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【連載小説】霊か病気か 5話 店長の優しさと精神科受診

#連載小説 #一次創作 #霊 #病気 #精神科受診

 3日後、薬はちゃんと決められた通りに飲んでいた。でも、症状というのかな、一向に変わらない。薬も朝までなので、今日は総合病院の精神科にかかる予定。3日前に内科の医師に言われたことだ。

 また聞こえてきた。
 シンダホウガイインジャナイ
 ナンデイキテルノ

 頭がおかしくなりそうだ。仕事だって早退続きなので店長と話し合いをした。店長が言うには、
「やめろとは言わん。ただ、暫くの間、休養したらどうだ」
 というもの。ありがたい話だ。
「はい、わかりました。そうさせていただきます」
 と答えた。
「今日も顔色は悪いし、早退した方がいいんじゃないのか?」
 店長の優しい言葉に、泣きそうになった。
「そうします。失礼します」
 僕は帰る支度を始めた。レジで退勤の手続きをし、制服をロッカーにしまい、もう一度、
「お先に失礼します」
 と言い、店を後にした。
 これが昨日まで2日間の経緯。

 前もって母に病院まで乗せて行ってもらいたいという話しをしてあったので、約束通り朝9時頃に病院まで送ってもらった。帰りはタクシーだ。勿論、自腹。母は僕を送ってから、少し遅れて出勤するという。
「お金はなくなったら言いなさい」
 と母に言われている。病院代もばかにはならない。これから治るまで治療しないといけないだろうから。

 受付に行き、精神科にかかる旨の話を職員に話し、そこの待合室に向かった。だが、この病院の精神科にかかるのは初めてなので、迷った。
 でも、何とか辿りついた。結構、混んでいる。予約制だからそんなに待たないと思ったが、どうなのだろう。

 1時間くらい待って、ようやく呼ばれた。ここでも、精神科にかかるように言われたという話しをし、症状も話した。この症状は幻聴というらしい。処方してもらった薬も変わり、2錠を朝、昼、夕、と寝る前の薬を貰った。眠れない、という話しもしたからだろう。次は、1週間後に受診する予定。

 今日の事を両親に話した。すると、
「早く良くなるといいな。そしてバリバリ働け!」と父。
「私もあんたの病気理解できるように本買って勉強するわ」と母。
 どちらも嬉しい意見だ。頑張って治そう。

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