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ほんとになんもしない人

どうもよなかくんです。どうでもいいけどソーシャルディスタンスって最初に言いだしたヤツとは仲良くなれそうにない。

さてさて、よなかくんと月曜の理屈
第百二回は「ほんとになんもしない人」
なんもしない。

第百二回 ほんとになんもしない人


保険証を持っていない。

この春、扶養から外れて入社したもののコロナ騒ぎでひとまずの自宅待機となってしまった。中途半端な宙ぶらりんを持て余して、足をぷらぷらとさせている。

***

散歩に行く。川に向かって歩き始めたが、何故か全くもって川に出る気配がない。入る道を間違えたのか、そもそも方角が違うのか。二十年以上住んでも迷子になれる街。そんなキャッチコピーが浮かんだけれど却下した。コピーは万人に通じなければいけない。
川という目標を失ったので正面に遠く見える神社まで歩くことにした。しばらく歩いて、ふと気づくとその神社が視界から消えていて左手にあった。…何が起きたのかよく分からないままだ。

一時間ほど歩き回ると見覚えのある場所に出た。隣駅だった(え、ええ…なんでぇ…)。呆然としてる僕の横をサンバイザーを防護マスクのように縦につけたおばさんが自転車で走り抜ける。なるほどね。そんな使い方があったか。

***

家に帰ると予定よりだいぶ遅れて会社から連絡が来ていた。「なんもしない」が最善の選択でも、それを選ぶ勇気がなかなか出ないんだな。メッセージの内容を読みながらそんなことを思う。…僕は結構、得意だけどね。

#日記 #エッセイ