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【翻訳メモ】INSIGHTS FOR THE JOURNEY

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2018年7月の記事一覧

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【2.2】4つの象限 - 「傾向」と「盲点」(The Four Quadrants: preferences and blind spots)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。 ------------------------------------------ ■元のURL http://thejourney.reinventingorganizations.com/22.html ■翻訳メモ * 私達は、誰もが傾向と盲点をもっている。 * 組織の変容を進めている中で、問題に直面したときに、特定の介入の仕方が現れやすい。他の介入の仕方は盲点になっていると、思いつくことさえもできない。 * ケン・ウィルバーのフレームワークを提示して、考えてみたい。組織で起こることは4つの象限から見ることが出来る * 1つの軸は「外側」と「内側」。外から見えて、計測できるものか、内面で感じること、測定できないもの。 * もう一つの軸は、「個」として見るか、「集合」とし見るか。 * ウィルバーはFour Quadrants(四象限)と呼んでいる。 * 「外側」から見える「個」を扱うと、「態度」 * 「内側」から「個」を見ると、「マインドセット」や「信念」 * 「集合」を「内側」から見ると「カルチャー」 * 「集合」を「外側」から見ると「システム」や「プロセス」になる。 * ウィルバーは組織をどのレンズからも見ることが出来る、といっている。 * 多くの人は、どれかを重視して、どれかが盲点になってしまう傾向がある。そのことを自覚して、広く見れるようになることに意味がある * コンサルタントやコーチの中には、この中の特定の側面だけ扱う人もいるかも知れない。カルチャーの問題だ、報酬の設計だ、など。 * 実際には、何事もこの4つの側面を持っているので、4つとも等しく重要である。 * たとえば、あるCEOが、トップパフォーマーはお金によってのみドライブされると信じていたとする。 * そのCEOは「システム」として報酬設計をしたり個人のパフォーマンスでインセンティブをつけたりする。 * それは「態度」の面でいえば、互いに競争することを促しやすくなる。ただ、それも私の固定概念であって、猛烈に働くようになる人ももちろんいるかも知れない。 * いずれにしても、この4つはそれぞれ連動している。どれかしか見ていなくても、他のものも必ず存在している * 私からの質問は、あなた自身の傾向は?どれかいつも重視するものはあるのか?もしくは、いつも盲点になるものはあるか?ぜひ一度ビデオを止めて、好きなだけ時間を取って、自分の傾向を振り返ってみてほしい。 * さて、あなたが自分の傾向が分かったのか、とても興味があります。 * では、一例として、あなたの組織でセルフマネジメントを始めてみたが、問題が起きたとする。それは、互いに優しすぎて、セルフマネジメントを回すための本当に真摯なフィードバックが起こらない。 * そのときにどうするか?あなたが自然と思いつく介入は?またビデオを止めて考えてみてほしい。 * では、そのアイディアをこのフレームワークに入れてみて下さい。 * この場合、多くの人は上の象限に当てはまるものを思いつく。例えばトレーニングを実施しよう、とか。態度を変えるものとか、マインドセットを振り返るものとか。 * では、カルチャーに関わるとしたら?エグゼクティブチームが模範を示せないか?どうすれば本当に人に真摯にフィードバックできるのか。 * もしくは、私自身の傾向としてシステムに注目しがちだが、人が優しすぎるのなら、結果に対して責任を感じていないのではないか? * なにか起きると偉い人が改善してくれる、という捉え方で働いていないか?私はシステムからそこを見ようとする。マネージャーの中で、誰かが責任を取ってくれる人がいると思っていないか?ビュートゾルフみたいに、結果をチーム間で共有しているので、チームの成績が悪いと誰かが声を上げるような仕組みに出来ないか? * 私の傾向としてマインドセットや態度、システムに注目しがちで、カルチャーは盲点になりやすい。重要だと思っているのだが、個人的な経験としてカルチャーを変えるプログラムがうまくいかないのを見てきて、あまり好きではないところがある * 最後の質問は、もし自分の形容や盲点がわかってきたら、その次に、あなたの組織内の他のリーダーともぜひ話してみて、互いに比較してみてほしい。 * それぞれ違う特徴がある。私ならば、カルチャーに強い人がいれば一緒に取り組めばいい * もう一つの提案は、あなたがコーチやファシリテーターがいるなら、その人に傾向はないか?きっとあるはずである。全部に興味がある人は非常に少ない。 * コーチが特定のところに注目しすぎて、他のところを見落とさないように気をつけてほしい * HolacracyOneのブライアン・ロバートソンと話をしたが、彼はシステムにバイアスがある。彼らはトレーニングをするときに内面を扱わない。 * 態度やシステムに注目していると、深い会話がなかなか起きなくなる。それは、少なくとも最初の頃は、ホラクラシーにとっての盲点だと感じた。 * どうやってこの4つの象限を等しく扱えるか、ということを話してみてほしい。 ■お願い 動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。 この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。 https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

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【2.3】どこから始めるか?(1) (Where to start (1))

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。 ------------------------------------------ ■元のURL http://thejourney.reinventingorganizations.com/23.html ■翻訳メモ * これは「どこから始めるか?」ということに関する2つのビデオの前編です。 * これは、新しい組織を作りたいと思った多くのリーダーからもらう質問でもあります。 * 残念ながら、どんな組織においても「必ず始めるべきところ」はありません。 * それは組織の歴史や今起きていることによって大きく違います。 * ただ、次の2つの質問が、何から始めるかをクリアにするのに役立ちます。 * 1つ目は、今の組織の「痛み」や「エネルギーが滞っているところ」はどこか? * たとえば、予算策定のプロセスが悪夢のようになっている。2−3ヶ月かけて作っても、終わってからは結局誰もこれを見ていない。もしかしたらそれが始めるところかもしれない。 * 他には、評価のプロセスが多くの恐れを引き起こしているかもしれない。ではそこから始めてみてもいい。 * ある病院では、外科医のマネジメントが問題だった、それならそのチームをセルフマネジメントに移行してみたらどうか? * また、ある急速に伸びている組織では、4人の最もパワフルなメンバーが、あらゆる意思決定をしていた。CEOはそれを変えて、そのチームを解散してもっとそれぞれが決められるようにした。そこからさらに成長が加速した * 最初の質問は「どこに痛みがあるのか?」「どこでエネルギーが阻害されているか?」「もっと組織のエネルギーを出せるようにするのは?」 * 2つ目の質問は、組織全体ではなくトップリーダーやsourceに対する質問。「あなたにとっての痛みは?」「あなたが本当に望むものは?」「あなたのintegrityを阻害するものは?」 * それは小さいものかもしれない。しかし非常に重要な質問になる。 * 今まで通りのやり方の中でも、無意味になっていたり、あなたが気になるものはなにか? * それは評価の仕組みかもしれない。 * もっと小さいもので、クライアントを招くときにトップリーダーしか会わないが、実際にプロダクトを作るメンバーも会ったほうがいいと思っている。小さいことかもしれないが、そこに気がついたなら早速変えてみればいい。 * これは最初のビデオに戻るが、この変容はマスタープランに基づいてやるものではない。色んな機会が開かれている。 * 最も重要なものではなくても、そこにあるものはぜひやってみる。テストしてみたり、プロトタイピングをしたり。 * この2つの質問は自分で考えてみるのも、同僚と話してみるのもいい。 * 組織として、「痛みはどこにあるのか?」「エネルギーはどこでとどまっているのか?」 * あなた自身は、「どこに痛みがあるのか?」「いま加わっているが気になっているものは?」 ■お願い 動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。 この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。 https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

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【2.4】どこから始めるか?(2) (Where to start(2))

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。 ------------------------------------------ ■元のURL http://thejourney.reinventingorganizations.com/24.html ■翻訳メモ * これは「どこから始めるのか?」の2つ目のビデオです。今回は、組織の中のどこから始めるのか、ということについてです。 * たとえば10人のような小さな組織なら迷わないですが、100人や1000人の組織だと、その質問は重要になってきます。全部から始めるのは難しいし、それをやろうとするとトップダウンでやることになってしまいます。 * メタファーとして、組織を機械ではなく生き物として捉えると、実行(implementation)から受粉(pollenization)へ捉え方を変えるとも言えます。試しにやってみて、それがどう広がるか見てみます。 * では、どこから始めるのか?4つのやり方がありえます * 1つ目は、特定のチームでテストしてみる。じゃあどこでテストするか?というと、それはエネルギーがあって準備ができているチーム。そこに痛みがあるからか、もしくはその人達がやりたいと思っているから * パイロットをするというアプローチは、古いマインドセットでやってしまう恐れがあります。テストしてみてよかったら他にも展開しよう、というきに、リーダーは本当の意味ではそういう方向に進む準備ができていないこともあります * 可能な限り、リスクやリターンという考え方をしないでほしい。そうではなく、改めて、何があなたをドライブするのかに向き合ってほしい * 本当に新しい組織に向かおうとするリーダーは、その新しいやり方こそがいいと知っていて、リスクやリターンという考え方をしていません * 2つ目は、特定のプラクティスを選んで、それを組織全体に導入してみること。たとえば予算。一つの予算を全体で作っているのではなく、それぞれが作るようにしてみる。もしくは評価の仕組み、アドバイスプロセス、とか。 * そのアプローチを取る場合、まずはボランティアを募って、どうすれば自分たちにとって良いやり方が出来るかを考えてもらう * 場合によっては大きなチームになるかもしれない。それはそれで構わないし、多くの人がかかわるほど、多くの人が準備できる * 注意してほしいのは、最初から完璧になるわけではない、ということ。まずはやってみて、改善点があったら変えてみる。継続して改善していくものだと思って取り組んでほしい * 3つ目は、ビュートゾルフのデブロックが2つの競合からアプローチされて、無料で競合に対してアドバイスを始めた。彼は既存の組織を変えるよりも、新しいチームをゼロから作ったらいいのではないかと思った。 * そのときに、看護師には今の組織に疲れたら新しい方に移っていいと伝えた。 * 古い組織はそのままに残して、風船の空気が抜けるようにしぼんでいって、新しい組織が膨らんでいった * これは素晴らしい動き方だと思う * もちろん、これができる組織もあるし、不可能な組織もあると思う。 * ただ、既存の組織でも、特定の領域ではできるかもしれない。たとえば製薬会社では、R&Dの部門だけ、新しいラボを作って、新しいテーマはそちらで始めてみる、とか。 * 4つ目は、組織全体に実験を促してみて、それぞれで実験がどう進むかを見守ってみる。 * 大きな組織では、一度に全てをやることはできない。 * もっと強力なのは、方向性だけを示して、色んな人に実験することを促す。例えばセルフマネジメントでこういうことをやりたい、と伝えてみる。そうすると、スペインでいきなり始まったり、製造部門の特定のチームで始まったり、予想もしないところで変化が起きるかもしれない * そのときに、しばらくは進み方にばらつきが出ることは許容する必要がある。 * これの良い点は、それぞれ好きなやり方を始めていくので、他よりもうまくいくところも出てくる。そこのチームを皆が見に来るようになって、真似し始める。 * それが成熟しきったら、それをぜひみんなでやろう、ということもできるかもしれない。 * 大きな組織では多くの場合は選択肢がなくて、大きなことは始めづらく、小さなことから始めてもいい。 * いきなり評価の仕組みを全部変えることは難しいが、官僚的ではない新しいやり方を試したい、ということを伝えて、誰でも試してみる自由を渡す。そして、何が起きるかを見てみる。 * そして、ある時点で学んだことを集めて、そのうえで自分たちにフィットするやり方を見つけ出してみればいい * これが4つのやり方。この組み合わせもあるかもしれない。 * 予算だけをやってみるとか、R&D部門だけで新しい組織を作ってみるとか、好きに実験をしてみてもらう、とか。もしかしたら誰かが「こんなことのパイロットをやってもいいか?」という話をしに来るかもしれない。 * このうえで、じゃあ、あなた自身はどこから始めたいか?ということを考えてみてほしい。 ■お願い 動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。 この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。 https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

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【2.5】とりあえず試してみよう(Safe enough to try)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。 ------------------------------------------ ■元のURL http://thejourney.reinventingorganizations.com/25.html ■翻訳メモ * 新しい組織についてリサーチする前には聞いたことのなかった2つのフレーズ、モットーがある。今は何度も聞くようになった。 * それは「今はこれで十分」(good enough for now)と「とりあえず試してみよう」(safe enough to try)。 * 古典的なマネジメントでは、「変化しなければならない」とトップリーダーは言うかもしれないが、どういう思想に基づいているかというと、「始めるからには完璧でなければならない」。 * なぜなら、一度始めると、ずっとそのまま継続していくから。だから始めるなら完璧にしなければならない。だから何度もミーティングも重ね、トップマネジメントが決める必要がある。 * この恐れや完璧主義に基づいた世界と違い、新しい世界では、さきほどの2つのフレーズが出てくる。 * 同じことはこのジャーニー全体にも言えること。ジャーニーが完璧に計画はできない、ということは既に違うビデオでもお伝えした。 * 大事なのは、試すこと、プロトタイプを作ること、改善すること。思考停止になって、「正解」を探そうとすることは止めて下さい。 * リーンでは、「初めから完璧にやる」(first time right)というのがある。それはここで言っていることと逆に見えるかもしれない。 * 沢山のものを作ろうとするならば、それは良いかもしれない。ただ、ここでは反対のこと、イノベーションを目指しているので、first time rightではハードルが高くなってしまう。だからさきほどのフレーズが重要になる * この改善のプロセスに人を巻き込まないといけない。 * 「Xはこうやってやる」と言ってしまうのではなく、たとえ1000人の大きな組織でも、全員を招待して30人が参加してくれれば、同僚を信頼して任せることもできるし、新しいことを試そうと思える。 * 例えば、評価のシステムを変えようとする場合。今は基準をはっきり決めて評価しているとする。 * 伝統的な考え方では、HRが新しいやり方を考える。コンサルタントを雇ったり、他社のケースを調べたり、すごく時間をかける。マネジメントチームでも何度も話し合って、とにかく完璧にやれるものを作ろうとする。 * もし、なにか少しでも変えてみて、少しでも良くなったとしたら?もしくは最悪のケースとして、なにか悪くなってしまったとしたら。それでも「とりあえず試してみよう」(safe enough to try)と思えないか。 * たとえ新しい評価のプロセスが一回失敗したとしても、きっと倒産することはない * 過剰に作り込むのではなく、20-30人の自発的に取り組んでくれる人を招待して、そこに集まった人の集合知から出来たものは、きっと今のものよりはずっと良い * そこで、「とりあえず始めるには十分か?」(is it good enough for now)と考えてみて欲しい * 完璧ではないけど、前あったものよりはずっといい。そこで人を招待してやってみればいい * しかも、無理やり新しいものをやらせるのではなく、前のものか、新しいものか、どちらを選ぶかもそれぞれに任せればいい。 * もう一歩進めて、ビュートゾルフのようにやってみてもいい。全てのチームは年に1回フィードバックの会話をしなければいけないが、どうやってやるかはそれぞれに任されている。 * 他のチームに「どんなフレームワークを使っているのか?」を聞いて、よければ取り入れてもいい。そうやって、良いものは勝手に広がっていく。 * おそらく、色んな人が色んなやり方をやっているのは、「今はこれで十分」(good enough for now)と「とりあえず試してみよう」(safe enough to try)が実践されている。 * これは非常に根源的なシフトで、多くのアンラーニングや学び直しが必要なこと。不安からくる完璧主義ではなく、とりあえずやってみよう、試してみよう、それでも今までより良くなるだろう、と思えるか。 * 私の個人の人生でも、不安からくる完璧主義よりも、とりあえず試してみるというシフトをしたことで、非常に多くの変化があった。 * このビデオシリーズ自体がそういう思想で作っている。スクリプトを作ったり言葉を厳密にしたりできるが、少なくとも、「とりあえず十分」だと思っている。 * あなたにとってもそうだと嬉しいし、もし「完璧」なバージョンを作るんだとしたら、おそらくやっていないと思う。 ■お願い 動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。 この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。 https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html