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副流煙の恋

タバコの煙 白くたなびく煙
まどわしまどわされ 今日も私はタバコを吸う


悲しい目をしたあの人が隣にいたのはいつだったろう
もう随分と前のようだ

額に皺をよせるあの人
いつも群れずにどこかへ消えてしまうあの人
7つ年上のあの人



ただの憧れだったのに、遠くで見るだけでよかったのに、背伸びをして手を伸ばしたら届いてしまった

それでもあの人が遠いことにはかわりなくて少しでも近づきたくて、ある夜こっそり吸殻をくわえた

切らしたときに分け合いたくて同じ銘柄を持ち歩き、むせないように気をつけながら余裕の振りして隣で吸った


手つきに慣れがでた頃、その男は去っていった

気まぐれに振り向いて煙でまどわし、いなくなった
隣にいたことなんてなかったのかもしれない


まどわされてばかりだった、昔の男の話

(創作です)

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