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野又穣 Continuum 想像の語彙

東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「野又穣 Continuum 想像の語彙」展を見てきた。2023/7/6-2023/9/24開催。元々東京オペラシティアートギャラリーでも野又穣作品を何点も収蔵してきたが、個展開催は初めて。
元々、オペラシティコンサートホールの演奏会に行ったら、入口にポスターが掲示してあり、野又穣という名前はそこで初めて知ったのだが、1995年から2005年にかけて、雑誌「文學界」の表紙を描いていて、その印象が強い。なんとなく、吉田修一の単行本の装丁にあった記憶があるのだが見つけられない…。今回、ギャラリーのショップで伊坂幸太郎『モダンタイムス』(上下・講談社文庫)を扱っていて、あ、これもか、と気づく。
キャンバスにアクリル絵具で描いている作品が多いのだが、ざらっと引っかかる感じの表面で、モチーフはすごく独自なのだが、ある面、有元利夫とか、落田洋子とか、ワイエスとかに通じるところがあるように思えた。初期作品で1点だけ小さく人間が描き込まれた作品があったが、それ以外の作品では人間は不在。動物もいないが、大きな水槽に水をはったような様子が描かれた作品では、その中を無数の魚が泳いでいる。植物は、どの建物の下にも生えていて、植物園的なモチーフでは建物の中に繁茂していたりする。
建物の中の螺旋階段や梯子も印象的。蛍光色が暗いところで浮かび上がる作品や、エッシャーのだまし絵みたいな構造物も、不穏な空気を醸し出している。
建物のモックアップみたいな立体作品も面白かったし、作者の構想メモみたいのが展示してあって、創作のヒントを窺い知れたのも嬉しかった。




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