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Minerva Growth Partners×enechain対談イベント~将来的なグローバル資本市場へのデビューを見据えたコーポレート組織の方向性~

enechainは2022年1月26日のプレスリリースの通り、DCM VenturesとMinerva Growth Partnersの2社より、シリーズAラウンドで16億円の資金調達を行いました。

本増資を受けて、2月15日 (火) にオンラインイベント第3弾として、Minerva Growth Partners より創業パートナー/長澤 啓氏・村島健介氏をお迎えして、「将来的なグローバル資本市場へのデビューを見据えたコーポレート組織の方向性」というテーマで対談を行いました。

【登壇者】 

・ゲストスピーカー: Minerva Growth Partnersより / 創業パートナー 長澤 啓氏
・ゲストスピーカー: Minerva Growth Partnersより / 創業パートナー 村島 健介氏
・スピーカー: 株式会社enechain / 代表取締役 野澤 遼
・モデレーター: 株式会社enechain / マネジャー 鈴木 美葉子

【パネルディスカッション】

投資家目線で見たenechainの印象

鈴木: enechainの印象について、投資家の目線で教えて下さい。
どういった点を評価されて、投資のご決断をされたのでしょうか?


MGP長澤: 我々からするとステージが早いと周囲の方も仰っていました。今回の投資を発表してからも色んな方々にすぐにDMを頂いて「Minervaってこのステージもやるんですか?」と結構聞かれました。

本当にこれはスペシャルケースというか、原則は我々もプレIPOに近いところを中心に投資するんですが、野澤さんにお会いしてあまりにも事業戦略も経営陣も非常にしっくりくる、我々からすると素晴らしいなと思い、次の投資ラウンドやIPO以降も視野に入れて投資させて頂きました。

何が素晴らしいか。

まず、前提として、基本的に我々が注目しているのは日本ってすごくマクロな視点でいうとDXがものすごく遅れていて、最近でこそSaaS (Software as a Service) の会社や色んなインターネットサービスの会社が伸びてくるところもあるんだけども、やっぱりSaaSのペネトレーションとか欧米に比べるとものすごく低いし、DXが遅れていてE-commerceの浸透率もまだまだ低いし、すごくオポチュニティーがあるっていうのがまず全体にある中で、特に色々な業界の中でDXが遅れているところかつ、カタリストがあってなにか変わろうとしているところは短期的にものすごく伸びる可能性があると思っています。

そういう日本の環境下で、野澤さんからお話があった「電力自由化を経て、逆ザヤが起きてしまっているところにヘッジが必要になってきている。一方でそこのインフラとなるマーケットプレイスを提供するプレイヤーがいない。enechainはゲームチェンジャーのど真ん中のプレイヤーである」という状況を受けて強い関心を持ちました。やはり、ペインが深く、TAM (Total addressable market、マーケット規模のこと) がものすごく大きいということが成長余地を計る上で、大きなポイントになりました。

また、野澤さんを始めとしたチームの皆さんの皆さんとお話をして「いけるだろう」と確信を我々も持ったので、お聞きする前はフェーズはちょっと早いんだろうなと思ってはいたものの、お聞きしてから「どうしてもこれは入れさせてください、また次にラウンドがあるときにさらに大きなサイズでやらせてくださいというところも見据えてぜひ入らせてください」というお話をさせていただきました。

MGP村島: Minervaとしての投資判断のポイントは、まずは ①経営者・マネジメントの資質です。それから ②その会社に5年10年投資する価値があるのか、その時間軸で我々の期待リターンを継続的にミートできるスケールポテンシャルがあるか。この2点に尽きます。

その中で、野澤さんがお話されたような構造的なペイン、アンロックされる課題が明確になっていて、圧倒的にものすごく大きいウォレットがあることが分かりました。

一方で業界がレガシーで巨大であるが故の課題もあった。

規制に対しては、スタートアップという若い会社ながらも、国のバックアップを受けたロビーイングもしっかりとやっている。

あとは業界のサプライヤーとの関係です。マーケットプレイスを作るということはクラシックな鶏と卵問題、サプライを抑えるかデマンドを抑えるかというところもあるものの、「でもそこはサプライだよね」という判断とサプライの巨大な提供者である旧一般電気事業者、こことのリレーションをしっかり作れていることはかなり難易度の高いこと。ここをスタートアップができているのはすごいこと。

最後はこのあたりが決め手になった。

個人的にモルガンの西海岸オフィスでスマートグリッドのIPO案件含めてクリーンテック、グリーンテックとかいろいろテックxエネルギーは今まで見てきていたが、ポイントソリューションで終わっていた印象がある。電力とエネルギーそのものの価値に対してアドレスする存在のエナジーテックはなかったという意味で、今回のenechainはものすごく新しいと感じ、中長期的なコールオプションを買う位置付けで投資させていただいた。

鈴木: どうもありがとうございます。先日村島さんとお話しした際にビジネスの構造を再定義する、エネルギー事業の構造を再定義するということが印象でした。

今回の増資について、MGP内でどのような議論があったか。

鈴木: 次の質問に進みます。長澤さん、村島さんにお伺いしますが、今回の増資について、MGP内でどのような議論があったか。
今回の弊社の増資について可能な範囲でもちろん構わないので、いろいろな議論があったと思いますが、議論の中身について教えてください。

MGP村島: そうですね、先ほどの一言でいうと巨大なものに向かっていくということが本当に一社のスタートアップでできるんだろうかという大きなポイントに対して、ここまでのトラクションとして非常に面白いしパイオニアとしての地位を築かれているというのはすごいよね、一方でここから本当にどれくらいいけるんだろうね、あたりが論点になりました。

端的に、さっきの鶏と卵問題をいかにクリアして高い頂に向かって走り切れるのか、というところです。

これらを確認するための我々のDDの一環として、お客さんや電力会社、業界のエキスパートと、enechainさんの知らないところでの裏ヒアリングを含めて会話を重ねながら立体的にあぶり出しをさせて頂いた結果「これはいける」と確信がもてたので、であれば今チェックを切るべきだと判断しました。

鈴木: ありがとうございます。長澤さん何か追加でありますか?

MGP長澤: その通りだと思います。そういう風に思ったのは、enechainのやろうとしていることはある意味ではマーケットのディスラプターとして既存の商流を壊していこうということなので、ある意味疎ましく思われてもおかしくないことも場合によってはある思いました。故に、我々もいろいろなお取引先と話をさせて頂いた際に、電力会社の方も含めて、野澤さんのやろうとしていることにきわめてサポーティブに考えていらしゃって、日本の為に、エネルギー業界の為にやらなきゃいけないことだと皆さんサポーターになっていてらっしゃるということは非常にポジティブな驚き、そこも踏まえてこれはいけるよねと我々も自信をもてた。

持ち上げすぎでしょうか。喋っていて恥ずかしくなりました (笑)

野澤: DDを受ける中で、僕たちもユーザーのインタビューというのをして頂いたのは良かったと思っています。電力会社のエグゼクティブクラスにもリアルにインタビューをやって頂いた中で、僕の中でもものすごく気づきはあったし、改めてそのように見て頂いて、これはいい面も、もちろん悪い面も含めて炙り出していただきすごく勉強になりました。

僕らは結局はユーザー、お客さまの方しか見ていないので、そういう意味でいうとユーザーのペインポイントを違う角度で炙り出して頂いたという意味で、DDはすごくありがたかったなと思っています。

MGP村島: いろいろお付き合い頂いて助かりました。

野澤: ちゃんと見てもらった上で判断いただくべきかと思うので、情報はもちろん全部出しましたよ(笑)

MGPにどのような点を期待しているか

鈴木: 野澤さんにお伺いします。MGPさんから非常に大きな期待を頂いていることが分かって、改めて気合を入れなおしているところです(笑) が、逆に野澤さんからMGPさんに期待されていることがあれば教えてください。

野澤: 大きく2つあります。

1点目は先程仰った、今回は特例だということなんですけどこれ以降のラウンド及びIPO以降、僕らからするとこれからのエクイティファイナンスを大きく支えて頂ける点です。これは大きいです。VCってみんなそうだという話もあるかもしれませんが、MGPの場合は2つ差別化要素があって、香港のPleiad Investment と一緒にやられているのでグローバル投資家の視点があることと、もう一つがそれ故にIPO以降もクロスオーバーでもって頂けるということが競争力なのかなとは感じました。むしろ上場してからが勝負だと思うので、ちゃんと株価も下支えして頂いて長くお付き合いさせて頂きたいと思っています。

2つ目が、僕がお二人のファイナンスバックグラウンドにほれ込んだところはあります。

enechainはエナジー系、コンサル系、テック系の人は多いのですが、ファイナンスバックグラウンドの人が皆無です。CFOもいないので、もちろんこれから経験豊富なCFOに仲間になって貰うつもりですが、村島さんはモルスタのバンキングで上まで行かれていますし、長澤さんもGSのバンカーでのご経験を踏まえてメルカリのCFOとしてもグローバルオファリングからIPOをご経験されています。そういった経験を還元いただけるのは大きいです。

僕らもグローバル投資家向けにオファリングしていきたいと思っているので、そういう視点でもアドバイス頂けると思っています。あと、採用についても裏でめちゃくちゃサポートいただいています。自分たちがファイナンスバックグラウンドじゃないが故にですが、増資前に期待していた以上にサポートがあるので、そこは非常に感謝しているところ。

鈴木: サポートありがとうございます!

MGP村島: 頑張ります(笑)

MGP長澤: 頑張ります(笑)

スタートアップの目線で、グローバルオファリングまで考える場合に、どのような組織設計を考えるべきか


鈴木: 長澤さんにお伺いします。今ファイナンスのバックグラウンドというお話がでたんですが、先程の自己紹介でもありましたが長澤さんはCFOとしてメルカリのグローバルオファリングをリードされたということですね。

私 (鈴木) メルカリのヘビーユーザーなんです。主にサプライサイドで、昨日もカップを売らせて頂きました(笑) スタートアップの目線でグローバルオファリングを考えていくと、どのような組織を作っていく必要があるか、アドバイスを頂きたいです。

MGP長澤: 経験したことを踏まえて思っていることがいくつかあるんですけど、私がメルカリ入ったときは92番目の社員、コーポレート総務部門で20名ちょっとくらいだった。

200人くらいまでは緩やかに人が増えて、途中からどーんと増えた感じ。僕は5年半くらいいたんですけど、退職時には2,000人近くいた。

最初の方でよかったことを何点か挙げます。

まず、組織構造をなるべくフラットにしていたこと。そうすると責任感も生まれるしモチベーションも上がる。ある程度、それぞれが自分の領域を設けるがビチッと決めすぎずに多少のかぶりがありえるような感じにしておくことで業務の広がりがでてくるし、スタートアップではやることを決めるよりやらないことを決めるという議論の方が多少多い。組織の成長と共に自分の職域が変わっていく、というある程度のフレキシビリティを担保できた方がすごくスピード感が上がると思っています。

また、横でも情報の公開度合いを重要視してスラックも基本的にはオープンチャネルでやるということもそうですが、情報公開して皆が同じものを見られる見ているという状態してスピード感を上げて、皆が同じものを共有して経営判断をなるべく早く伝えていくということはスタートアップではものすごい短い時間軸でどんどん方針転換とかもしていくので、それは凄く良かったとおもいます。

ちなみに評価もセットでやることが重要。そういったフレキシブルな形で事業を回していくときの目標設定というのは、僕がもともと金融業界からきて金融のバンカーの仕事は年に一回しか成績評価がなくてそこで評価するが、スタートアップはすごく変わっていくので、四半期ごとにOKRを立てて、その振り返りして評価をデリバーして最初めちゃくちゃ手間がかかった。毎月のように評価面談している感じですごくコストがかかって、どうなんだろうって思って小泉さんに「四半期ごとにやらないといけないっすかね?」って聞いたんですけど、その時小泉さんにいわれたのが「やることがどんどん変わるし、180度違うことも舵を切らないとといけないこともあるから大事だよ」とすごく言われました。これはとても勉強になりました。

後は、グローバルオファリングはゴールや最終地点が大きいところにあって、そういうところで考えると日々の組織設計とか採用はある程度積み上げで考える部分と、ゴール地点をみてから逆算で考えないといけないところと両方あって、特に不可逆なものはゴール地点を見据えてから設計するのが重要だと思います。

最初は凄くコストがかかるんですけれども、これで積み上げて行っちゃうと、最後に頂までめざしていくときに抜本的に変えられるエリアがあったりするとコストが大きくなってしまうので。例えば、メルカリなどは早いタイミングからグローバル採用であったり、海外非居住者向けのストックオプションの設計などもプランニングしてあって、それぞれにスタートアップがやるにはコスト負担が結構大変なんですけどそれをやったことによって最短距離でグローバル化が進みました。

鈴木: 野澤さん、これを受けていかがですか?enechainの目指している方向性にも似ている話かと思うのですけれども。

野澤: そうですね、今のお話を伺うと「学ぶことしかないな」という感じです(笑)

どこをゴールにするのかというのはすごく重要だなという気がしますね。グローバルオファリングというのは手段だと思うんですけど、やっぱりどの辺が目指したいゴールであって、そこから逆算的に組織設計をすることはすごく大事だと思っています。

僕達スタートアップって、50人とかだと全員がとにかくパンパンになりながらフルスタックでやっているじゃないですか。余裕がなくなると、どうしても今の延長線上に未来を見ちゃうんですよね。もう人が全然足りないから2人とか3人とか採用しないとだめだなみたいな感じになっちゃうんです。

でもちょっと待てよと。これ、3年後にどれくらいの感じの姿を目指してましたっけ?と、ふと我に返ると、例えばそれが300人だったりすると、月に2人とか3人だといや全然足りてないよ、となってしまうんです。そこのゴールセッティングみたいな話は、質問のグローバルオファリングとかになればなるほど、すごく大きい未来を描いている筈なので、そのゴールから逆算しないと駄目だと思っています。僕達はenechainはとても高い山に登りたいと思っていますので、それをどこくらいにするのかっていうのはすごい大事だなと思いました。

MGP長澤: 採用する時に、こういうことをやって欲しいからあなたを採用したいですという話も重要ですが、すごく優秀だなと思う人を口説く中で、その人自身がenechainっていう船に乗ってもらったら、どういうことができるのかその人自身に語ってもらった方がそれがすごくメイクセンスするというか、ワクワクすると思います。決められたことをやってもらうっていうマインドセットでスタートアップに来ても多分つまらないし、そういう人よりは自分でイニシアティブ取ってこういうのを作っていきたい人を採ったほうがお互いにとって良いと思います。

グローバル機関投資家の視点で、スタートアップを評価するポイントとは

鈴木: 村島さんにお伺いします。モルガンスタンレーの、Global Internet Banking / Global Software Banking Groupの日本統括責任者をご経験されています。グローバル機関投資家の視点で、スタートアップを評価するポイントはございますか?

MGP村島: まず、我々は、香港の上場株投資家のPleiad Investmentの共同創業者2名と私と長澤の4人でジェネラルパートナーをやっているファンドで、Pleiadと一体で未上場から上場まで一気通貫でクロスオーバー投資ができることを特徴にしています。

また、私はバンカー時代にいわゆる機関投資家相手にエクイティストーリーを売り込むことをサポートさせて頂いていました。思うように伝わらず非常に悔しい思いをしたり、逆にエキサイティングな経験をしたり。長澤ともまさにそういった経験を一緒にした仲でして、今では逆の投資家サイドにきていて感慨深いんですけど(笑)

で、機関投資家の視点で考えるとやっぱり、とはいえ日本は特殊なマーケットに見える点は多々ありますので、そのマーケットでどれくらいスケールできる会社なのかという、本質的な問いにしっかり答えられるかが重要ですね。

あとは海外展開とか海外進出に関して、特にテック業界ではなかなか良いトラックレコードが少ない中で、日本の中だけでいかに拡大余地があって、TAMの市場機会の広がりの余地があるか、明確な戦略をもってその中でしっかりエグゼキューションできるマネジメントなのかは重視します。極論、今やっている事業がだめでもピポットしてでも何かやってくれそうだな、とか。先ほど申し上げた通り、5年10年という時間軸でインベスタブルかどうかを評価しにいくというのが大局的な見方なのかなとおもいます。

一方で、日本の特殊性についても少し言及します。

例えば日本はDXとかEC化が遅れているというところについては、裏を返せばまだまだブルーオーシャンがあって浸透余地があるという風にアップサイドに語り替えてエクイティストーリーとして話せるかが重要で、あとは日本の特殊な規制とかユニークな商慣習はグローバル大手が入ってこられないエントリーバリアになっているというあたりも、エクイティストーリーにおけるポジティブな点として評価することはあります。

そこは語り方次第のところもあるので、マネジメントの資質をはかる意味でも、ピッチのプレゼンをしっかり聞く中で見ています。

最後に、一方でアメリカとかですとSaaSで売上1,000億を超えても100%以上で成長し続けているバケモノみたいなスケールのプレイヤーがいる一方で、日本では、ゼロ一桁二桁少ないみたいな話しはやはりあります。スケールポテンシャルに対しては、いかに定量面と定性面で「ここまでいける会社なんだ」という点をしっかり話してくれるかが大事です。ここもプレゼンの見せ方というのもありますが、結局最後は数字なので、そこをどう語ってくれるかも評価の上で大切なポイントだと思っています。

オファリングや、エクイティストーリーについて

鈴木: どうもありがとうございます。すごく学びの多いなという感じなのですけれども、次は野澤さんにお伺いします。

まずは事業にフォーカスと言うことかと思いますが、今後はIPOも視野にいれられているかと思います。オファリングや、エクイティストーリーについて、現時点でのお考えをお聞かせ頂けないでしょうか?

また、そのためにどういうチームが必要でしょうか?

野澤: オファリングやエクイティストーリーでいうと、オファリングはやっぱり先程長澤さんからお話頂いたように、上場とかそういう短期的な話ではなくて、もっと先にどれだけ大きいマーケットプレイスを作れるか、からの逆算で考えたいです。

高い山を見据えてやっていきたいと思っているので、IPOまでの期間でいうと焦りたくないです。市場に出る前に、できるだけマーケットプレイスの流動性を大きくしておいて、その上でIPOに臨みたいなと思っています。

あと、「こぢんまり」したくないです。本当に大きいところまで行きたいので、そういう意味ではオファリングとかもグローバルにやっていきたいなって思いを持っています。オファリングもそれなりのサイズに持って行きたいので、メルカリさんとかがやってきたようなグローバルオファリングを前提に考えていきたいなと思っています。

それに向けてのエクイティストーリーはこれからですが、今のうちのストーリーっていうと結構シンプルで、ポイントは大きく3つあります。

まず1つ目はTAMが大きいということです。大きいTAMに対してマーケットプレイスという、さっきMGPさんが仰ったエネルギーの価値そのものを取り扱うド直球な事業で勝負していると思っていますので。

2点目が、ユーザーペインがはっきり見えていて、実際うちはトラクションが出ているということ。実績で定量的に語れるので、それはアピールポイントの二点目だと思います。

3点目が、グローバルオファリングとなると海外事例はどうなんだ?という話が出てくるのですが、そういう観点でいうと僕らの先輩にあたるアメリカのICEとか、そういうバケモノみたいにでかい先行事例があるっていうのは「僕らと同じことやって成功した」ということをわかりやすくお伝えできるかなと思っています。

纏めると「でかいTAMに直球で頑張っています」「ユーザーペインが深く、絵餅じゃなくてこんな実績があります」「そして海外では強い先行事例があります」この3つがポイントです。

これらは、長澤さんや村島さんとお話しながら、もちろんCFOも採用しますので、これから一緒になって作りこんでいくところかなと思っています。

チームに関しては、超粗い言い方なのですが、やっぱり「こぢんまり」していない方がいいですね。大きい未来に一緒に向かっていけるかが重要だと思っています。大きな未来にベットして、コミットしてくれる人がいいなと思っています。

enechainの今後のチャレンジ

鈴木: 最後に長澤さん・村島さん、野澤さん、にお伺いします。今後、enechainがグロースしていく上で、どのようなところにチャレンジがありそうでしょうか?

MGP村島: 先程も申し上げましたが、ここまでのトラクションは素晴らしいと思うので、ここからのスケールのところですかね。やっぱり、プラットフォームを作るということで、サプライ、デマンドの両サイドをどう健全に抑えて確実にスケールするか、それを支える組織を健全にスケールできるかというところに繋がってくるかと思います。

そこはやっぱりマネジメントとしてのリーダーシップが重要で、しっかりエグゼキューションしてくれると、期待しています。我々も「エグゼキューションできる」と思って投資しておりますので。あとは、ポスト電力の世界という意味では、電力の中でも先物の世界とか、エネルギー全般で脱炭素を含めて非常にオポチュニティーがあると思っていますので、そういうところまで、どの時間軸で進化していくのか、チャレンジと同時に期待しております。

MGP長澤: チャレンジはいっぱいあるでしょうし、チャレンジがめちゃくちゃあったほうがいいと思っています。失敗することも多いと思うんですけど、手数が減るとスタートアップって死んでいくような気がするので、色んな事にチャレンジして欲しいです。一勝九敗でいいとは言わないですけど(笑)

マーケットが大きくなることは自明だと思うので、マーケットが花開いていくスピードは業界関係者の相手あってのお話もあると思うんですけど、色んな協業を仕込んで欲しいと思っています。

野澤: 今お二人にアドバイス頂いた内容そのものかと思いますが、自分がチャレンジだと思っているのは、1点目は、「今やるべき、正しいことを高速でやっていくこと」です。

幸い、我々はやりたいことや、やらなければならないことがめちゃくちゃある状態です。

「このレバーをひけば、マーケットは確実に大きくなるな」と思うことが幾つもあって、それって素晴らしいことだと思う一方で、そのレバーを全部引くことってたぶん出来ないので、やらないことや優先順位をしっかり決めていきたいです。その順番をミスると良くないと思っています。スタートアップってスピード感がものすごく重要なので、やるべきことに思いきり投資して行くつもりです。

2つ目のチャレンジはそのための組織創りです。今大体50人ちょっとの組織で、missionやvalueに共感して集まってきてくれたenechainのメンバーが中心なんですけど、今の僕たちの「らしさ」、もちろんいいところも悪いところもあると思うんですが、そこをちゃんと見つめれば、よりよい100人、200人、300人という相似形で拡大していくと思います。つまり、カルチャーや僕ららしさをちゃんと見つめなおして正しい組織にしていくことがすごく大事なのかなと思っています。

言葉でいうと要は組織創りなんですけれども、ちゃんとカルチャーを見つめなおして、新たに創っていくというよりそれをアップデートしていく、そこにリソースを投入することはチャレンジになると思います。これは必ずやっていきます。

鈴木: ありがとうございます。私自身もenechainのmissionとvalueにものすごく惚れ込んで入社したところですので、ぜひホームページ等で皆さんにもご確認頂けたらと思います。

【Q&Aセッション】

鈴木: 参加者の皆様から幾つか質問を頂いていますので、ご回答をお願いできればと思います。

Q1. 今回のシリーズAでの投資はかなりレアケースということで、事業とか市場規模とかTAMの大きさとかトラクションというところのハード面でのenechainの強みをお話頂いたと思いますが、ソフト面での強みを感じられたポイントがあれば教えていただきたいです。

MGP長澤: 今の50人規模で、これだけのチームアップをされたというところとかでも結構すごいなと思っていて、外に対して多くコミュニケーションを取られていたわけではないのにここまでのチームをビルドされたというのはかなりすごいなと思います。

あとは、エンジェルに入っていらっしゃる株主さんは、皆、我々のスタートアップの仲間の方々で (メルカリの青柳さん、ラクスルの永見さんなど)、サポーターを集める野澤さんの剛腕は本当にすごいなと、そこらへんもアジリティーのあるスタートアップだなという感じがしました。

鈴木: ありがとうございます。野澤さん、剛腕を使われたんですか?(笑)

野澤: いや、全然剛腕じゃないんですけど(笑)でも、人を勝手に巻き込むのは得意な方かもしれません。

仲間になってもらう人はすごく厳選して、拘っています。BCGを辞めて会社を創業する時から、長い道のりなので妥協したらよくないなと思っていて、背中を預けられる人にだけ声を掛けるようにしています。それは投資家という意味でもそうですし、採用で仲間になってもらう人は当然そうです。そこにはすごく拘っていますね。

あと、この人と一緒にやりたいと思ったら、迷わずめちゃめちゃ口説くみたいなのは結構やっています。でも、失敗して振られるケースももちろんたくさんあるので、そこはなんとも言えないんですけども。。。

MGP村島: 電力業界の重鎮の方々からサポートを得たり、リレーションを作れてるのって一体どうやったのかなというあたり、そういう評価の声を我々も集められています。そこは野澤さんや、マネジメントの方々の組織としての魅力、あとはおそらくパッションを持って難しいことをやろうとしているところに引力が働いたのかなと思います。

MGP長澤: 御社にジョインされた方々は、商社含めて大企業から来られた方が多いですし、そういう意味ではモデレーターの美代子さんも三菱商事からきているという中で、こういうところに来るっていうモチベーションって世界を変えたいっていう野澤さんのビジョンに対して共感っていうところは大きいと思います。

みんな、熱量がすごく高いなっていう気がしますね。もちろん商社もいい会社なんですけど、誤解なきように言っておくと(笑)

安定っていうよりは、よりチャレンジを求める高いモチベーションで来たひとの熱量が高いところだな、私の前職の会社の初期の頃に似ている感じがします。全然違うビジネスなんですけれど、熱量がすごく高いなと思います。

野澤: めちゃくちゃ嬉しいです。みんな熱量は結構あると思います、正直。だからこそコンフリクトとかもあると思っています。熱量のある同士なので、ぶつかりあうこともあるし、それってむしろいいですよね、って感じで推進はしています。

最近、コンクリ、コンクリとかいってconstructive criticism (建設的批判) があれば言うようにしましょうよとかキャンペーン的に言ったりしています。

そういう意味では結構チャレンジされたりとかすることも多いので、「おっ!来たな」 ってなったりするんですけれど、自分はそれは凄くハッピーに思っています。

これから今の50人が創業ド初期メンバーが、100人、200人、300人と増えていくとこのカルチャーが薄れるリスクも全然あると思うので、そうならないように、あるいは新しいカルチャーにアップデートしていくことが重要なのかなと思っています。とか言って、経験したことがないので、全然わからないですけどね(笑)

鈴木: 私もまだ入社してしばらくですけど、みなさん暑苦しく意見交換しながらやっているなと思います。相手をリスペクトしながら、意見を戦わせているというシーンをよく見かけるので、すごく居心地がいいなと感じております。

さて、お時間となってしまいましたが、Q&Aでいくつか採用のスケジュールに関するご質問を頂きましたので、採用活動に関するお知らせを野澤さんからして頂ければと思います。

野澤: これから仲間を募って組織を大きくしていきたいなと思っています。

今回の増資のタイミングで、公開情報もおそらく10倍以上の情報量になっていますし、採用のポジションもオープンにしております。ご興味のある方はぜひぜひホームページをみて頂いて、カジュアルな面談からで結構ですので、ご応募頂ければ嬉しいです!

対談イベントは以上です。いかがでしたでしょうか?

まだアーリーフェーズのenechainのグロースには新しい仲間の存在が不可欠です!

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