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海外旅行好きな社会人五年目。 過去の旅についてエッセイ形式で綴ります。 東海地方出身。

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最近の記事

2017年夏 シベリアの休日

ロシアによるウクライナ侵攻は、今日で2年になる。 2022年2月24日は、なんだかんだロシアに興味があった私の人生を変えてしまった気がする。大学時代に歩いた国が、これまた一度訪れたことあるウクライナを侵攻した。もう、ロシアには行けなくなってしまった。(心情的に) 2017年の夏、平和だったころにシベリアを歩いた話である。 モンゴルを旅した私と友人は、ウランバートルからイルクーツク行きの列車に乗ってロシアに入った。モンゴルから35時間かけてやって来たイルクーツクは都会であった

    • 2017年夏 モンゴルの思い出

      「モンゴルに遊びに行かない?」 そう誘ってきた友人はモンゴルに夢を抱いているようだった。 小学生から仲良かった彼は「スーホーの白い馬」という教科書に載っている童話からモンゴルへのあこがれを募らせていた。馬頭琴を作る話である。 小学生からの憧れを今の今まで(当時21歳だった)と思うとともに、モンゴルは遠い世界に思えた。 私は、どこか遠くへ行きたかった。シベリア鉄道に乗ってロンドンまで行きたいと思っていたが、どうにも予算的に難しかったので、モンゴルからの帰りにシベリアに寄るとい

      • 新首都の歩き方

        新首都は東京から東濃へ新首都と聞くとどこを思い浮かべるだろうか。さいたま新都心、新宿副都心、はたまた大阪都か。 幼い頃、私の過ごしていた地域は新首都に名乗りを上げていた。いつか、リニア新幹線が開業するころ、新首都になるものだと夢を見ていた。そう、東京品川駅から約60分(で到達するはず)、名古屋から10分(で到達するといわれている)、東濃である。新首都は東京から東濃へ「東美濃丘陵が一番いい」。21世紀初頭の儚い夢だ。 東濃、といわれてもピンとくる人は少ないだろう。名古屋周辺に

        • ウズベキスタンの思い出

          ずっとウズベキスタンを再訪したかった。過去に書いた文章を再度眺めてみる。2018年の思い出だ。 ウズベクに行きたい。三日に一回はそう呟いている気がする。 大学時代、かれこれ35か国くらいに渡航したけれど、その中でも一番に感動したのはこの国だった。ちなみに、最も良くてまた行きたいと思える国はウズベク、バルト三国、カフカ―スあたりだろうか。イランのように景色は良くても、電話が自由に使えなかったりすると心理的に厳しいけれど、これらの国は電波もほどほどでご飯も美味しかった。 そ

        2017年夏 シベリアの休日

          2017年春 ウクライナ旅

          大好きな旅行のことも文章に残しておかないと、すっかり忘れてしまう。 段々、コロナ禍前の記憶も薄れているので、なるべく書き溜めておきたい。 2016年夏、ロシアに滞在をしてから、ずっと思っていたのが、もっとロシアや旧ソビエトの国々を訪問してみたいということだった。ユーラシアの国々は陸路で国境を越えることができるから、大学の長期休暇を利用して、ほぼすべての旧ソビエトの国々へ行きたいと思ったのだ。 そんな中、2016年11月に私は衝撃的な値段の航空券を見つけた、羽田~モスクワが往

          2017年春 ウクライナ旅

          2016年夏、ロシアの思い出

          人には忘れられない思い出があると思う。社会人5年目の私にとって、忘れられない思い出があるとしたら、それは7年前にロシアで過ごした夏のことのかもしれない。それは今でも時折夢に現れて私を惑わす。夏から秋のロシアは、空気は澄んでいて、美しい街並みの街を歩いた後に乗り込んだ寝台列車から暮れゆく空をずっと眺めていた。若くて、もう取り戻せないであろう夏の思い出だ。 ロシアへの短期留学2016年の春、都内の大学の二年生だった私は第二外国語のロシア語の講義の中で、夏休みに一か月間の短期留学

          2016年夏、ロシアの思い出

          私を旅に駆り立てるもの

          最近引っ越しをして、都市で再び暮らすようになったので思うところあり、四年前に記したものを読み返しました。以下、2018年12月記。 私は旅が好きだ。大学に入ってから、所属していたサークルにいると酒浸りな生活になりそうで半年くらいして飽きて、バイトをしながら格安航空券を探しながら旅に出るようになった。 私にとって初めての旅、というのはいつのころだったのか今をもってわからない。東海地方の小さな市に生まれた私の家族は遠出するのが好きだった。高山ラーメンを昼食にするために100キ

          私を旅に駆り立てるもの

          ロシアに遺された鳥居を見るためだけにサハリンへ行った話

          オーロラ航空で成田からユジノサハリンスクへ2019年夏現在というか、コロナ禍による入国制限の前、日本~サハリン間で就航していたのは、オーロラ航空の成田~ユジノサハリンスクが週2便、新千歳~ユジノサハリンスクが週5便。他には、ウラジオストクやハバロフスクを経由して行くこともできた。 ※稚内からの国際航路は2018年夏をもって休止。 運賃は往復6万円程度とそこまで高くなかった。東京~稚内のANAより少し高いくらいだった。 成田空港では出国審査を終えて、飛行機に乗り込む。 ユジノ

          ロシアに遺された鳥居を見るためだけにサハリンへ行った話

          ロシアに遺された鳥居を見るためだけにサハリンへ行った話⓪プロローグ

          日本最北端の街 稚内今月、入国規制はだいぶ緩やかになっているものの、会社勤めの身としては、まだまだ、海外へ出かけられる事情ではなく、北海道を旅行した。 私は夏の暑さが嫌いで、大学の頃から、夏はロシアだったりモンゴルだったり、涼しい地域で過ごしてきた。 その涼しい北海道の旅の最終地点として稚内で一日過ごした。最終日、生憎、雨であったこともあり、博物館を中心に巡ることにした。 稚内にある博物館に、「北方記念館」や「稚内市樺太資料館」がある。この二つの資料館では、日本国内の博物館

          ロシアに遺された鳥居を見るためだけにサハリンへ行った話⓪プロローグ