見出し画像

文章の作り方全般についての雑感

以下、英語や日本語の添削をしていて感じること。当たり前のことかもしれないけれど、言葉にしないと伝わらないことが多いのでここにメモ

①文の構造を整える。

 日本語であれば「主語と述語」、英語では「主語と動詞」を対応させる。これは英語の方が距離が近いので簡単。日本語では最初と最後になってしまうのでかなり間違いが多くなる。対策としては「文を短くする」「気をつける」しかないかな。

②1つの文には1つのアイディアを

 これも当たり前のようで、母語では難しい。「野球選手では大谷選手が好きだ」と「彼が二刀流なのはすごいと思う」をそれぞれ別の文で書かず、「野球選手では大谷選手が好きで、二刀流なのはすごい。」といった文章になると主語と述語の関係は「私は好きだ」と「大谷選手はすごい」の2つが混ざっていて読みづらい。特に抽象的な内容になると顕著。例えば「言語習得では認知的な負荷を適度にかけるべきだ」と「認知的な負荷が低いことは自動化を進める助けとなる」といった関連のない2文をつなげようとすると、「言語習得では認知的な負荷を適度にかけるべきで、負荷が低いと自動化を進める助けとなる」といった文が出てくることがある。もちろん、それを上手く処理し、「言語習得では認知的な負荷を適度にかけるべきだが、負荷が低いことによって自動化が進む助けとなることもある」といった文を書くこともできるが、話題が「負荷をかけるべき」から「負荷が低い利点」にずれてしまうため、やはり意味の流れが取りにくい。

③文の内容を編み込む

 これが奥義といえるかもしれない。「文脈」という言葉は英語では「context」編み込むという意味だ。文章は、編み物のように縦糸と横糸が密接に関連しながら編み込まれるから美しい。文の一部を切り取った時、その内容が他の部分とどのように関わるかが見える文章が美しく感じる。これを英語ライティングではcohesion(結束性)として指導するが、日本語でも重要だと思う。例えば以下の文を考える。

 投票を強制にすることで、日本には利点が生まれる。国連の調査によると投票が強制となっている国はそうでない国に比べて若者の政治意識が高いことが明らかになっている。日本でも投票を強制することで、若者が政治に興味を持ち、若者の意見がより反映された社会が実現する。そうして現在日本が苦しむ経済状況も改善していくのだ。

という文章。明らかにまずい部分は「経済状況」だ。文章の流れとして「投票の強制」「日本にとっての利点」「若者と政治意識」という内容が散りばめられている。しかし、「経済状況」という話題は最後になって初めて出てきた内容だ。この違和感を指摘するための方法が「結束性」で、「経済」という単語を上に差し込んでおくことで解決する。以下の通り、

投票を強制にすることで、日本には利点が生まれる。国連の調査によると投票が強制となっている国はそうでない国に比べて若者の政治意識が高いことが明らかになっている。「また、経済状況の改善は若者の政治意識と関連があるようだ。」日本でも投票を強制することで、若者が政治に興味を持ち、若者の意見がより反映された社会が実現する。そうして現在日本が苦しむ経済状況も改善していくのだ。

とすることで文章の全ての箇所に結束性が生まれ、論理的な文章となる。

以上は自分が作文をするとき、添削する時に心がけている要素。せっかくノートをしているのだから共有しておきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?