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《距離感1》心の距離感は物理的な距離に現れるぜ

おう、いらっしゃい!!

俺はこのエンジ王国の酒場のマスター
シシャモだ。よろしくな!

お前さん、たびたび来てくれるから、
少し挨拶慣れしてきたな!いい傾向だ。

さて今日は、先に頼まれたものを出そうか。
いつも話の後に出しちまうからな、忘れねぇうちにだ。
ほれ、フィッシュアンドチップスとコーラだ。
いつも来てくれるからな、オリーブはサービスで付けとくぜ。

んん?いい表情だな!
だいぶ緊張も解けてすっかり安心してる顔だなそりゃ。心の距離感も近付いてきた感じがするぜ?

心の距離感といえば、ひとついいことを教えといてやろう。
物理的な距離と密接な関係があるぜって話だ。

いきなり不躾な質問で悪いが、
お前さん、俺との距離感はどう感じる?
ああ、感じたまま、そのまま思ったことを話してくれていいぜ!
いくらイイ男だからって、間違っても、恋心なんか抱くんじゃないぜ?ハハっ、冗談だ。

今は店員と客、まぁ少し気が許せる仲ってとこだろう。違うか?
こうして俺がカウンターに立ってる以上、それはそうなるべくしてなってるな。
席の距離的に若干のパーソナルスペースへの干渉と、カウンターっつう遮蔽物を挟んで、俺とお前さんは対面してる。向き合ってる状態だ。

ああ、パーソナルスペースってのは、それ以上近づいたら個人が不快に感じる距離のことだ。
そうだな、お前さんの身体に手が届くくらいの距離だな。

でだ、物理的な距離と立ち位置で、
大きく5パターンに分けるとしよう。

1つは、正対だ。
対面する位置にいる場合は、相手を見ている、つまり、相対する関係だ。
関係の浅い人間同士や、立場や役割が異なる者同士で会話する時が多い。今みたいにな。
これは相手について正面切って話す時も、
敵対してるやつもそうだな。経験あるだろ?
敵のボスは必ず正面から現れるってもんだ!
立ち位置で関係性も変わるし、
間に物があればそれが直接的な遮断になる。

これと違って友好的な関係をすぐ築ける立ち位置がある、わかるか?

2つ目。そう、同じ方向を向く、だ。
この時、相手とも目線を合わせる、つまり、同じモノやコトに対して会話をすれば、一緒に考えて一緒に行動している、という心理的作用が生まれる。
わかりやすいのが新郎新婦の婚の儀のときだろう。
敵対してる好敵手との一時休戦なんかもだな。

そして3つ目、チームやパーティを組む時につくる
円陣だ。
輪を作る、つながりを示す状態だな。
お互いの顔も見えるし、横の繋がりで一体感も生まれる。
ここで注意、勘違いしちゃならないのが、相手の顔だけを見る行為だ。これは最初の正対関係に値する。チームの成果ではなく、あんたが気になるってアピールだ。やられた側はいい思いはしないだろうな。

さらに上位の関係になると、今度は互いに背中を向ける。
4つ目は文字通り、背中を預ける行為だ。
お互いの信頼の証だ。
ここまでくれば関係性は相当なものだろう。
それぞれの死角を補う形だから、当然パフォーマンスは最大になる。

最後に5つ目。
まだ距離がある相手に対して、距離を近づけたいと思うなら、斜め45度の位置に座るといい。
これは相手も見つつ、パーソナルスペースも確保しておく、絶妙な距離感なんだ。
1つ目と2つ目の中間といったところだな。適度な緊張感もあり、一部は心を開いてる、そんなスタンスだ。

もちろん、こちらがいくら好意があるからといって、警戒している相手にはいきなり近づくのはダメだ。
ドリンクや何かモノが間に置かれた場合も同様に、あなたとは距離を置きたいです、というシグナルだ。
さて、淑女・紳士ならどうする?ここが腕の見せどころだな!

立ち位置や座り位置以外にも、
仕草や行動からそれが読み取れることもある。
こっちは深い話になるから、また今度にしよう。興味があればな、また詳細を話すわ。

ここまで話したことをうまく取り入れれば、
お前さんが相手とどれだけ親密になれているか、
あるいはこれからどう距離を変えていくべきか、
掴む指針になるはずだ。
覚えておいて損はないぜ。

それじゃ、俺は奥のテーブルのお客さんのところへ行くから、後で戻った時にいたらまた話し相手になるぜ。
お代は頂いてるから、ゆっくりしていってくれな!

《基本スキル 相手との距離感をつかむ》

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