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直葬・ワンデー葬にしたら、多大な喪失を補う必要がある

答えのない沼へ、ようこそ。
今日は、葬祭カウンセラーとしての日ごろの呟き、いってみちゃうよ。


コロナを盾に、義理のつきあいはバッサリ斬られた

とりあえずここ3年で、密を避け、直葬・ワンデー葬を選ぶ人が首都圏では急増しちゃった。
「首都圏では」と言ったのは、関西などではさほど影響がなかったという調査結果があるからなんだ。大正大学地域構想研究所の知人僧侶、髙瀨講師がわかりやすくコンパクトにまとめてくれてるから、よかったらリンクを見てみてね。

コロナがなくても、都市部では友人知人を呼ばない家族葬が主流となるなど、葬儀の縮小化傾向は6~7年前から進んではいたんだよね。

けれど、2020年からの新型コロナウイルス感染拡大防止を盾に、それまで義理で呼んでいた地域の重鎮や親戚、僧侶までをも(あくまで、義理でお呼びしていた場合)、一刀両断にするご家族が多数出現。

2020年~2022年までに受けた相続と葬儀後相談(墓じまいなど)のお客さま(東京・埼玉・神奈川)にうかがっても、通常時なら150万円前後の葬儀を出したであろう経済状況のご家庭の8割が、直葬を選択していた。

理由は、東京都内の火葬場の過半数を運営する民間火葬場が、2020年4月初頭に「ワンデー葬推奨、10人以上の会葬NG、会食を伴う会葬も中止」とのお知らせを配布したため、首都圏の葬儀社もそれに従わざるをえず、喪家に「数人で、お食事なしで」とアナウンスしたからなんだ。

他県では火葬場は公営なのでここまでの自粛もなく、関西では「月参り」の習慣も手伝って、コロナだから法事をやめちゃう、といった流れにはなりづらかったようである。

葬儀を依頼した側の話では、「暗に、直葬パックしか選択できないかのように言われた」という様子だった。

義理のつきあいを整理できるのはよいが、喪ったものを知るべき

「コロナで葬儀縮小したら、必ず穴埋めすべきこと」というタイトルの動画をUPしたところ、直後に知人僧侶から続々とコメントをいただいた。

通夜の席で、息子さんや娘さんに、お父さんとお母さんの出会いはどんなだったか訊ねてみる。
「僕たちお父さんお母さんのこと知らなかったね」という返事が返ってくる。

故人様の思い出話に、みんなでお腹を抱えて大笑いしたこともありました。その直後の通夜勤行では、みんな大泣きしました。

一つとして、同じお葬式はありません。

そう。直葬・ワンデー葬(会食なし)では、このようなシーンを逸失してしまうんだよね!


葬儀の一番の意義は、参列した若い人々が、

臨終にこんなにいろんな人が集まって思い出話をするんじゃ、後ろ指をさされるようなことは絶対にできないな

と感じるところにあると、葬祭カウンセラーとして私は考えている。

大手を振って、ズルをする大人たち...…

数十人の大人が集って、夜を明かすくらい故人の思い出を語る。その場面がなければ、葬儀の価値は半減してしまう。

と同時に、葬儀に出た子どもたちが「後ろ指をさされるようなことはできないな」と心に刻むことで、祖父母の葬儀たった1度で、人間教育もできていたんだと、私は思う。いや大げさな話じゃなく本当に。

だってコロナのとき、私は行政書士として飲食店の協力金申請を何十件とやったけれど。

「商店街の飲み屋やってる夫婦がやってきて、〝バカ正直に20時で閉店しなくったって、写真撮るときだけポスター貼ってりゃ協力金もらえちゃうわよ〟って言いに来て。ほんとうに正直者がバカをみる世のなか。頭くる!」

「蔓延防止でちょっとユルくなってたとき、ひさびさに飲み会やったら、〝もしもクレジットカードでお支払いでしたら、19時までにお会計させていただきます〟って言われたよ。現金だったら22時までゆっくり飲んでくれていいって」

そんな話をゴロゴロ聞いた。

私の顧客はみんな、正直に19時とか20時に、東京都から言われたとおりに閉店していたんだよ。ご近所ばっかしだから、ちゃんと見回っていたしね。

こういうズルって、昭和のころにはごく一部の人相悪めな大人が陰に隠れてコッソリやるものだったと思うんだけども。

どうして悪びれもせずに大手をふって、ズルをできてしまう大人がこんなにも増えてしまったんだろう?
悪びれるどころか、おトク情報であるかのように、他の店にまで同じようにズルをしろと勧めてくる...…

こんなに民度が下がりまくってしまった間に何があった???

葬儀の簡略化。その影響も、けして小さなものではないと、葬祭カウンセラーは実感している。

ではまた、明日も沼へハマりに来てね♪

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