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「勉強を教える」よりも「学び方を教える」

 「勉強を教える」とその勉強しかできないけれど、「学び方を教える」と教えたこと以外も自分で学んでいける。「目的地までの道を教える」よりも「地図の見方を教える」と。この視点をもっていると、授業中に「こういう場合は、どう考えたらいいと思う?」という発問が出てくる。

1.学び方を学ぶのが授業

 今日教える内容を教えることだけが授業じゃないと思っています。問題に直面したときに、「その問題に対してどう向き合うか」を教えることが授業だと思っています。だから、「めあて」を子どもと共にたてるし、考え方を考えるです。
めあてを子どもと立てること|エンチャント先生@小学校|note
 これをくり返すことで、人生の中で、壁にぶつかっても、どう乗り越えればいいかを自分で考えることができるようになると思います。

2.自分に厳しく丸付けを自分でできるように

 宿題やドリルの丸付け、教師がやっていますか?私は、子どもに任せる場面が多いです。子どもが丸付けした後に、目を通して、「正しく丸付けできているか」をチェックします。子どもは間違っているのに、〇をします。特に漢字はそうです。そこで、「ここは〇になっているけど、本当は違うよ。」と指摘します。これをくり返すことで、自分が解いた問題があっているかを客観的に見直す習慣がつきますし、自分で勉強していくときに必要な資質「自分に厳しく勉強する姿勢」が少しでも身に付くと考えています。

3.インプットとアウトプット

 何かを覚えるときには、インプット(覚えること)と、アウトプット(覚えているか確かめること)がセットで必要だと思います。頑張っているつもりが、漢字テストで全然点数がとれない人は、インプットだけをやっていることがあります。漢字テストにおけるインプットは「繰り返し、見て書く」です。「見ないで書く」をセットにしないと、ほとんど意味がないです。漢字練習のコツを学級通信でこのように伝えています。
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<漢字は指で覚えることと、思い出す練習が大切>
3年生は、新出漢字が200字です。中学年は新しく習う漢字が多いのです。たくさんの漢字を覚えていくので、ゆっくりと漢字を学習していく時間がなかなかとれません。なので、非効率な学習では、書いていけるようにはならないのです。ちなみに、小学校で習う漢字の数は、1年(80字)2年(160字)3年(200字)4年(202字)5年(193字)6年(191字)で、合計1026字です。
 子どもたちに、漢字練習で大切なことをいくつか話しています。一つ目は、「指で書いて覚える」(インプット)です。いきなり鉛筆を持って、漢字練習をすると「覚える」という作業と「上手に書く」という作業が同時に行われます。そうではなく、まず「覚える」という作業に集中する。そのために、教室では、指書きから始めています。この時に、指で書くという「触覚」、画数を声に出して聞くという「聴覚」、書き順を見るという「視覚」を同時に使って行います。このように、五感をフルに使った方が、記憶に残りやすいそうです。

 指で書けるようになったら、鉛筆を持って書きます。初めは、なぞる。次に写す。もちろん大事なのは、丁寧に書くことです。しかし、ずっと写していてはだめです。ある程度、記憶に残ったなぁと思ったころから、「思い出す」という作業(アウトプット)をしないといけません。記憶は、思い出す、忘れる、また思い出す、の連続で定着していきます。なので、しばらくしたら、「読み仮名を見て、自分でテストする。」という学習が大切だと言っています。この時に、大事なことを2つ言っています。一つ目は、10秒考えて、分からなかったら、答えを見て思い出すということです。10秒で思い出せないなら、覚えていないということです。これを1分、2分も考えていたら時間の無駄です。二つ目は、思い出せなかったものに印をつけて、それを練習する、ということです。もう覚えたものをいくら練習しても時間の無駄です。(しばらくしたら忘れることもあるので、その時は練習が必要です。)なので、覚えていないものを発見して、それを練習することが大事です。

 こうして学習すると、大抵、10問テストで90点か~100点は取れるはずです。取れますが、2週間もしてまたテストをすると忘れています。それでいいのです。テストは勉強するための通過点であり、チェックポイントです。

 10問テストは、第一チェックポイントです。50問テストは、学期の中間と学期末にあります。そのように覚えて忘れて思い出す、を繰り返して定着していきます。ですから、書けない漢字があったら、「この前やったのに、もう忘れたの?」と言わずに、「忘れていると気づいてよかったね。今が覚えるチャンス!」と言ってあげてください。
おすすめの勉強法
① インプット(なぞる・何度も書くなど)
→この練習ばかりをしていると、「覚えたつもり」になってしまいます。
② アウトプット(思い出す・問題をつくって、自分でテストをする)
① と②はセットです!片方だけだと、しっかり覚えることができません。
③ 書けなかった漢字にチェックをつける。
   自分で印をつけよう!
④ 書けなかった漢字をインプット
   書ける漢字を何度も書くのはあまり意味がありません。
⑤ 書けなかった漢字を中心にアウトプット
   ①~⑤をテストの直前まで繰り返す。
(忘れて思い出すのくり返し、書けない漢字を減らしていく。)
⑥ テスト本番に臨む!
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4.範囲を教えて対策する方法を教える

 特に、漢字の50問テストで、範囲を教えて、テストに向けて勉強していいく方法を教えてます。まずは、テストの日付と範囲を書いた紙を教室に掲示し、学級通信にも載せます。そのあと、練習方法をいくつか示します。

・漢字練習
 古き良き方法。見て何回も書く。
漢字活用練習
 見て何回も書く。その漢字を使った熟語を調べて書く。例文を書く。
漢字チェック練習
 読み仮名だけ見て書く。テストを自分で作って書く。
・漢字チェック練習ペア
 友達と一緒に問題を出し合い、書く。

 そして、どう対策していくかを子どもに問います。テストまであと〇日あるから、この日までに全部練習して、自分でテストをする。など考えさせ実行します。テストの後、結果から、自分の練習方法は正しかったかをふり返ります。
 「練習を始めるのがおそかった」「自分に合った練習方法だった」など。

5.自主学習ノート

 自分でテーマを決めて、学ぶ。
 宿題があることが当たり前になっている学年において、自主学習をさせていく場合、こんなふうに、発信しています。
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 今年度の 〇年生は、自主学習ノートを購入して、毎週金曜日は宿題を「自主学習ノートに自主学習をすること」にして、通常の漢字や計算の宿題は出しません。金曜日以外にも、自主学習をしていくのもOKです。

宿題とは違う自主学習の特徴を5つ挙げます。

  1. 一人ひとりが自分に合った学習内容を選べるため、学習に対して主体的になれる。

  2. 1 日の学習、1 週間の学習計画について「ふり返り」をしながら進めることで「学び方」を学ぶことができる。

  3. 1 冊のノートに努力が積み重ねられ、自己肯定感が高まる。

  4. 家庭で自分から学習する習慣を身に付けることができる。

  5. 学ぶことが楽しくなる。

 先生に言われたからやるのではなく、自主的に取り組むのが「自主学習」です。これからの先の予想できない社会に生きる子どもたちにとって、必要なのは、「クリエイティビティ(創造性)」「目的ややる気を自己管理すること」「共同社会でともに助け合って協働できること」などです。自主学習ノートで、おもしろいアイディアや工夫により学習メニューを考え、自分で学習の内容と質を自己管理し、クラスの友達と自主学習ノートを通じた豊かな交流を重ねていきたいと考えています。

自主学習の2つのルール

  1. 言われる前に自分から学びます。自分から取り組んでこそ価値があります。

  2. 学年×10 分が学習時間の目安です。5 年生は 50 分です。最長でも 60 分までとし、限られた時間で集中して学習する。

ノートづくりの4つのルール

  1. 見開き 2 ページみっちりやります。ページの最後までしっかり書き、2 ページに収まるようにします。

  2. ナンバー、日付、時間を書きます。(NO,15 4/24 金 7:55~8:33)

  3. 「めあて」と「ふり返り」を書きます。

  4. バッチリメニュー(左のページに)とワクワクメニュー(右のページに)をバランスよくやります。



 以上、エンチャントでした。

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