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#31 ビリー・アイリッシュのeveryday sounds(日常の音)

2020年の2月、少し前になるんですが、ジミー・ファロンの Tonight Show に、ビリー・アイリッシュの兄、フィネアスが出演していました。

"Bad Guy"のハイハットの音だとみんなが思っている音源が、実はオーストラリアの横断歩道の信号音をサンプリングしたものだ、と種明かしをしていました。

 4分40秒から4分50秒です。

So, when you're on a street corner in Australia, you press the button, and when the "Walk" sign turns on, you hear this rhythmic sound that I love and that Billie loved.
(オーストラリアで道を渡る時、ボタンを押すんだけど、”Walk”の信号が点灯すると、僕もビリーも大好きな、リズミカルな音が鳴るんだ。)

And so we recorded it, and it sounds like this.
(それを録音したのが、これ。)

そして、実際の横断歩道のアラーム音が流れます。

It's got, like, a groove. 
(グルーブ感があるんだよね。)

ジミー・ファロンも「待って、不思議だね。オーストラリアではああいう音が鳴るの?」と質問すると、フィネアスは更に答えます。

That's just every time you cross a street in Australia, you hear that.
(オーストラリアで道を渡ると、毎回あれが聞こえてくるんですよ。)
ジミーの「じゃあ、この音を”バッド・ガイ”に使ったんですね」という質問に対し、フィネアスは

Yeah, the thing people think are high hats in "Bad Guy" is actually just that.
(そう。みんなが”バッド・ガイ”の中のハイハットだと持っているのが、実は、まさにアレなんですよ。)

改めて、"バッド・ガイ" をBillie の”Duh"から聞くと・・・会場がどよめきます。

フィネアス、更に続けます。5分37秒からです。

Here's the bonus round, is that we then went back to Australia after the album came out. And we brought our dad for the first time. The first couple of tours, we just didn't have enough crew to bring because we have our dad on our crew. And we brought our dad with us, and we were bringing him around Australia. It was his first time.
(この話にはオチとして、ボーナストラックがついています。アルバムをリリースした後に再びオーストラリアに行ったんだけど、その時に初めて父を連れて行きました。父もクルーの一員なんですが、最初のうちはクルーを全員連れて行けなかったんで。で、父を初めてオーストラリアに連れて行きました。)

And he goes, "Check out these crosswalk sounds."
(すると、「この横断歩道の信号音、ちょっとイイね」と言うんです。)

He goes, "How cool are these sounds?" and I was like, "Yep. Yep."
(「むちゃくちゃクールな音だよ」というので、僕も「そうだね、そうだね」と言っていたわけです。)

And I was like, "Check this out," and I played him "Bad Guy" and he was like, "Wha?" It was great. It was a good revelation for Pops.
(というわけで、次に僕も「これ、ちょっとイイんだよ」と言って"バッド・ガイ"を聞かせました。父は「えっ!?」となりましたよ。最高でした。パパはビックリしていましたねぇ。)

パパも、日常に紛れているカッコいい音に気づいてしまえる人なんですね。さすが!

彼やビリーがなぜ日常生活の音にも注目するのか、その理由をフィネアスは2分28秒から語っています。

Because computers and everything have gotten so much cheaper and more accessible, I feel like a lot of music producers have the same toolbox. And to me, as a producer, I always want something to set my stuff apart. And so I'll walk around with just an iPhone but sometimes I'll bring a little mobile recorder. And if I hear an interesting sound, I'll just record it, and then later I'll listen through them and I'll go like, "I wonder how I can use that." 
(コンピュータやいろいろなものが安くなり、手に入りやすくなったので、音楽プロデューサーは基本的には皆同じツールボックスを持っているように感じるんです。プロデューサーとして、自分の作るものは他とは一線を画すものであってほしい。なので、僕はiPhoneを片手に歩きまわります。でも、時には携帯レコーダーも持ち歩きます。何か面白い音が聞こえれば、すぐに録音して、後で聞き直します。「これをどうやって使えるかな?」と考えながら。)

日常生活にも、美や新しさを見出す。そんな感覚を、自分も大切にしたいと思いました。

いがらしじゅんこ:通訳者

#英語学習 #ビリー・アイリッシュ #BillieEilish #バッド・ガイ #BadGuy #ジミー・ファロン #JimmyFallon






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