大河ドラマ「光る君へ」感想 (9)
いろんな意味でしんどくなってきた大河ドラマ。
何度も言っちゃうけど、個人的には今のところ“紫式部のドラマ”を見ている、という感覚ではなくて。
これがどのようにして『紫式部』に育つのか、丁寧に追いかけていきたいとは思っているんですけどね。ツッコミなどしながら。
以下、感想。
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*捕まってる毎熊直秀さんたち。
あ、やっぱり輔保とかもいるんだね。何人かは逃げたのかと思ってた。
「見下されて悔しくねえのかよ」
っていう直秀の発想はこの時代では“はみ出てる者”の発想なんだよね。
踏みつけられることに慣れすぎてしまった者は気付きさえしない感情だ。
*東三条殿の盗賊の話にきゃっきゃする土御門殿の姫さまたち。
この人たちの笑いポイント、ほんとよくわからない。
でもこんなもんかな、貴族の姫さまがた。
枕草子でも庶民の火事の話が出てくるんだけど、さっぱりわからなかった。
女房たち、ひどすぎ。(^^;
myガデス・定子さまですらこんなノリなんだもんなぁ。
*赤染衛門と穆子。
これもわからないポイント。
なにこれ? こんなに引っ張る話題だったのこれ。昼ドラ的な??
*まひろと乙丸が出向くも、散楽の人たちがいない。
からっぽのアジトに立ち尽くしているとそこに検非違使(放免)たちが。
「お前も仲間か!」と引っ立てられる。んなアホな。かっこ見ろや。(率直なツッコミ)
お出かけのまひろは下級とはいえ貴族の娘としてそれなりの着装をしてるはず。
それを縄打って引っ立てるって……んなアホな!
この放免の人たち、前にも出てきた人たちだと思うけど、前も疑わしきは捕まえるって感じだったな。
身分社会では装束などの出で立ちが名札みたいなもんだと思うのだけど、道長も平気でとっ捕まえたりしてたし、よくわかりませんね。まあ……ドラマだし……と飲み込む。
*道長は検非違使に袖の下を渡して穏便解決を頼む。
下級官人なんてこんなもんだよな。きっと。
「手荒なことはしない」――つまり、ひと思いに殺す? となったのか?
そこへ引っ立てられてくるまひろ。そりゃ道長もびっくりするわ。私もびっくりしっぱなしだったわ。
何を根拠に盗賊の仲間って言いだしたの?
*まひろの身柄を引き取り、馬で去る道長。
走る従者。そうだよね、馬だろうが牛車だろうが、従者は脇を徒歩で追従する。
しかし乙丸すごいな、ここはちょっと面白かったw
*東三条の家人の手前、検非違使に引き渡すというけじめが必要だったという道長。(いやそりゃ知り合いとはいえ、一応は賊ですし)
道長は誰も信じられないという。でもまひろのことは信じてる。直秀も。
直秀は筋が通ってるし、って。
獄を出れば遠くの国へ流されるだろう、と。(だがそれを確かめる上役などおらんのだ……)
ここで、鳥の羽音が海のさざなみのように。
「もう三郎とは呼べないわ」
「三郎でよい」
「無理」
これが、いまの二人の距離なんですね。
「うちは土御門の近くなので……」(認識あったんか!)
一緒にいるところを見られるといろいろ言われるしっていうまひろ。
「何を言われるというのだ」
本日のアオハル。
*帰途、直秀ら散楽のものたちの義賊としての正体を知る道長。
施政者よりもむしろ盗賊が慕われているのを目の当たりにしたのがポイントなのかな。
*堤中納言邸では珍しく書物を読んでる惟規。大学に入るらしい。
「殿は今宵はよその女のもとへ行ってるのでお帰りになりません」
っていう、いとは何?(^^; こわいわ、これも昼ドラ?
*花山帝に漢詩を進講している為時。
この詩、為時自作のものらしいですね。
そこへ道兼が薬湯を持ってくる。
「お前が言うなら飲もう」って、すっかり信頼されとる。
ちょろすぎます、花山さま(涙)
*実資のもとへドヤドヤやってくる義懐。
肩で風を切っておりますな~
しかし義懐、なぜに蔵人頭の実資に帝のもとへ女子をつぎこめ、と?
これたぶん、蔵人所だよね? こんなところで堂々とこんな話するもんかいな。
義懐、とことん悪役に描かれるんだなぁ。。(これも解釈違いなわけですが)
手のかかる帝だ、は思ってたかもしれんけどね。
*「私を公卿にしなかったのが悪い!」
激おこの実資。
「わしが公卿であったら」何回言うねん笑
「日記、日記!」「日記には書かぬ!」って、すっかりギャグ要員なのかしら、この夫婦。
*なんだかんだ、ちゃんと父を見舞う詮子。
と思ったら。
「お心おきなく旅立たれませ」←人の心ないんか。
その時、兼家の目が開いて、「そうはゆかぬぞ」
そりゃ叫びますよね (^^;
そしてここでネタ晴らし。
道兼のドヤっぷりが切なかわいいな……
やはり最初の晴明と二人きりでの時に密談があったもよう。
兼家「帝は思いのほかしぶとくおわし……」←どんな敬語やねん
ところで、兼家ではなく晴明側の策という方向らしいですね。(それもまあなんでかよくわからんけども)
道兼、兄弟のなかでちょっと浮いてきたな……悪目立ちということかな。
「帝を玉座より引き下ろし奉る!」←だからそれどんな敬語やねんな(^^; 下ろすんか上げるんかどっちかになさいませ
道隆は感服してる。これを素直に尊敬するところが道隆なんだな。
道兼は自傷行為とのことで、あれを自分でやったのにこんなにドヤってるのほんとつら( ;∀;)
しかしやさしいな、花山さま。
「お前の父親は難儀だな。義懐もうるさい」
わかりあう(フリ)の二人。きつ。人の心ないんか……
道兼「兄上や道長がのんびりとしておる間に私は身体を張って……」
もはや痛々しいですね。つら。
*散楽のみなさんたちは、牢獄のなかでも明るくていいね。(いいね……( ;∀;))
*道長と同僚。検非違使からの情報で直秀らが流罪になることを知る。
流罪のほうが手がかかる……雲行きがあやしくなってきました。
道長「どこに向かった!?」
「と、烏辺野」
もうその地名だけで、死を悟る平安クラスタ。
京都、六道の辻のさらに向こうにあり、都からは“異界”。
平安時代から葬送の地として有名で、小右記には道長も同地で葬られたと書かれている。
烏辺野では、異変に気付く直秀。
駆けつける道長とまひろ。
転がる七人の死体。うそやろ。
一言の遺す言葉もなく……脚本家、人の心ないんか?
死穢もなにもなく(もう何も言うまい)折り重なる遺体を埋葬しようとする二人。
(七人まとめてつながれて斬りかかられたらさすがにパニックでごちゃごちゃになるよね)
直秀に扇を持たせる道長。
芸人としての死、ってことかなのかな。
それにしても、一晩かかって二人で友人ら七人を素手で埋める……悲壮で過酷な地獄みたいな労働……マジこの脚本家、人の心ないんか!?
*ほんとうはですね。
そもそも平安の人々の観念としては身体はあくまでも器であって、そんなに死体に固執しないらしいんですよね。
なので、火葬の場合は遺体はすぐに焼却、灰は撒く。
土葬の場合も野ざらし。あるいはむしろをかける程度。高貴な身分だと簡単な小屋のようなものを用意してそこに安置するだけらしい。
亡骸は自然に地に還っていったんですよね。
だから逆に、遺体は獣に食われたり盗まれて売られたりするわけですが。(人の臓器など身体の一部を使って薬などが作られるらしい)
九相図が有名ですね。檀林皇后とか、小野小町とか。
高貴な身分の者や、美しい人も、死は平等に訪れて諸行無常に朽ちていく。
*慟哭する道長、かわいそうでしたね。
(まひろが一言も発しないのはなんでだったんだろ?)
でもそれにしても、ですよ。
ソウルメイトとしてのシンパシー感じさせる構成なのかもしれんけど、主役の二人に罪の呵責を着せるために、こんな展開で殺された直秀はもっとかわいそうだわ。
なんなんだ、この展開(怒)
大河ドラマで、せっかくオリキャラ出すのなら、都合よく殺さず最後までちゃんと彼の人生を生かせてやれよ(激怒)
前々から言ってるけど、映画やドラマなどのフィクション作品における、いわゆる“フックを効かせるためだけの過激な演出”は好みではないので、今回の散楽のみなさんの結末には納得がいかなかったですね。。
*内裏にて犬の死。
そして廊に水たまり←え?
(源氏物語の桐壷巻で通路に糞尿が撒き散らされてる描写(あれはいやがらせだけど)があるけど、あれも尿だったのか?)
これ、怪異なんかいな……
あと、わたくし実はそもそも、このドラマの帝が兼家をそこまで嫌う理由もよくわからんのです。なぜ視聴者がそこを想像せねばならんのだ。もっと関係性がわかりやすいエピソード見せてください。
晴明「忯子さまを成仏させられるのはあなただけ」
花山帝「何でもする!」
晴明「うーん」
「うーん……出家あそばされるしかございません」←なんでやねん(^^;
*惟規の出立の日。
いとがぼろ泣き。大学に入るなんて充分立派やないですか、惟規。乳母なら喜ぼうぜ。
大学寮は、現代の大学とは違い入学試験はなく、“貴族子息の13歳~16歳の聡明な者”と規定があったそう。
入ってからの試験のほうが大変だったようですね。
このドラマではことさらに能天気キャラに描かれている弟・惟規だけど、実際には若い頃(この時13歳くらい)からちゃんと勉強してたんだね。
為時「お前が男であったら、と。今も思うた」
まひろ「私もそう思います。男であったなら、たくさん勉強して、世を正します」
以下次回。
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あーっ、次回!!
えーっ、次回!?
いよいよ今夜、寛和の変!
というところみたいですが、まっひー&みっちー、二人の世界……???
マジでこれ、どうなるのこのドラマ???
こ、今夜も楽しみです(^^;
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