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#132 TED Talkでシャドーイング『シングルストーリーの危険性』by チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ (2009)

こんにちわ。日英会議通訳者兼シャドーイング・ コーチのいがらしじゅんこです。

シャドーイング・チュートリアル動画 from TED Talk

今回はチママンダ・ンゴズィ・アディーチェさんの2009年TED Talk より、『The danger of a single story(シングルストーリーの危険性)』です。

チママンダさんはナイジェリア人。ナイジェリアの公用語は英語です。彼女はアメリカの大学に進学しますが、そこでルームメイトのアメリカ人から「アフリカでは何語をしゃべるの?あなたはとても英語が上手ね」と言われ、アフリカ大陸が一つの国であると思いこんでいた大学生がいることに驚きます。

また、文学の授業でアフリカをテーマにした小説を課題として提出した時も、教授から「この小説はアフリカらしさに欠ける (not authentic)」、と批評された、という話もしています。その小説で描かれていたのが飢えに苦しむアフリカ人ではなく、中産階級で自動車を保有する人物だったため、その教授は自分のイメージと違う、という理由から違和感を持ったのです。

経済的・文化的に弱い国の人々については語られることが少ない。結果として、「シングルイメージ」が形成される、とチママンダさんは語っています。

今週のおススメ

チママンダさんを一層有名にしたのが、こちらの2012年のTED Talkです。
書籍もあわせてご紹介します。

トランスクリプト

それでは、今回のシャドーイング教材。10分43秒から11分47秒です。

アメリカ人学生の持っていた「ナイジェリアの男は妻に暴力を振るう」という「シングルストーリー」に対して、チママンダさんも『アメリカン・サイコ』を引き合いに出して「若いアメリカ人男性はみな連続殺人鬼なんでしょう?」と逆襲した、というエピソードが披露されるポーションです。

I recently spoke at a university where a student told me that it was such a shame that Nigerian men were physical abusers like the father character in my novel. I told him that I had just read a novel called "American Psycho" and that it was such a shame that young Americans were serial murderers.

Now, obviously I said this in a fit of mild irritation.

But it would never have occurred to me to think that just because I had read a novel in which a character was a serial killer that he was somehow representative of all Americans. This is not because I am a better person than that student, but because of America's cultural and economic power, I had many stories of America. I had read Tyler and Updike and Steinbeck and Gaitskill. I did not have a single story of America.
(10:43-11:47; 146 words)

チェックしておきたいフレーズや発音のコツ
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