《ギフト1》好感度のブーメラン
おう、いらっしゃい!
酒場のマスター、シシャモだ。
まずはドリンクを…っと、なんだ差し入れか?
ありがとうよ!
ああ、中身の大小は別にいいんだ。
ちょっとしたものでも、その気遣いと好意自体が嬉しいんだ。
まさかお前さんから気を利かせてくれるとはな!
ここで会うたびによくしてやってる甲斐があるってもんだ。
やったことは返ってくる。
いいことも、悪いこともだ。
俺はそれを好感度のブーメランって呼んでいる。
もちろん、武器屋には置いてない代物だ。
いい反応が欲しかったら、
まずはお前さんから先に何か与えることだな。
それは物に限らず、好意や行動でもいい。
気持ちの良い相手には、
気持ちの良い対応をしたくなる。
真っ当な人はそう思うもんだ。
毎日誰も頼んじゃいないのに、自ら街の清掃や美化に努めてるやつに、無視して素通りはできないだろう?
逆に、悪口やダメ出しばかりをしていれば、
いつかそれは別のところから思わぬ形でやってくる。
ある人の誹謗中傷をしていたら、メディアから猛バッシングを受けてしまう、そして業界から干される、なんて具合にな。
恩を贈れば恩がどこからか返ってくるし、
呪いを贈ればどこかから別の災いがくる。
因果ってのはどこかで繋がってるもんだ。
そうやって信じて人の為になることを続けていれば、ちゃんと報われる。
それを見ている人は必ずいる。
別の形で、誰かに引き上げてもらえる。
努力が必ず報われるとは限らないし、
本当かどうかは確かめようがないが、
俺はそういう素敵な世界を願ってるぜ!
もちろん見返りを求めることは問題ないが、
先に見返りを求めるのは単なる雇用契約だ。
見返りはなくとも行動はできるだろう。
先に好感度を上げることはできる。
まずは目の前の人へ、何が喜ばれるか?を考えてみるといい。
それが大きくなって、より多くの人のためを考えられるようになれば、協力したいという人も現れるだろう。
それはもう立派なお前さんのビジネスだ。
目の前にいなくて、何をしたらいいかわからなければ、募金でもいい。
自分からアクションを起こした、という事実が大事だ。
電話を取ったら書き置きのメモを置いておく。
飲みの席の予約を取っておく。
大事な場面に遅れそうなら前もって一言伝えておく。
ありがとうと言葉をかける。
そんな、簡単なことからでいいんだ。
お前さんがたくさんの人たちから感謝されるような、芯のある冒険者になる日を楽しみにしてるぜ!
《基本スキル 自分から先に好感をあげる》
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