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「知識は主観的な解釈として顔の見える関係を通じて流通する」という仮説を実証するための個人的な実験です。詳細はこちらの記事を御覧ください→ https://note.com/enf…
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#河合隼雄

ユング心理学と東洋思想 (河合隼雄全対話) (第三文明社)

最近また読む機会が増えてきた河合隼雄の著作。この一冊は、若松英輔さんの講座で「生と死の接点」を読む機会があり、そこで紹介されて出会った。 特に秀逸だったのが、河合隼雄、井筒俊彦、ヒルマン(著名なユンギアン)の3者の鼎談。 ヒルマンは、西洋文化の中からユングを読み解いてきた人であり、彼の来日に合わせて行われたこの鼎談では、ユングを東洋と西洋からどのように読み解くか?という話をしている。 冒頭、ヒルマンが「京都で色々な庭を見た中で感じた全体としての視点」の話をするところから始

心理療法序説 (岩波現代文庫)

2年くらい前に河合隼雄の著作を読みまくった時期があったけど、まず1冊選ぶならばこれ。 ノリと勢いで付けた自然(じねん)経営という言葉だったけど、この本の中で心理療法における「自然(じねん)モデル」が提唱されていて、それが自然経営で言い表したいこととあまりに近くてシンクロニシティを感じた。(ちなみに、この心理療法のモデルが必ずしもこの本の主題ではなく、より包括的に「心理療法とは」を語っている一冊ではある) 4つの心理療法のモデルについて以下の4つがあり、上部のほうが「治す」