見出し画像

2017年夏 シベリアの休日

ロシアによるウクライナ侵攻は、今日で2年になる。
2022年2月24日は、なんだかんだロシアに興味があった私の人生を変えてしまった気がする。大学時代に歩いた国が、これまた一度訪れたことあるウクライナを侵攻した。もう、ロシアには行けなくなってしまった。(心情的に)
2017年の夏、平和だったころにシベリアを歩いた話である。

モンゴルを旅した私と友人は、ウランバートルからイルクーツク行きの列車に乗ってロシアに入った。モンゴルから35時間かけてやって来たイルクーツクは都会であった。

イルクーツクに着いた

シベリアのパリ イルクーツク

イルクーツクはシベリアのパリと言われるほど、古い街だった。あの大黒屋光太夫もイルクーツクに滞在しているはずだ。
朝8時にイルクーツクに到着した我々はまず駅でSIMカードを買って、トラムに乗って宿へ向かう。
空腹だったので、スタローバヤというバイキング式の食堂で、食事をする。久しぶりに食べるロシアの庶民料理はモンゴルから到着した後だけに、御馳走であった。

バイカル湖

昼からはバイカル湖へ向かった。イルクーツクからバスで一時間ほどである。ここは観光地になっていて、水族館でバイカルアザラシを見たり、リフトに乗って、山の上からバイカル湖を眺めた。SNSで見かけるような、氷の湖の写真は冬のことで、夏の湖は、そこまで印象的ではなかったが、海のような景色が、このシベリアで見ることができる、と思うとなんだか感慨深かった。そう、ここはシベリアだったのだ。

リフトに乗った
バイカルアザラシを見た

イルクーツクでの都会的な暮らし

イルクーツクでの楽しみは美味しい食事と美しい建物だった。
シベリアのパリと評されるだけあって、帝政ロシア時代と思われる建物がたくさんあったし、教会の建物も美しかった。

かつての街並みを再現した街区

食事もまた、いろいろなものを食べた。初日の夜にはシャシリーク専門店SHASHLIKOVでシャシリークを食べた。シャシリコフはノヴォシビルスクからロシア全土に広がったお店だ。
翌日は、昼ご飯は、ビジネスランチのウズベキスタン料理。夕方にはカフェでブリヌイ、夕食にはベラルーシ料理を食べた。

ウズベキスタン料理
ブリヌイ
シャシリコフ。チェーンのシャシリーク専門店だ。
ベラルーシ料理
ベラルーシ料理

イルクーツクでは何もかもが楽しかった。というのも、モンゴルでシャワーのないゲル生活を数日送っていたから、文明的だったのが大きいだろうが。

オーロラ航空でウラジオストクへ

イルクーツクに二日滞在して、深夜便でハバロフスクへ向かった。
オーロラ航空でイルクーツクから東京までは安く、わずか26,000円程度だった。せっかくなので、ウラジオストクでストップオーバーすることにした。
ハバロフスクで、乗り換えてウラジオストクへ向かう。
航空会社はオーロラ航空。かつて、ウラジオストク・ユジノサハリンスク~成田線で日本に就航していた航空会社である。

イルクーツク→ハバロフスク
ロシアは深夜の国内線でも機内食が出るのだ
ハバロフスク→ウラジオストク

ウラジオストク(極東ロシア)

初めてのウラジオストク。私のロシア歴は、サハリン→モスクワ→モスクワ・ペテルブルグだったので初めての極東ロシア。(その後、2019年までに二回訪問することになる)

ウラジオストク初日は鷲の巣展望台へ行き、夜はマリインスキー劇場でオペラ鑑賞。二日目は、市場やガラスビーチへ行った。
その春にモスクワやペテルブルグに行っていたため、何となくウラジオストクはもの足らず感じた。日本から見れば、一番近いヨーロッパであるけれども、ロシア本国から見れば極東の一都市なのは間違いない。
それでも、東洋のサンフランシスコと謳う鷲の巣展望台や、美味しいロシア料理を食べることができて満足だった。日本にほど近い場所はやはりロシアであることは間違いなかったのだ。

ウラジオストク駅・シベリア鉄道の終点
ウラジオストク駅
ケーブルカー(フニクラ)。展望台に向かう。
鷲の巣展望台
グム百貨店
おしゃれなカフェ
マリインスキー劇場
ビーフストロガノフ
トラム
トラムに乗った
ガラスビーチ。市街地からバスで1時間近くした
サーモン


オーロラ航空で帰国

帰国便はウラジオストク空港からオーロラ航空で成田まで。
わずか二時間ほどのフライトで、ドリンクサービスのみ。
あっという間に日本に帰国してしまった。

プロペラ機だった
成田まではドリンクサービスのみだった

内モンゴル→モンゴル国→シベリア・極東ロシアと続いた旅は16日間であった。当時大学三年生の私にとって、長い旅であり、体力的にはきつかったが、随分と楽しかったことを覚えている。この旅で陸路国境に味を占めた私は翌年、大掛かりな陸路旅に出ることになる。
それにしても、日本から近い極東ロシア・シベリアを歩けた日がこんなにも遠くなるなんて。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?