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自分で学べる人を育てるには #175

 今日も朝からミーティングでした。今日のテーマは「校内研究・研修」でした。個人的には、とても勉強になり、3学期にやっていこうと思ったことが増えました。


1.日本の教育現場の問題点「話した気になって、そのまま」

 日本の教育現場では、「話した気になっているだけ」が問題点の一つとして多いそうです。人は一回の会議をもっただけ、話しただけでは変わらないということです。確かに心当たりがありませんか?学年会でたくさん話して作った経営案の内容を「あれ、なんだっけ?」という人がいたり、校内研のあとの協議会で「今日はたくさんのご意見をいただきありがとうございました。今後の授業や学級経営に生かしていきたいです。」といい、その後少しの間だけ気を付けて、もしくはその後すぐに忘れてしまったりすること。つまり、イベント的に一回やるだけは意味がないとうことです。一夜漬けのテストでは残るものは少ないのと同じように研究授業を一回やっただけでは、教師は成長できないということです。

①継続すること

 とにかく、力を付けるには、取り組みを継続することと、継続的なフォローが必要だということです。これは教師も子どもも同じです。(入れ子!)若手教員を育ていく、職員室を学びのコミュニティにするには、継続的なフォローが必要です。これを実現するには、たくさんのハードルがありますが、3学期に挑戦したいことの一つなので、次号のblogに詳しく書こうと思います。これは子どもも同じなので、すべての学びを計画するときに、「継続的なフォロー」を意識して取り組みに加えていきます。

②話したあとに、自分で考えること

 たくさんの意見をもらったり、とても学びになりそうな話を聞いたりしただけでは、学びにつながりません。その後で、その会議に出席した自分やその日に体験したことをふり返り、どう思ったかをアウトプットして、これからどうしていくのかを自分の頭で考えることが大切です。目的は、「話すこと」ではなく、「今後どうしていくか」です。ですから、教師は、日常的にふり返りアウトプットする習慣をつける、日常的にblogを書く、ポートフォリオにすることがが成長には欠かせないわけです。(子どもも同じなので、子どもにも日常的なアウトプットをすることに、3学期は挑戦します。)

2.「質問の形」でとどける

①反省

 反省です。私は子どもに接するときは、自分で考えさせる、もしくは選ばせることを大切にしているのですが、研究協議のとき、教師に対しては、「はっきり言うことが研究の助けになる」と思い、ズバズバ言ってしまうことが多いのです。これの何がいけないかが少し分かりました。また、自分の意見や答えのようなものをすぐに言ってしまうのも同じです。(「すぐ言う―!」)

②自分で考えないと意味がない

 「はっきりズバッと言う」と届かないことが多い。受け取り側が受け取る準備ができていないことがあるわけです。「自分の成長のために研究をよりよくしたいからたくさん意見をほしい!」というフェーズまでいっていないということです。そんな状態のところに、ずばっと提案を届けても、受け取ってもらえないのも当たり前です。(いや、準備しとこうよ!というツッコミはおいといて)
 また、より大事なことが、「個人の成長」です。私が意見や提案をして、それをそのままやったところで、自分で考えていないので、ほとんど意味がないということです。だから、「質問の形」で届けることが大事なんですね。問題点に自分で気づいて、どうしたらいいかを自分で考えることに意味があるので、提案や意見は「質問の形」にすることが効果的であるそうです。「質問の形」にするのは、トレーニングが必要なので、3学期は、ことあるごとに、自分の意見や提案を「質問の形」にしてみようと思います。

3.責任の移行モデル 4段階

 じゃあどうしたら、「自分で学べる教師」を増やせるかということです。
 現場は忙しいから余裕がないのも事実ですが、余裕がなくても学んでいる人も多いです。もし余裕や余白ができても、「自分で学ぶ教師」が増えるかどうかは結構疑問です。できない理由は、探せばたくさんあります。どんな状況でも(限界はもちろんある)自分で学んでいけるようにするには、モチベーションを引き出すことから始まりそうです。モチベーションを減らさずに、自分で学べるようにしていくには、「責任の移行モデルの4段階」が参考になります。これは「子どもに学びを渡す」をテーマにしている私にとって、本当に「職員室と教室は入れ子だな!」と思わされます。

出典はこちら『「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる』
出典『「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる』


出典『「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる』
出典『「学びの責任」は誰にあるのか: 「責任の移行モデル」で授業が変わる』

 この4段階を参考にして、若手教員を育てるプロジェクトを考えてみると、初めはやる気がありそうな先生で少人数のグループを作り、目的ややることを確認し、まずは自分が率先して実践を見せ、モデルになります。その次の段階として、一緒に取り組み、対話を重ねる。次に、そのプロジェクトを一緒に運営してもらう。最終的には、自分自身でプロジェクトを立ち上げる。といった感じでしょうか。
 人は、いきなりそうでない状態から主体的にはなりません。一緒に始めて成功体験を積んでいくことでモチベーションを高めることができるのではないでしょうか。
 それに近いことを、3学期に挑戦したいと思います。

4.「大切な友だち」という方法

 二つのプロジェクトで、「大切な友だち」という方法を経験しました。この方法を体験したり、どうしてそうするのか聞いたりして、子どもに対するアドバイスや校内研究のときのアドバイスに気を付けることが凝縮されていると思います。紹介します。

① まずは、相手の話をよく聴きます。

(②~④のことができるように聴きます。)
 私の場合は、書いてあることを読みました。気軽に関わるのではなく、真剣に読むことが大事だと学びました。

② 聴いていて、わからなかったところや不確かな点を質問します。

 わからないことをそのままにして、③④⑤に進むのは失礼なので、わからないところはしっかりと聞くことが大事であると学びました。提案した人は、この②だけに事前に回答をしておきます。

③ よかった点は、できるだけたくさん指摘します。

 ④に入る前に、③でたくさんよい点を挙げておくことで、④が受け入れやすくなります。また、よかった点を強化することで、④の改善点を解決できることもある。お世辞ではなく、本当にいいと思ったことを指摘します。

④ まずい/改善が必要だと思ったところは、それを質問の形に変えて尋ねます。

 ④をたくさん出せないことが、日本の先生たちの課題であるそうです。無理やりにでも出すことが大事。上記のように、質問の形で出すことが大事です。ここで、「指摘」や「提案」をしてしまうと、うまく受け入れられないので、質問の形にすることが大切だということです。

⑤ 最後は、愛を込めたメッセージをおくります。

 ここでは、②③④を踏まえた上で愛のメッセージを送ります。提案者の気分を良くすることが目的ではなく、提案の内容をさらによくするために、再度強調しなおすことが目的です。日本の教師は、上辺の社交辞令を言うことが得意(皮肉…)なので、中身のないメッセージになってしまいがちですし、私もそうしていて、それを指摘されてハッとしました。真の意味での上辺だけの社交辞令は「愛のあるメッセージ」とは言えませんね。また、これは、通知表の所見で同じであると指摘され、さらにハッとしました。無難だと変わることはほとんど期待できません。

5.まとめ

 相手(提案者)のためを考えて、本当に意味のあるアドバイスを意味のある形ですること。継続してフォローすること。自分で考えることを促すこと。クリティカルに聞くこと。(ここでのクリティカルは批判的ではありません。「大切なものを選ぶ力」と「大切でないものを排除する力」のことです。ちゃんと考えないといけません。)
 これはすべて入れ子構造なので、子どもに対しても全く同じですね。

 以上、エンチャントでした。


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