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ジーンブルーとエタン。

現在、手裁ち、手縫いで仕上げ、革小物などを製作しています。
興味のあった革、その革を使って手縫いで仕立てるには、作りにくさを感じていたのですが、いろいろ考えてみたやり方を試して作ってみることにしました。

縫い穴をマーキングする道具"ヨーロッパ目打ち"は、新たに購入していたモノを使用しました。


基本的に使っている革はイタリアのタンナーなどで作られているタンニン鞣し、染料仕上げ、経年変化していく革。それとは違うタイプでフランスの名タンナーで作られているクロム鞣しの型押しカーフ。

この色の名前は、Jean Bleu(ジーンブルー)とEtain(エタン)。
そう、アレです…
鮮やかな発色、有名なスーパーブランドで"ヴォーエプソン"と呼ばれている革。
革に型を押し付けてプレスされている、クロム鞣しの型押しのカーフ。
傷に強い型押し、硬めでハリがあり、エイジング(経年変化)しにくいタイプ。
ただ硬くハリがあるというよりも、カーフ(仔牛)スキンのしなやかさも残っている、そんな感じを受けました。


全てのパーツの裏に同じ革"エタン"を貼り製作しました。削られた端の部分は、接着する部分で"荒らし"と言われる作業をした箇所。貼り合わせて組み立てた後、さらにカット(本裁ち)もします。

私の場合は、総革で製作、カードポケットやポケットの裏側にも革を貼り製作しています。(いくつかの製作物はカードポケットの裏に革を貼らないタイプもあります。)


過去に作ったコンパクトウォレットから少しデザインを変更、縫い方も変更しました。

適度に縫い締め、出来るだけ綺麗な糸目になるように心がけています。手縫いの縫い方もいくつかの方法があるのですが、今回はいつもと違うやり方で縫いました。
一般的な手縫いのイメージは分厚い革を広いピッチで縫うと思われることも多々あります。私はあまり厚い革で仕立てないので、細か過ぎず、広過ぎずのピッチ。
何より、その製品を作るブランドや、作家さん、作り手の考えなどによります。


-enfoque(エンフォケ)デザインのコンパクトウォレット-

いつもと違うタイプの革、いつもと違う仕上げで、いつも以上に気を使いましたが、理想的に仕上げられました。

求める仕上がりによりますが、手縫いに向いている革はある程度限られています。
革によって出来るモノの幅が広がることもあります。切りやすい、伸びにくいと正確に作りやすく、製作時間の時短にもなるので一番の理想…(笑)
独学で手縫いを始めた時から、いつも変わらない試行錯誤をしながら、考えて作り、見直して変更したりと… 材料の革の質によって頭を悩まされることも。
作りの簡略化することもできますが… それは量を作ることになる時。
また、タイプの違う革を使うときに、何かしら新たなことを試してみたいと思っています。


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