った速読英単語に取り組むなかで完結します。

カギになるのはシャドーイングを織り混ぜた音読。

シャドーイングはネイティブスピーカーのモデル音声を真似して、同時に英文を音読していくトレーニング。最高のリスニング学習法として知られます。

速読英単語ではまず長文を理解し、次に単語を覚え、仕上げとして長文をなんども音読するのでした。ここにシャドーイングを取り入れます。

付属の音声を利用して、モデル音声を聞きながら音読→テキストを見ずにモデル音声を聞きながらシャドーイング。ここでリスニング力が大幅にアップします。

こうすれば個別にリスニング学習をする必要はなく、英単語学習を進める過程で自然とリスニング力も伸びていくんですね。

聞き流しをするなら、すでにマスターしたセクションで行うようにします。知らない英文を聞き流しても効果はありませんので注意。シャドーイングが終わってすでにマスターしたセクションの英文を何度も聞き流します。


多読を始めよう(必須ではない)

高校レベルの英単語と英文法をマスターすると、簡単な洋書が読めるようになります。この段階から多読をはじめていきます。

これは必須のステップではありませんが、さらに英語力を伸ばして上のレベルに行きたい人には王道のコース。

たとえばTOEIC900点以上を目指すとかの場合は、マンネリ化した参考書ばかり読むよりも、自分の好きなジャンルの洋書を読んだほうが快適に英語力が伸びます。

本が嫌いな人は動画でもOK。英語字幕をつけて動画を見ていけば多読になります。


アウトプット力につなげる瞬間英作文

ここまでインプット学習のやり方を見てきました。以上の学習で、土台となる基礎知識がすでに完成しています。

次はこれをアウトプット力に変換することが必要。知ってる英語を使える英語に変えるんですね。日本人が苦手とする領域です。

ここで威力を発揮するのは「瞬間英作文」です。

瞬間英作文とは中学レベルの文章を瞬時に英語に変換して発話していくこと。ここでスピーキングと英作文の基礎が完成します。

瞬間英作文は中学レベルの文法を学習しおわった段階からスタートできます。早くアウトプット力がほしい人はその段階で始めるのがよいでしょう。その場合、高校レベルの速読英単語に取り組むのと並行して中学レベルの瞬間英作文をこなしていくことになります。


英会話力を伸ばしたいならオンライン英会話

アウトプット力の伸ばすのは、独学では限界があります。

対人相手の実践トレーニングをしたいならマンツーマンのオンライン英会話がもっとも手軽で、かつ効果も保証されています。

文法や単語など基礎知識なしでいきなり英会話に挑戦する人もいますが、それだとほとんど効果は期待できません。この記事で紹介してきた学習をやって基礎力をつけた後で挑戦するほうがいいです。だから最後に書きました。

どのオンライン英会話サービスを使えばいいのか?レアジョブかCamblyでOKです。くわしくはこのブログ記事に書いてあります↓

ちなみに留学で効果が出るのもこの段階から。

実は基礎知識なしで海外に行ってもあんまり実力は伸びないんです。しかしこの段階まで到達した学習者なら、海外留学から最大限の効果を引き出せます。


英語力のメンテナンスは多読と瞬間英作文で

せっかく覚えた英語でも使わずにいると忘れてしまいます。

普段の生活で英語を使う環境にいる人なら問題ないのですが、そうでない場合はいかに英語力をメンテナンスするかが大切になってくる。

どうやって英語力を維持するのか?おすすめは多読とシャドーイングと瞬間英作文。

本を読むのが苦にならない人なら好きなジャンルの本を洋書で読みます。読書が嫌いな人は動画でいいです。映画やYoutubeの動画を英語字幕付きで見ます。

シャドーイングも英語学習用の教材とかは必要ありません。映画とかYoutubeの動画とかを使ったほうが楽。これでリスニング力も維持できます。

瞬間英作文は毎日5~10分ぐらいで十分。アウトプット力が衰えないようになります。

趣味の延長線上みたいなノリで続けるのがコツ。短時間の多読やシャドーイング、瞬間英作文だけなら、ほとんどストレスを感じることなく英語力を維持できるでしょう。

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