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大河ドラマ「光る君へ」感想 (23)



 今回のサムネイルは兵庫県立考古博物館の日宋貿易を再現した展示。
 唐語と和語で交易について会話してる音声も流れててなかなか本格的なのです。

 さて、光る君へ。

 越前編、基本的にずっとファンタジー時空なのでツッコミが止まらないよ……!

 まあたしかに、よほどの大都市でもないと地方での暮らしなど、とくに資料に残りにくいし、そのうえさらに受領の身内の都生まれの姫の身の回りの話となると、「帰りたや~」って泣いてたイメージしかわかない。実際、紫式部はそっちよりだっただろうし。

 それじゃあ話にならないし、ドラマにするならもちろん住環境からなにから想像で補っていくのが当然。ドラマ館まであるのに越前が盛り上がらないもんね。

 理解はしている。理解はしているけど、とにかくまひろっちの自由さと為時の活き活き度と殺人事件とかラブストーリーは突然に、とか。。


 とにもかくにも以下、感想。


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*実は日本語ペラペラだった(やっぱりか)松下・ヂョウミン・洸平の介入により驚くほどアッサリ解決した火サスパート(?)in 越前国府。
(殺生沙汰とはいえ、まあほとんど不慮の事故だもんね)


 ともあれ最初の山場を越えたことで(?)急速に接近するまひろと周明。
(お互い、というよりまひろっち最初から周明のこと狙ってたみたいに見えるもんなぁ。吉高さん常よりお顔がてかてかヌーディな気がしてきたw)

 互いのことも話したりなどしつつ、言葉を教えたり手を握ったりの超王道展開……

 正直に申しますと、インターナショナルラブファンタジーパートが思いのほか長く続き、ワタクシ思わず寝そうになってきておりました…………と、そこへ!

 麗しの一条帝と悲運の中宮定子さま、真のラブパートがきた!!!(一気に覚醒)

 古今和歌集の紀貫之歌によせて、愛しい后に逢えぬ辛さを語る帝。
 蔵人頭・行成はかたわらでそれらを見守り、その心に寄り添います。

 ……が!!
 道長からは「帝の術中にハマるな」とクギを刺されてしまう……
 左大臣になり、急にブラックな(?)一面を見せた道長。
(あまりの急成長ぶりにビックリしたわ。急にどうした。帝が腹にイチモツあるような物言い、不敬きわまりないぞ)


*定子は清少納言にささえられ、一条天皇の第一子となる皇女・脩子内親王を無事に出産。(推し、爆誕!!!)
 真っ白の室礼、装束…………もっと見たい! えぬえっちけーさん、中関白家サイドにももっとお金使って人員配置して! ちょっと訛りのある生昌おじさんも出して!!

 この白一色の御産風景。個人的にドラマ放映にあたってぜひとも見たいものの一つでした。
 のちのち、紫式部日記では彰子の出産関連の儀式がメインイベントですし、こちらは主人公目線でもっとじっくりいろいろ見せていただけるかしら……炊き出しの頓食とか、散米とか、虎の頭とか。

 こちらは風俗博物館で再現・展示されている源氏物語、明石女御の御産風景。↓↓↓


 平安時代、貴族女性のお産時には産婦となる女性だけでなく介添えの女房らもみな白装束でした。今よりももっと出産が命がけの時代。
 人の生死の瞬間には、みなそれだけの覚悟をもって挑んでいたんですね。。


*内裏では人伝に報せを聞き、定子の身を案じたり、皇女誕生を喜んだりする一条帝。
 愛する妻と初めての我が子、そりゃあ会いたいよねぇ( ;∀;)



*さあそして。
 次なるヒール(となるのでしょうか?)東宮・居貞親王が登場!
 居貞親王――のちの三条天皇は百人一首の物悲しい和歌でおなじみ。

心にも あらで憂き世に ながらえば
 恋しかるべき 夜半の月かな

(心ならずもこの世に生きながらえていたなら、いつかきっと恋しく思い出すだろう。今宵のこの、美しい月を)

百人一首68番・後拾遺和歌集 巻十五 雑一 860


 即位してからも、道長の圧力に苦しみ、眼病に苦しみ、娘のことで思い悩み……不遇で切ない生涯の象徴のようなこの和歌ですが、ご本人は意外とアグレッシブでハングリーなところもあったようで。
 なんといっても自分は冷泉流、つまり本流の皇統である、という強い意識があったんじゃないかなぁと思いますね。
(そのやる気とプライドが、道長にとっては厄介のタネに思えたんだろうけども)

 しかしそれにしても初登場から嫌味に呪詛にと暗躍しすぎ……

 そういえば爆誕の脩子さまにつづき、お父上に抱っこされて敦明親王も受肉!


*さあそして今回の謎時空タイム。
 定子のいなくなった帝のもとへ入内した女御たちと帝の仲が打ち解けるよう、道長が土御門第にてお膳立てを。(??(?_?)??)
 いやいや……
 いくら野心がない(設定)からといってこれはほんとに謎。
 承香殿の女御・元子(個人的に推し)は右大臣・顕光の娘だよ? 父や兄から引き継いだものを全部うっちゃる行為じゃないの? 逆に言えば伊周らのほうが近い身内なんだからここでこんな会を開くくらいならそっちとうまいこと共同して帝を支えてやれよって話になってくるんじゃ……
 平和主義だか無欲だか設定はよくわからないけど、さすがにこれはないわ……外戚を狙う政権争いとか、そういう根本の問題がブレブレやん。。



*いっぽうの越前ラブ……まひろと周明、だんだんと距離が近づいていき、いい雰囲気になってきたところで、
 宣孝のちょっと待ったコーーール‼(待ってました‼‼👏)

 いやたしかに強引だし急だし超年の差婚だし、為時パパが白目むくのもわかるけど、でもこれは史実なんでね。うん。


 どっこい、周明。
 何やら裏があるようで…………待て次回。

 

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 ~ 今週の小ネタ ~

 玄怪録(げんかいろく)………唐代の政治家・牛僧孺による伝奇説話集。
 よく知らんので調べてみたら続玄怪録なるものもあり、そちらには「杜子春」が収録されているもよう。

 あと今回の気になった点。

 謎のヘアスタイル。ほんとになんでなの??

 ですよね~~~~~


 次回、まさかの裏があった周明!
 元カレとの絆がまひろを追いつめる……⁉
(そりゃああんなに無防備にベラベラしゃべっちゃあなぁ……)



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