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「エンドドンティックヘルスリテラシー」

Endodontic Health Literacy(EHL)

「エンドドンティックヘルスリテラシー(EHL)」とは、「歯内療法」に関する情報を「入手」「理解」「評価」「活用」する能力(チカラ)と定義したいと思います。

患者さんは受ける「歯内療法」の治療に関して、受診する歯科医院や歯科医師、治療法などさまざまな選択肢の中から、自分が納得する最適・最善なものを選択をする必要があります。そのためにも、エンドドンティックヘルスリテラシー(EHL)は現代社会において、自分の「歯の健康のため」に絶対に不可欠で、誰もが持つべきチカラです。

「入手」のチカラ

みなさんは自分の歯の健康や病気について調べたいとき、どこから情報を「入手」しますか?新聞や雑誌、テレビに加えインターネットで情報を得ることが多いと思います。

しかし、インターネットを用いた情報検索は非常に手軽におこなえますが、医学的に間違った情報や科学的根拠(EBM)が曖昧な情報も多くありますので注意が必要です。

「理解」・「評価」のチカラ

インターネットなどで「入手」した情報はその発信者によって目的や対象が異なるため、「検索ワード」を変えたり複数の情報を入手し、読んだりすることでより理解が深める必要があります。

よく読まれていたり、検索上位の情報が正しく、信頼できるとは限らないので入手した情報を冷静に「理解」・「評価」するチカラが非常に大切です。

「評価」のポイント

①発信元は誰か?
 情報の発信者が医療関係者なのか?患者さんやその家族なのか?公的機関なのか?利益相反のある企業なのか?などでその情報の信頼度が大きく変わってきます。

②他の情報と見比べたか?
 
歯科治療とくに「歯内療法」に関する一つの情報がすべての人に当てはまるとは限らないので、他の情報と見比べることでその情報が偏ったものであるかどうか評価する必要があります。

③情報の根拠は何か?
 
情報の根拠を示す引用文献や参考文献などがあればその情報の信頼度は高くなります。しかしながら、根拠を示す引用文献や参考文献そのものが誤っていることもあるので注意が必要です。

④何のための情報か?
 
医療関係者が患者さんのために発信している情報なのか?患者さんが自分の治療体験を共有するための情報なのか?商業目的な情報なのか?しっかりと見極めることが重要です。

⑤いつの情報なのか?
 医学の進歩は日進月歩です。かつて正しいとされていた情報が今では誤っていることもあるので注意が必要です。

歯の健康のために「活用する」

わたしたちは自分に都合のいい情報だけを見て安心してしまい、中には歯科医院に行く必要はないと考える人もみえます。正しい情報も歯の健康のために役に立てられなければ意味がありません。

必要な時は専門家に相談したり、歯科医院を受診したりすることが重要ですが、普段からかかりつけの歯科医院(歯科医師)に相談することが大切です。自分が正しいと思った情報も専門家の視点では誤ったものだったり、不十分なことがあります。

自分で調べて評価することも大切ですが、その分野に詳しい人と一緒に判断し、情報を真に活用することで、「エンドドンティックヘルスリテラシー(EHL)」の向上につなげていきましょう!






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