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本棚整理していて

今日から5月、とはいえ、札幌は非常に寒く、観光客は冬コートを着ている人も。
写真は円山公園の紅白の梅。
寒さでダメになっているかなと小雨の中、見に行ってみましたら、健在でした。
桜と梅が同時期に咲く札幌。

夕方から書棚を整理していて、何度も何度も読んでいるサガンにまた離れられなくなり。
ここnoteには、2018年の7月に記事を書いていました。少し直して、再掲。

フランソワーズ・サガン

愛と孤独と

サガンのテーマは生涯にわたって、「愛と孤独」じゃないだろうか。

1935に生まれて、2004年に亡くなる。
心臓疾患で亡くなったらしいですが、69才とは、
はやすぎるように感じますが。

華々しく、思い通りに、キレッキレッに鋭く、生き抜いたようにも感じてしまいます。

私は、本が沢山ある、いわゆる山のようにある、本ルームがある家だったので、サガンを読み始めたのは小学生だったはずで、好きとかなんとかではなく、
ものすごい迫力で惹き付けられたように覚えています。

それは、文脈から見え隠れする、どうしようもない孤独感、その孤独感に惹き付けられたはずです。

ぎりぎりに短くカットされたセシルカット。
隠さずに、ばーんと自分を晒して。
自信満々で。


    私は過去も現在も、男の子のように短い、ベリーショートヘアの友達が多い。

私から寄り添うより、相手から寄り添ってきます。なぜか。

不思議と仲良しになる。

ハッキリした性格、もの言いも、ズバッとしている。

サガンのイメージが私の頭に定着しているので、同じようにスレンダーで感覚は洒落ていて、頭も良い人ばかりです。

サガンは、ゴシップネタの宝庫だったようで、
それは、もしもサガンが現在の人だったとしても同じではないかと思います。

男、夜遊び、アルコール、車、スピード、クスリ、
バイセクシュアル、、

『悲しみよこんにちは』を書いたのは18才。
まさか、世界中に翻訳されて、そこまで売れるとは
本人は考えなかったはずです。

当時でも、日本円にして約350億円の印税収入があったはずです。

自分の周りに、沢山の人が群れているけれど、
それは、名声やお金に群がってきているのを、充分知っていたのではないでしょうか。
知ってはいたけれど、サガンは、普通や平凡、静かになどより、刺激のある生活を好んだのでしょう。なので破天荒に暮らした。

沢山の人に囲まれていながら、サガンは孤独だった。

愛を求めて。2度の結婚、2度の離婚。

晩年は女性と暮らしていた。

沢山の作品を身をしぼるように書きながら、収入も沢山あったはずが、晩年は家すら売ってしまわなければならず。

パリから離れた田舎町の病院で、ひっそり孤独に死んでいったサガン。

何を思っていたのだろうか、たった一人であっても、2度目の結婚で得た子供(息子)の行末を案じていただろうか、それとも、自分の生涯を悔いていただろうか。

浪費癖、、生涯なおらなかった浪費癖。

私は、同じ時代に生きていたら、友達になりたかった。

そして、なんとしても浪費癖をなおす。
クスリをやめさせる。

インタビュー集です。「愛と同じくらい孤独」は
作者が39才の時。
それから約20年後に出たのが「愛という名の孤独」。

2冊ともに、読み終わると、スカッとします。
スカッとしますが、なぜ?なぜ?の疑問も多く残ります。

お金について、自由について、好きな作家について、孤独について、書くことについて、愛について、、。
2冊続けて読むと、サガンという作家というよりは、繊細な感覚を持った一人の女性が浮き上がってきます。

プルーストを十代の前半から読み始め、サガンという名前も、プルーストの作品の中に登場する人からとっているはずです。

プルーストかと思いながら、相当に早熟だったのだろうなぁと想像します。

恋も愛も車も事故も、2度結婚して離婚しても、個人主義が徹底したフランスだから、大人世界のフランスだから、自分の主義を通して生きられたのかもとも思います。

私の祖母の親友に、ある意味では、歴史的に社会的に、
女性史的には、非常によく世の中に知られた人がいます、、その人の生き方について、
私が云々と疑問を吐くと、祖母は、

「それが、彼女、
彼女の運命なんだわね、、
本人は苦しんでもいず、、
その時、その時をまっすぐに生きている、生きてきたのよ、、」

運命かと思うよりないようにも。

サガンは、自由そうで、孤独で、真実の愛を求めて、刺激を求めて、書いて、書いて、孤独に死んでいった、、それが、

サガンの運命だったのでしょう。

素晴らしい作品を、後世の人々に残して。

サガン自身は幸せだったのかなと、

このインタビュー集にもありますが、

子供時代は幸せだったとサガンは明言していて、

それだけでも、救いのように思います。