【2.5】とりあえず試してみよう(Safe enough to try)

※ティール組織の著者Frederic Laloux によるINSIGHTS FOR THE JOURNEYの日本語訳の個人的なメモを公開しています。
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■元のURL
http://thejourney.reinventingorganizations.com/25.html

■翻訳メモ
* 新しい組織についてリサーチする前には聞いたことのなかった2つのフレーズ、モットーがある。今は何度も聞くようになった。

* それは「今はこれで十分」(good enough for now)と「とりあえず試してみよう」(safe enough to try)。

* 古典的なマネジメントでは、「変化しなければならない」とトップリーダーは言うかもしれないが、どういう思想に基づいているかというと、「始めるからには完璧でなければならない」。

* なぜなら、一度始めると、ずっとそのまま継続していくから。だから始めるなら完璧にしなければならない。だから何度もミーティングも重ね、トップマネジメントが決める必要がある。

* この恐れや完璧主義に基づいた世界と違い、新しい世界では、さきほどの2つのフレーズが出てくる。

* 同じことはこのジャーニー全体にも言えること。ジャーニーが完璧に計画はできない、ということは既に違うビデオでもお伝えした。

* 大事なのは、試すこと、プロトタイプを作ること、改善すること。思考停止になって、「正解」を探そうとすることは止めて下さい。

* リーンでは、「初めから完璧にやる」(first time right)というのがある。それはここで言っていることと逆に見えるかもしれない。

* 沢山のものを作ろうとするならば、それは良いかもしれない。ただ、ここでは反対のこと、イノベーションを目指しているので、first time rightではハードルが高くなってしまう。だからさきほどのフレーズが重要になる

* この改善のプロセスに人を巻き込まないといけない。

* 「Xはこうやってやる」と言ってしまうのではなく、たとえ1000人の大きな組織でも、全員を招待して30人が参加してくれれば、同僚を信頼して任せることもできるし、新しいことを試そうと思える。

* 例えば、評価のシステムを変えようとする場合。今は基準をはっきり決めて評価しているとする。

* 伝統的な考え方では、HRが新しいやり方を考える。コンサルタントを雇ったり、他社のケースを調べたり、すごく時間をかける。マネジメントチームでも何度も話し合って、とにかく完璧にやれるものを作ろうとする。

* もし、なにか少しでも変えてみて、少しでも良くなったとしたら?もしくは最悪のケースとして、なにか悪くなってしまったとしたら。それでも「とりあえず試してみよう」(safe enough to try)と思えないか。

* たとえ新しい評価のプロセスが一回失敗したとしても、きっと倒産することはない

* 過剰に作り込むのではなく、20-30人の自発的に取り組んでくれる人を招待して、そこに集まった人の集合知から出来たものは、きっと今のものよりはずっと良い

* そこで、「とりあえず始めるには十分か?」(is it good enough for now)と考えてみて欲しい

* 完璧ではないけど、前あったものよりはずっといい。そこで人を招待してやってみればいい

* しかも、無理やり新しいものをやらせるのではなく、前のものか、新しいものか、どちらを選ぶかもそれぞれに任せればいい。

* もう一歩進めて、ビュートゾルフのようにやってみてもいい。全てのチームは年に1回フィードバックの会話をしなければいけないが、どうやってやるかはそれぞれに任されている。

* 他のチームに「どんなフレームワークを使っているのか?」を聞いて、よければ取り入れてもいい。そうやって、良いものは勝手に広がっていく。

* おそらく、色んな人が色んなやり方をやっているのは、「今はこれで十分」(good enough for now)と「とりあえず試してみよう」(safe enough to try)が実践されている。

* これは非常に根源的なシフトで、多くのアンラーニングや学び直しが必要なこと。不安からくる完璧主義ではなく、とりあえずやってみよう、試してみよう、それでも今までより良くなるだろう、と思えるか。

* 私の個人の人生でも、不安からくる完璧主義よりも、とりあえず試してみるというシフトをしたことで、非常に多くの変化があった。

* このビデオシリーズ自体がそういう思想で作っている。スクリプトを作ったり言葉を厳密にしたりできるが、少なくとも、「とりあえず十分」だと思っている。

* あなたにとってもそうだと嬉しいし、もし「完璧」なバージョンを作るんだとしたら、おそらくやっていないと思う。

■お願い
動画の最後にもあるとおり、この取り組みはすべてギフトエコノミーによって成り立っています。
この取り組みを支援されたい方は、以下のリンクからLalouxへのご支援をお願い致します。
https://thejourney.reinventingorganizations.com/in-the-gift.html

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