ゴールデンバタフライポートフォリオのメリット・デメリット
インデックス投資で運用益を上げたいけれど、資金が減ってしまうリスクは極力避けたい。
リスクが低くて運用益がしっかりあるそんなポートフォリオはないの?
そのような方へ、ゴールデンバタフライポートフォリオをおすすめします。
本記事では、ゴールデンバタフライポートフォリオの特徴・メリット・デメリット・アレンジ例などを紹介します。
読めば、自身のポートフォリオ作成のヒントになるかもしれません。
結論としては、ゴールデンバタフライは
米国全体株式 20%
米国小型バリュー株 20%
米長期国債 20%
米短期国債 20%
ゴールド 20%
で組むポートフォリオで、以下のメリットがあります。
・中期利回りが安定して強い
・マイナスの期間が最長3年と少ない
・4%ルールと相性抜群
以下、各種データ・図・表などについてはPortfolio Chartsより引用しています。
・Portfolio Charts ゴールデンバタフライポートフォリオのデータ
・(比較用)Portfolio Charts 株式100%ポートフォリオのデータ
・(比較用)Portfolio Charts クラシック60-40ポートフォリオのデータ
Portfolio Chartsでは以下の条件を計算の前提としています。
・税引き前の運用益で計算。
・ドル建てでの運用益で計算。為替リスク考慮しない。
・米国の平均インフレを考慮し、インフレ率を差し引く。
ポートフォリオの特徴・組み方
ポートフォリオの組み方
米国全体株式 VTI 20%
米国小型バリュー株 VBR 20%
米長期国債 VGLT 20%
米短期国債 VGSH 20%
ゴールド GLDM 20%
ポートフォリオの特徴
攻撃力 ★★★☆☆
守備力 ★★★★★
運用難易度 ★★☆☆☆
・Portfolio Chartsによると、過去50年間の平均利回り6.3%、リスク7.8%
・株式100%と比較すると守備的なポートフォリオとなっている。リスクを極力とりたくないけど運用はしっかりしたい人向け。
・株式40%、債券40%、コモディティ(ゴールド)20%とバランスが取れているのが特徴。
ゴールデンバタフライポートフォリオのメリット
中期利回りが安定して強い
Portfolio Chartsによると、過去50年のバックテストで安定して5~6%の運用益を挙げられています。
図中の縦軸は投資を始めた年、横軸は運用年数、青塗は収益がプラスの年、赤塗は収益がマイナスの年です。
この図を見ると基本いつ始めても、マイナス運用の年は1年以下になっています。(例外として1973年に始めた場合のみ3年間のマイナス実績)
株式100%のポートフォリオと比較すると、この差が顕著になります。
株式100%のポートフォリオを組んだ場合、10年以上赤字の場面が何回もあります。
仮に投資をはじめて、10年以上赤字が出続けても取り崩せず運用できるでしょうか?
もし、安定した運用益を上げたい場合、ゴールデンバタフライはポートフォリオの候補になりうるでしょう。
4%ルールと相性抜群
Portfolio Chartsによると、ゴールデンバタフライポートフォリオで組むと、税引き前5%(税引き後4%)で取り崩す4%ルールで取り崩した場合、過去50年間どの年に取り崩し始めても資産は枯渇しませんでした。
それどころか資産80%以上をキープし続けました。
一方、株式100%ポートフォリオだと税引き前5%で取り崩すと、過去50年で3回、取り崩し切ってしまう年がありました。(6%の確率で取り崩しが失敗してしまいます。)
比較的守備的といわれている、株式60%-債券40%ポートフォリオでも、過去50年で4回取り崩しに失敗してしまう年がありました。
他のポートフォリオと比較して、ゴールデンバタフライポートフォリオは、インデックス投資の取り崩しルールである4%ルールと相性がいいと考えられます。
ゴールデンバタフライポートフォリオのデメリット
長期の利回りは株式100%に軍配が上がる
ゴールデンバタフライの平均利回りは6.3%(リスク7.8% )。
株式100%ポートフォリオの利回り8.4%(リスク16.9%)と比較して、長期リターンの期待値は見劣りします。
20年以上の長期で見て、中期のリスクを許容できる場合、トータルのリターンは株式100%に軍配が上がる可能性が高いと考えられます。
5つに分散投資するため運用が大変
ゴールデンバタフライポートフォリオは、5つの商品に分散して投資する。
そのため、管理やリバランスなどの運用面で大変なことが多いのが欠点です。
管理やリバランスのルール作りが必要になるでしょう。
為替リスクが存在する
このポートフォリオはアメリカで考案されたポートフォリオのため、為替リスクが考えられていません。
日本で運用する場合、ゴールデンバタフライポートフォリオは100%米国ドルでの運用となるため、為替の影響を受けてしまいます。
安定して強いポートフォリオですが、円高になってしまうと運用がマイナスになる可能性がある点には注意が必要です。
ポートフォリオのアレンジアイデア
為替リスクを対策したアレンジ例①
米国全体株式 20%
米国小型バリュー株 20%
米長期国債 20%
(米短期国債)⇒日本円 20%
ゴールド 20%
為替リスクを考慮して、利回りの低い米国短期国債を日本円で持っておこうというポートフォリオです。
現金を20%確保し、下落時のクッションとしての役割と、円高になった時のクッションの役割を期待します。
為替リスクを対策したアレンジ例②
米国全体株式 20%
(米国小型バリュー株)⇒J-REIT 20%
米長期国債 20%
(米短期国債)⇒日本円 20%
ゴールド 20%
さらに資産クラスの分散を考慮したアレンジを考えると、小型バリュー株をJ-REITに置き換えるのも面白そうです。
米ドル資産60%、日本円資産40%とバランスよく配置できます。
さらに、株式、債券、不動産(リート)、ゴールド、現金に20%ずつ均等に資産を置くことができます。
ゴールデンバタフライポートフォリオのまとめ
本記事では、ゴールデンバタフライポートフォリオの特徴・メリット・デメリット・アレンジ例などを紹介してきました。
主に中期での安定した利益を狙ったポートフォリオで、
米国全体株式 VTI 20%
米国小型バリュー株 VBR 20%
米長期国債 VGLT 20%
米短期国債 VGSH 20%
ゴールド GLDM 20%
で構成されます。
ゴールデンバタフライポートフォリオのメリットは、マイナスの年が2年以上続くことが少ないことです。
また、その特性上、インデックス投資の切り崩しルールである4%ルールとも相性抜群です。
一方、爆発力は株式100%のポートフォリオに劣り、20年以上の長期運用利回りは株式100%のポートフォリオに軍配が上がる可能性があります。
安定して運用利回りを上げたいけれど、損失を出すのは極力避けたいという方、ゴールデンバタフライポートフォリオを検討してみてはいかがでしょうか?
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