三重の青山高原でシーテックが有する風力発電所の一つ「ウインドパーク笠取」では、稼働して間もない頃に一部の周辺住民から騒音の苦情があった。その苦情に対し、シーテックが二重窓やエアコンの設置、電気代を負担をすることで住民側は納得し、問題は解決済。しかし、今日どこかで新たな風力発電事業計画が持ち上がるたびに、当時の話を蒸し返して反対する声が必ず上がる。
例えば、経産省「風力部会」にある「(仮称)秋田県能代市・三種町・男鹿市沖における洋上風力発電事業 環境影響評価方法書についての意見の概要と事業者の見解」にも「貴社の運営しているウィンドパ ーク笠取(三重県)の2,000kW機から1.3~1.5km の伊賀市で2010年に、住民の睡眠障害、頭痛、目眩、しんどさ、つらさなどの健康被害を起こしており、その実態は、当時の新聞記者、TV局のディレクターなど、伊賀市の職員、県の担当職員により明らかにされ、記録も残されております」という意見が掲載されている。
その意見にはシーテックは「ウインドパーク笠取は、三重県の県条例に基づいて環境影響評価を実施したうえで、事業を進め、2010 年頃に運転開始しました。運転開始の間もない時期に騒音に対する問い合わせがあったのは事実ですが、 調査を行い、環境基準を超過していないことを住民に説明し、最終的にはご理解をいただいています」と回答しているが、残されている記録なら「伊賀市大山田財産区管理会」の過去の議事録もある。ネット上で公開されているので、誰でも確認出来る。
まずは「平成23年度 第4回2011年12月21日」の抜粋:
次に「平成24年度 第1回2012年2月22日」の抜粋:
以上のように、少なくとも地元の管理団体も問題の経緯を把握している。そして、今日までシーテックやAWFの風力発電施設との共生で得た、過疎地の山林の維持管理等の経験や知識も持ち合わせている。共有すべきは、ありえない不安や恐怖ではなく、再エネのメリットを最大に活かし、気候危機や生態系危機を生き抜く知恵。地味に見えるかもしれないが、その土台となる仕組みに多くの人が気づくかどうか。事業者とのコミュニケーションは、いつまでも疑似科学にすがる反対派からは学べない。
参考:
(仮称)秋田県能代市・三種町・男鹿市沖における洋上風力発電事業
環境影響評価方法書についての意見の概要と事業者の見解
https://www.meti.go.jp/shingikai/safety_security/kankyo_shinsa/furyoku/pdf/2022_014_02_01_03.pdf
伊賀市大山田財産区管理会 会議録(概要)
平成23年度 第4回2011年12月21日
https://www.city.iga.lg.jp/cmsfiles/contents/0000002/2153/gijiroku_1.pdf
伊賀市大山田財産区管理会 会議録(概要)
平成24年度 第1回2012年2月22日
https://www.city.iga.lg.jp/cmsfiles/contents/0000002/2509/gijiroku_1.pdf
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