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#25 封印されし栗たち

栗を飼っている。

不本意に飼っている。

いや普通に瓶の蓋が開かない。



2週間ほど前に実家から、お母さんが栗の渋皮煮を作って渡してくれた。とてもすきなので、2瓶貰った。

だけど蓋が開かない。ずっと開かない。どうやっても開けることが出来ない。

だから今、瓶に入った栗をただただ15匹くらい×2 飼っている状態だ。こんな状態望んでない。いやたぶん栗の方も望んでない。


何度も試みた。

瓶 開かない

で調べて、力の入れ方を工夫してみたりゴム手袋をわざわざ探して使ってみたり、更には熱湯で蓋を温めるという手間のかかった方法まで丁寧に試した。これが丁寧な暮らしか?私のしたい丁寧な暮らしはこれか?ちがうだろ?


瓶と私の1on1の闘いは30分以上続いたが、

ドスンと構えただけでなんの変化もしてくれない敵は、私をただただ虚しい気持ちへと連れていくだけ。

囚われた栗たちは私が救ってくれるのをじっと大人しく待ってくれていたけれど

私には救えなかった。すまない。


蓋を開けるまで常温でいいよ、と言われたから、1瓶は机の上にずっと置いているのだが、なんか不思議な気持ちになってきた。栗のアクアリウム作ったんかな私。



頼む。頼むから開いてくれ。






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