「リモートワークで成果を上げる」組織運営のヒント
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「リモートワークで成果を上げる」組織運営のヒント

コロナ禍の影響を受けて全世界が新たな働き方にシフトして約1年半。どの組織も多かれ少なかれリモートワークには取り組んでこられているとは思いますが、そのためのツールは取り入れても、「以前の組織運営とは程遠い」、「仕事ぷりが見えなくなって不安がある」など、気持ちよく仕事を進められている組織ばかりではないことをよく耳にします。

そんな中、弊社株式会社エナジャイズは、COVID前からリモートワークでも仕事の品質を落とさないように取り組んできたことから、友人の経営者の方々から「どうやってるの?」と質問やご相談をいただくことが多くなりました。

これを受けて先日、弊社にて「【リモートワークで成果を上げ続ける】〜コロナ禍前からリモートワークを確立してきたエナジャイズが考える『自由な働き方でも成果をあげるメソッド』を一挙公開【成功し続けるリモートワーク】を徹底的に考えます。」と題して、ウェビナーを実施したところ、とても好評だったため、そのエッセンスをこちらでもご紹介します。

1. コロナ禍前からリモートワーク。なぜ?

まずは、なぜ我々エナジャイズがリモートワークに取り組んできたのか?その背景を動画でご紹介したいと思います。

我々がどうしてリモートワーク「でも」高い品質の仕事をする必要があったのか概要をご理解いただけましたでしょうか?

2. 試行錯誤して歩んだ3つのステップ

動画でご覧いただいたように、リモートワークでも働くことが当たり前となっていた弊社では、コロナ禍となった際もいち早く完全リモートでのワークスタイルにシフトし、全ての業務が今も円滑に進んでいる訳ですが、もちろん、このスタイルを確立するにはたくさんの試行錯誤がありました。こちらではその試行錯誤の流れを整理し3つの段階からご紹介したいと思います。

(1)ツールの導入

多くの企業がリモートワークシフトにより一番最初に(あるいは唯一)手を付けるのがテクノロジーの助けを得るためのツールの導入です。弊社でも日本で全く知られていない頃からZoomを導入し活用していました。

これにより、タイのタクシーの中からスマホでも、エストニアのホテルからPCでも(時差はありますが・・・)、全社会議や打ち合わせ、採用選考などにはハンデなく参加でき、様々なプロジェクトが同時進行する弊社においてとても柔軟性が増し、進歩した実感はありました。また、Zoom環境の中でも、よりお互いがコミュニケーションを取りやすくする設定や運用、そして準備の仕方等の小さなノウハウはたくさん蓄積されました。

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しかし、当然のことながら、仕事は複数名の打ち合わせや会議だけではないため、特に経営者である自分を含む、業務リーダーたちにとって、打ち合わせ時以外の顔を合わせていない時間は、メンバー間でどのように進めているのか、個々のメンバーが品質高く仕事ができているのか、見えないことによるフラストレーションは依然存在していました。特に我々は「残業は悪」(=時間外手当をもらいながらダラダラと仕事するのではなく、限られた時間内でいかに生産性高く仕事の成果をあげられるように成長することが大事)という考えを掲げているので、その観点からお互いにフィードバックできる情報が少ないことは大きなボトルネックになっていました。

一言で言えば「打ち合わせ以外の時間も見える化する必要性」を感じたのです。

(2) 場の整備

打ち合わせ以外の時間も見える化する必要性、すなわち打ち合わせ以外の業務の進捗やうまくいっていること、起きている問題、あるいは抱いた考えがお互いに伝わりやすくするだけでなく、「見えにくい」からこそ見えやすくするようにメンバーの行動を発展させることが重要であると考えました。そこで取り組んだのが「場」と「習慣」を作ることです。

個々人、及び各種プロジェクトチームが取り組んでいる業務進捗が共有され、リモートでもお互いが何を考え、どう取り組んでいるかがわかるように複数の異なる「場」と、定期的な「頻度」を様々な形で設定しました。

今も続いているこれらの取り組みの一部を以下の表でご紹介します。

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これらは一気に設定したものではなく、少しずつ、一つずつアイディアが生まれては設定し、もっと〜があったらと考えては取り組み始めるということを続けて改善や発展を目指してきたのです。

これにより、少なくとも、打ち合わせ時にお互いが見える、話せる、という段階から、お互いが何を考え何に取り組み、どう業務遂行しているのかが遥かに見える段階へ進むことができ、とりわけ経営者兼リーダーの一人である私にはとても安心したり新たな発想を得やすくなる環境となった訳です。

これでも大きな進歩であり、成果を感じたのですが、ここでも新たな改善点が浮かんできました。これだけ設定された多様な意味のある「場」なのですが、なかなかその場の活用がメンバー全体に徹底されなかったのです。よく考えれば当たり前なのですが、各自が持っている目標や責任に加え、これだけ多くの「やらなければいけないこと」が増えることで“やらされ感”と“負担感”が蔓延していたことが原因でした。

(3) 働き方の定義

なかなか徹底されない、ある種「ルール」のようなワークスタイルを、やめることは後退になってしまう。でも、このまま強制的に続けても良い効果は望めそうにない。負担を押し付けたいのではなく、お互いがよりスムーズに気持ちよく働けるようになるための施策なことは間違いないのに・・・。そこで気づいたのは「なぜ」なのか、そうすることでどう「よくなるか」がちゃんと伝わっていないのではないか、という点でした。

そこで取り組んだのが、元々あった行動指針を整理し直し、言語化して明らかにすることでした。これにより、リモートワークかどうかに関わらず、どう行動することが求められるのか、それは何故なのかを、全メンバーの行動の基盤として持てるようにしたのです。

こちらでは弊社の行動指針・価値観として定められているうちのコアとなるいくつかをご紹介します。

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行動指針のコアとなり、評価項目としても設定されている、全てのメンバーが果たすべき責任の定義です。

成果責任(Seika):もちろん成果を上げることが大事で、プロセスはそのためにあるという捉え方です。特に弊社で強調されるのは、成果に向けてまず目の前でやることに取り組む、ではなく、成果が出た状態から逆算してそこへ至るステップを仮説設計した上で取り組む、というもの。

成長責任(Seicho):自分の成長は会社が与えてくれるもの、ではなく、自らを成長させていくのはメンバー一人ひとりが自分で果たすべき責任であり、業務の一貫である、というもの。一人では成り立たないチームでの仕事をいかにより高い品質で取り組むかを考え続けます。

説明責任(Setsumei):よく政治家が果たす責任として捉えられる意味とは異なり、思っていること・考えていることは「相手にとってわかりやすく」言葉や文字にして発信する責任。「伝わらない」「伝わっていない」のは聞き手・受け手ではなく発信側の責任として捉えます。「わかってくれない」「感じてとってくれるはず」は特に文化の異なる世界中の人々と協働する機会の多い私たちにとって成り立たない、と捉えている点が特徴的です。

これらを当たり前の行動指針・価値観のコアとして定義することで、物理的距離があろうが、コミュニケーションのやり方が変わろうが、伝えられる場・巻き込める場などを最大限活用して、自分の仕事の責任を完遂することを個々人が考え、実行する重要性を皆で共通認識として持てたのです。

上記をコアとしながら、それ以外にも以下のような指針があります。

Proactive: 反対の言葉はReactive。端的な意味は、自分への期待を認識した上で、期待を超えて自ら先んじて動いて欲しいということです。お互いに密なコミュニケーションをとりながらも、指示を待つのではなく、失敗を恐れず自分基点でどんどん動いていく事が大切です。また、自分の思いついたアイディアや企画、取り組みを、周囲の力を借りながら形にして行く機会は無数に眠っていると信じています。

Reflection(振り返り): 1日、1週間、1ヶ月、1つのアクション、1つのミーティング全てにおいて必ず「目的は達成されたか」、「うまく行ったこと」「うまくいかなかったこと」、それらの「原因・要員」、そしてよりよくするためにどうするか、を一人でも、協働したメンバー間でも必ず行います。

Feedback: ポジションや職位に関係なく、お互いに感じたことや意見を事あるごとに投げ掛けます。一人で思いつくアイディアや改善策は必ずしも全てではなく、何も知らないメンバーでもハッとするような思いつきをシェアすることが新たな発想に繋がることは多々あります。

こちらに全ては記すことができませんでしたが、これらの「働き方」(働く上での価値観・行動指針)を明文化し、評価とも連動させ、日々のコメントやメッセージでも繰り返し触れることで、結果としてリモートワークでも良い仕事ができるように設定した数々の働く場も、その意味が理解され、メンバー全てが自発的に取り組んでくれるようになり、やっと機能してきたのです。

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3. 成果につながるリモートワーク推進のヒント(まとめ)

もちろん円滑に成果につながるワークスタイルとしてリモートワークを確立することは簡単ではありません。弊社でかかった苦労や、エネルギー、確立するまでの時間を、他の組織でも同じように必要としないように、少しでも助けとなるように、ここに改めて取り組みのヒントをまとめて共有させていただきます。

取り組むべき段階は3つあり、すなわち第2項でもお伝えした我々の試行錯誤していった順番の逆です。

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(1) 働き方を定義する

まずは、リモートワーク前から各組織で(暗黙の了解も含めて)指針や大事にされている働き方、指針を改めて見つめ直し、その意味をちゃんと文字や言葉にして表現しましょう。その際、リモートワークで起こりうる懸念や、もっと〜こうなってほしい、という想いやニーズがある場合は、その行動自体をメンバーに指示する前に、その背景にある「良い仕事」の意味や定義こそ文字や言葉にして、元々ある指針に加えて発信してみてください。

キーワードを挙げると「ゴール設定・共有」「責任範囲・持ち方」「理想(期待)の行動」などです。

(2) 場と習慣を作る

言語化された働き方(行動指針・価値観)を踏まえて、リモートワークだからこそ、複数の種類を、それぞれの機能する頻度で、定義した働き方の実践に取り組める(アウトプットする)場を設定されてはいかがでしょうか?

その際のポイントは「複数の種類・頻度・形態」、「『見える』仕組みにする」(行動がわかる)、いきなりうまくはいかないのでお互いに「フィードバック」を繰り返しながら「継続する」(自然と習慣化するまで根気よく)です。

(3) ツールを整備する

最後に、その働き方や場・習慣を実現するために必要、あるいは合っていると思われるツールを選択してみてください。既に皆さんご理解の通りですが仕事自体を取り組みやすくするために以下のようなツールは世の中に多数存在しています。

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いかがでしたでしょうか?上記を是非少しでも御社にてお役立ていただけたらとても嬉しく思います。もし、実行するための時間やマンパワーが不足して手をつけられない、ということがございましたら、先日のウェビナーをきっかけにハンズオンでお手伝いするリモートワーク推進のコンサルティング、リモートワークでも意思疎通を図るコミュニケーションスキルトレーニングも提供し始めましたので、お気軽に弊社ウェブサイトよりお問い合わせください。

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株式会社エナジャイズ代表取締役。グローバル化で、世界がより小さく、より近くなるからこそ起こりうるクロスボーダーでの障壁や問題を、主に人事、教育、事業開発面から解決すべく世界中を飛び回っています。 https://www.energize.co.jp/