そして、幕は上がる

どうも山ぱんだくんです。証明写真を撮ったらクマがすごくてびっくりです。人相悪すぎでは?

さてさて、山ぱんだくんと月曜の理屈
第四十四回は「そして、幕は上がる」
しょーますとごーぅおぉん

第四十四回 そして、幕は上がる

現在、ある公演の本番期間真っただ中である。昨日、初日を迎えた舞台のために平日の夜中と土日の全てをつぶしてきた。研究と勉強と就活と、舞台。全てを並行しながら行うというのはなかなかヘビーなうえに、それでいて舞台の現場というのはなかなかに不条理なことや苦手な人が多くて、もう嫌なことしかない。

なんでこんな嫌なことやってるんだろう…もう二度とやらん…そんなことを思いながら迎えた前日、小屋入り。舞台面を作って、小道具の手伝いをして、楽屋まわり受付まわりのセッティングをして、ロビーの飾りつけとフライヤーの挟み込み作業。お金がない公演ではほぼ全部の準備を出演者で行う。そんな風に全てのエネルギーがこの舞台の完成へと向かい始めた時、とても懐かしい気持ちになった。

ああ、そういえば、この感じが好きなんだった。

今まで何年も、何回も舞台に上がってきた。その稽古期間は嫌なことしかなくて、辛いことばかりで、自分の時間なんてとれなくて、その度に「もう二度とやるものか」と思ってきた。
なのに私は今、ここにいる。

開演前、幕が上がる瞬間を生きを潜めて待ちながら嬉しいような、恐ろしいような気持ちになった。この幕が上がったら、眩しい光に照らされる。スピーカーが床を揺らして、さあ動き出せと私にささやく。そしてここで見る景色は、ここに至るまでの全てを覆してしまう。

ああ、幕が上がる。私はまたここにやって来るのだろう。

今週も最後まで読んでいただきありがとうございます。本日、千秋楽です。いやはやぁ~