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概念図は外国人に伝わりにくい。

新卒からずっと英語で仕事をしています。
英語の資料や報告書作りで図を多用した方がいい、と日本人に言われることがありますし、日本人も複雑なポンチ絵や概念図を作りがちだと思っています。日本人同士ならそれで全然問題ないのですが、日本語を母国語としない人たちに読ませるときには、「彼らの母国語が横書きしかない」ということ、「日本語はスペースを取らない言語」ということを肝に銘じないといけないです。 

新聞や漫画のように一つの紙面に縦書きと横書きが併存している国は自分が働いた国の中ではなかったです。日本人は縦方向と横方向に書かれた情報を新聞を流し読みするなどの習慣から直感的にできるようになっています。他の言語が母国語で日本語が流暢な人でも、この動きにかなり苦戦するらしく、日本語検定1級持ちでも、漫画を1冊読むのに1時間以上かかる、という人も聞きました。

概念図の中で、縦方向と横方向にフローが進むようなものは、横書きの母国語の人にとって非常に読みにくい、ぱっと見て入ってこないものと言われてきました。理解を助けるために挿絵を入れるのはいいですが、概念図にすることで余計に混乱を招くケースの方が多い印象があります。「わかりにくいから箇条書きに直してくれ」と言われたこともあります。 

今まで働いてきて、目安としてMicrosoftのPowerPointのSmart Art以上のものは逆効果かなという印象です。日本人は慣れているが故その見にくさに気が付かないので、可能な限りシンプルにしているようにします。 

また、日本語のような表意文字は一般的に表音文字の言語よりスペースを取らないため、一つの画面に詰め込める情報量が多いので、多少複雑でも概念図が有効な場面が多いですが、一単語・一語が長いと略しすぎると見にくいし、同じ情報を詰め込むと相対的にフォントが小さくなります。母国語が英語でない人に読ませる場合は、略語は尚更視覚的に理解しにくいようです。 

そのため、もう一つ気を付けることとして英語のPPTを作る時は日本語で下書きしないで最初から英語で作るようにしています。

このあたりの感覚がなかなか伝わらないケースが多かったので、備忘録代わりに書いてみました。 

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