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8. どんな道具たちで作るのか?

どんな道具を使って作るんだろう?額装をまだ始めていない外側から見ているだけの頃に感じた疑問はこれでした。それは製本のようにきちっと仕上げられているものだったので、自分がこれまで持っていた知識の範疇にはなかったこともあり、具体的にどんな道具で作られているのか不思議でなりませんでした。

いまでは実際に作っているのである程度わかるわけですが、基本的な道具は身近なところで揃えられるものがほとんどです。いくつか特殊性の高い専門的のものもあり入手がむつかしいものがないわけではないですが、たいていのものはホームセンターなどでも普通に手に入るものです。

1. カットする道具

まずは紙などをカットするための道具類。カッター、カッター・マット、アクリル用カッターなど、それから定規です。

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カッターはわりと大きめのサイズのものを使っています。額装の場合、画用紙みたいなうすい紙だけでなく3mm厚程度の分厚い紙をカットすることも多いので、しっかりとしたカッターを選びます。カッター・マットは作る額装のサイズにもよりますが、大きいものを選ぶとよいです(個人的にはW900×D620のサイズのカッター・マットを使っています。大きめのサイズの紙を切るときに重宝しています)。アクリル板をカットするときはアクリル用のカッター、円を切り抜くときは円カッターを使います。

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定規はいろいろあり、長めのサイズから短いものまで幅広く用意しておくと便利です。直角を測れる指矩(さしがね)とかもあると便利ですね。カッターで紙をカットするときは金属製の定規を用い、線の確認や鉛筆などで線を新たに引く場合、透明のプラスティック製の定規を用います。

2. カットする道具2

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Maped社の45°カッター。ビゾー・クラシックというテクニックで45°にカットするときはこのカッターを使っています。本来の額装は手切り、斜めの角度も手でカットするのが本式なんですが道具があるとラクができますね。注意点はこのカッターを使うとき刃が斜めに入るので、カッター・マットを使用しない方がよいこと。カッター・マットに斜めの切り込みが入ってしまいマットが傷んでしまうからです。

3. ボンド類

紙を貼る際にはボンドを使います。通常は木工用ボンドとでんぷん糊と水を混ぜて額装用に使いやすい変えたものを使います。これは木工用ボンド単体だとボンドの伸びが悪くきれいに貼ることができないからです。ただこれもケースバイケースでしっかり貼り付けるときは木工用ボンドそのまま、薄い紙をきれいに伸ばして貼るときはでんぷん糊だけを使うなど、用途によって変えます。

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ボンドを塗る際には筆や刷毛を使います。ボンドを塗るのに筆や刷毛?と驚かれるかもしれません。ぼくは最初に知ったとき驚きました。絵を描くわけじゃないのに筆を使うんだ!と。でもよく考えれば壁紙を貼る場合なんかでは刷毛などでボンドを薄く伸ばして貼りますよね。それと同じことです。

また場合によってはクリヤーボンドや多用途に使えるボンドも使用します。

4. ギャバリー
あらかじめ決められている角度などを測ったり測るのを省略するための道具。

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何度も同じ角度を測る際などに使います。なくてもサイズがわかっていれば問題なく作業できますが、あると便利です。そして便利さを覚えるとなかなか手放せないです。

5. 両面テープ、クラフトテープ、マスキングテープ

額装では主にクラフトテープを使用しますが、マスキングテープなども利用するときがあります。両面テープは仮止めをしたり、ボンドの水分を紙に含ませたくない場合などに利用します。テープ類もボンドと同じようにいろんな種類のものを使い分けて作業します。

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はさみはテープなどが切りやすいよう、ノリがつきにくい小型のものを用いることが多いです。

6. 仕上げの道具類

リングや麻のテープ。大型のクリップ。釘打ち用の道具など。

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これらは主に裏板を作る際や仕上げの作業で使います。

7. 紙類

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1mmから3mmの厚紙、ホームセンターで売っているスチレンボードなど。それから画材屋などにある色紙(や柄のある紙)も使います。

ほかにもいろいろ細かなものはありますが、大雑把にまとめるとこんな感じの道具で作業します。見慣れないものもあると思いますが、カッターやボンド、テープ類なんかは普段から生活のなかで目にするものだと思います。これらの道具類を駆使して額装のかたちに仕上げていくというわけです。道具類を見てああこんなもので作られているんだと身近に感じてもらえたらさいわいですね。

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