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大河ドラマ「光る君へ」感想 (1)


 思い起こせば幼少のみぎり、父母が毎週のように見ていた大河ドラマ。
 最古の記憶はたしか『独眼竜正宗』なんだけど、最初にハマって全話かじりつきで観たのが『太平記』。(幼心にも真田広之めっちゃくちゃかっこよかったーっ)

 以来、インターバルもはさみつつ、なんだかんだとずぅっと慣れ親しんできた大河ドラマ。

 あ、ついでに言っておきますと、個人的な歴代最高大河はだんぜん『平清盛』。
 次点で『太平記』、『麒麟がくる』『鎌倉殿の13人』。
 です。

 大河ドラマで日本史の面白さを知った人間だけど、その後きちんと史実を学んでドラマとは違う面白さを知ったし、史実や古典を学んでからみる大河ドラマも「ほほう、ここはそう解釈するのか」とか「アレをコレとそうつなげるのか、なるほど~」などと思えて楽しい。

 だからなんだかんだと文句つけたりなどしながらやっぱり見ちゃう大河ドラマ。応援してるぜ、これからも。


 そして今年。

 いよいよやってきました平安大河。
 もう長く己の主戦場としてやってきましたもので、発表されてからこちら、期待と不安で胸がいっぱいだったけど、年明けの落ち着かない空気のなか、幕開けは意外なほどあっさりと。

 以下、第一話の感想。

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*まさかの星空からの晴明スタート。FF7かと思ったわ。
「紫微垣(しびえん)の天蓬の星がいつになく強い光を放っている」
 これ、字幕いりますよね?
 紫微垣は朝廷を指す星。天蓬はそれを護る星官。(西遊記の猪八戒がこれらしい)
 公式の用語集では「北斗七星の第1星。おおぐま座のα星」となってたけど、それって貪狼?
 しかし不健康そうな晴明、いいですな。

*まひろちゃ登場。(鎌倉殿の大姫役の子なんですね。かわいい)
 国仲涼子さんがすっかり良いお母さんになって……
 このボロ……慎ましい家は堤中納言邸か? という意見も見かけたけど、それだったらもう少し良い家でもいいような……
「お庭は寒いですよ若さま」って言ってたけど庭も中も一緒だよ。。
(ちなみにトップ画像にあげた写真は堤中納言邸跡地にある廬山寺のものです)

*そしてオープニング!
 ごめん大爆笑してしまった。手が!! 概念!? これは概念手っk(となりで娘が見ていたので自主規制)
娘「これ、紫式部と道長かな?」
私「そうっぽいねぇ」
娘「めっちゃにぎにぎさわさわしてるね」
私「そのうちびゅーんって離れるよ、たぶん」
 びゅーん(離れる手と手)
「「離れたぁーっ!」」(歓喜)
 しかしそれにしてもピアノの音と墨や雫のあとが美しい官能的なOPでしたね。
 そして倉本先生のお名前に上がる~~~
(まって顕光出てた? 今から探す!)

*東三条邸では兼家一家が勢ぞろい。
 Baby定子さま!(myガデス定子さま!)
 ということはちらちら見えてるあのちっこいのが伊周……
 しかしやっぱり道兼と詮子さま、子役のほうがよかったのでは……
 この時道兼16歳。詮子15歳。満年齢だと二人ともまだ中学生やで。

*各ご家庭のお食事の膳の差が良いですな。衣食住、貧富の差がはっきり出てる。

*宣孝でました!(いやちがう、これは秀吉? お前、秀吉(by麒麟がくる)だろ?)
 わいわい言うだけ言ってあっさり去っていく……やはり秀吉??

*道隆さまと貴子さまが協奏を……などと思ってたら三郎が小千代君と遊んでおるぅ(訳:み、道長と伊周があ、遊んでる、だと……)

*うさんくさい平惟仲、為時が秀吉(違)に尻叩かれてやっとこ持ってった申し文、ちゃんと渡してくれるかな平惟仲。

*なんなの道兼、こっわ。

*ちやはさんの考え方、あり方がそのまんま、the平安女子なんだよね。
(職もねぇくせに……とはならない)

*年が明けて除目(じもく)。
 はーーーやっぱいいわぁ、黒の束帯ずらりの廂と、簾中の帝の白い御引直衣! 白飯何杯でもいける。酒も飲める。下戸だけど。
 ってか文範さん、孫娘のお婿さんなんだからもう少し推したげて~!

*まひろちゃから三郎に漢籍の指南。
 馬鹿の語源……項羽と劉邦にあるやつですな。
 ところでこの鳥かごいいなぁ。餌のやり方とか、なるほど。

*内裏では後宮政策まっただなか。
 遵子さまめちゃかわ! ちょっとふくよかな丸い頬、御装束よくお似合いでかわいい~

*「頭を使え、肝を据えよ」←兼家サイコーやん。
 だからこわいって道兼。あーでもお母さん好きなんだなぁ。だってまだ中学生……ここの兄弟ゲンカもそう思えばまだ……いや、こわいな。
 父の三兄弟評。兼家めっちゃ悪いわ~いいわ~好き!

*ちまたで庶民が楽しんでいる散楽。
“コーメイの大臣”言うてましたね。コーメイ=源高明。すなわちこれは案和の変! のちに出てくる高明の子ら、俊賢や明子ともなにかしらうまく関連付けてほしいな。

*そして出会うソウルメイト。案外あっさり出会ったなソウルメイト。
「貴族の子ではない」は衣服でバレるやろ。

*声が張らない関白さま、かわいいな。
 声ちっちゃすぎ。帝の「……聞こえぬ」わろた。
 しかして遵子さま、やっぱりチョーかわいんだけど!
 待ってくれよ、この方の弟がケータ・マチダの公任なの!?
 推せるわぁ小野宮……!!(私は公任の息子の定頼推し) 
 イラついてる兼家もいい。(あっ惟仲ちゃんと文渡してくれてた!)
 扇で畳とんとんして「もっと近う」する兼家もいい。好き。
 しかしこうやって枝葉を拡げていくんすね。目がぜんぜん笑ってなくて時折ふっと笑みを消す腹黒兼家がほんと好き。

*夜勤してて眠たいのに呼び出される晴明。
 出たーっ、アシンメトリー狩衣! インパクトすごいね。
 晴明の「んーーー……」っていうこの困り顔みたいなん、笑える。
 ここももう少し説明があっても良かったんじゃ……陰陽師に頼む、つまり呪詛を依頼してるわけよね。
 陰陽師の呪法、降雨や豊作ばかりでなく胎児の性別を変えたりなどにも用いられる、当時は非常に信頼性かつ利便性(?)の高いものだったのだ。

*そして出たー! 師貞親王! すごい変顔!
 これは花山院としておおいに期待できるとともにどなたかを髣髴とさせる親王さまじゃ……そのうち今様とか歌い出さんか?

*またしても三郎に八つ当たりする道兼。
 月に代わって時姫におしおきされなさい道兼( ;∀;)
 でもやっぱ、お母さんはすきなんだなぁ道兼……だからちやはにも引いたのかも。だとしたらいらんこと言った従者が一番いらんことしたぞ。

*いやいやいや、川とかどっかでせめて返り血は落としてきて道兼ー! 
 邸内に穢をかんたんに持ちこんじゃまずかろうに。さすがにそれくらいはわかる歳じゃろうに。

*身分社会の闇……まひろ一家の悲痛な叫び。
 見上げる月。
 そして次回へ。(待って、顕光ほんとどこにいた?)


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 一話は総じて顔見せ的なとこもあるし、お話はまだまだこれから。
 正直、晴明とかサイコパス行動の道兼とかは一般向けのフックかと思ってるので衝撃の殺人事件もストーリー上はまあある程度はしかたないかなと思い、ます。
 身分違い以外にもソウルメイトの2人には障壁が生まれてしまった。ロミジュリですな。

 とはいえ、どんなに史実に忠実に作ったって面白くなくて視聴されなければ意味がないですもんね。

 前々から自論として掲げてるのは『史実に忠実かどうかよりも必要なのは説得力』ということ。

 今回の道兼の場合は、年齢が数えで16歳なのでやはりそのくらいの子が演じたほうが見た目にもまだまろやか(まろやか?)だっかもしれない。大人が演じているぶん、サイコパスみだけが暴走している気がするな〜(おそらくそれが狙いなんだろうけど)
 あ、でも道兼役の玉置さん、めちゃくちゃ気さくな方でTwitterもといXでもすごくおもしろいツイートもといポストされてましたね。好感度上がるなぁ。

 個人的に気になったのはそれよりも、

・まひろちゃと三郎、さらりと出会いすぎてて恋に発展する要素なんかあったか?(お話してお菓子食べただけっぽい)
・冒頭の晴明の予言みたいなの結局なんだったの??(「今宵から始まるのだ」みたいなこと言ってたけどあの日はとくになんの動きもなく……)
・「約束の月」ってどういう意味だったんだ?(約束はわかるが月?なぜ月?)
・顕光ほんとにいた????(OPに名前があったから探したけどわからんかった……)
(追記。どうしても顕光が見つけられないので公卿補任で確認したところ、この当時の顕光は従三位権中納言。ということはやはり除目のシーンでずらりと居並んだ黒束帯の奥のほうにちらりとまぎれこんでいたっぽい。うーん、わざわざOPに載せるならもそっとちゃんと映してほしいところ……)



 いやはや、たった一話で話題がつきませんな。
(たった一話で退場の国仲涼子にもビックリだし、次は三石琴乃退場とのウワサも……。さすがのゼイタクだぜNHKさん!)
 いろいろと議論もあるみたいだけど、とりあえず大河ドラマは史実を元にしたフィクションですんで、落ち着いて、純水にドラマとして楽しみたいですね。

 んではこれから一年、やりまっせ、感想。
 いざ、尋常に。

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